
自治体のAI活用事例8選|導入メリットと課題・対策まで解説

住民票の交付申請や介護保険の認定手続き、税務データの入力作業など、自治体が日々こなす膨大な定型業務は、慢性的な人手不足と職員の高齢化が進んでいます。
実際、総務省の調査※では地方自治体の約50%がすでにAIを導入済みです。横浜市の生成AI活用や川口市のAI-OCR導入など、具体的な成果を上げる自治体も増えています。
本コラムでは、全国8つの自治体で実際に進むAI活用事例を中心に、導入のメリットと押さえておくべき情報セキュリティ課題・対策まで網羅的に紹介します。AI導入を検討中の自治体担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
参照:総務省「⾃治体におけるAI・RPA活⽤促進(令和6年7⽉5⽇版)」
目次:
- 1. 自治体にAIが必要な理由
- 2. 自治体におけるAI導入の現状
- 2-1. 地方自治体の50%はAIを導入している
- 2-2. 生成AI(ChatGPT等)の登場による「行政事務」が変化している
- 3. 全国の自治体におけるAI活用シーン
- 3-1. 神奈川県横浜市:生成AIとRAGを導入して蓄積したドキュメントを活用し行政サービスを向上
- 3-2. 神奈川県藤沢市:職員減少を見据えた生成AI・RAGによる課題解決の検証
- 3-3. 青森県大鰐町:要介護認定関連業務のローコード開発でDXを推進
- 3-4. 埼玉県川口市:LGWAN対応AI-OCRで16課の入力業務を自動化
- 3-5. 北海道恵庭市:税務課主導のRPAプロジェクトで16業務の効率化に成功
- 3-6. 福島県福島市:マイナンバー対応AI-OCRとRPA連携で介護保険業務を改善
- 3-7. 茨城県大子町:紙帳票の入力業務をAI-OCRで自動化し負担を軽減
- 3-8. 岩手県久慈市:AI-OCRとRPAの併用で入力作業時間を約8割削減
- 4. 自治体がAIを導入するメリット
- 4-1. 事務作業の時間が短縮できる
- 4-2. 専門知識を補完し、若手職員や異動直後の職員をサポートできる
- 4-3. 窓口対応の自動化による住民サービスの利便性が向上する
- 4-4. アンケートやビッグデータ分析による精度の高い政策策定につながる
- 5. 自治体がAIを導入する前に解決したい課題と対策
- 5-1. LGWAN(総合行政ネットワーク)環境下での安全性を担保する
- 5-2. 個人情報の取り扱いと機密情報漏えいを防ぐ情報セキュリティ設計をする
- 5-3. ハルシネーションを前提とした運用ルール策定に取り組む
- 5-4. 職員のITリテラシー格差を埋める
- 6. 自治体での生成AI導入ならNTT東日本にお任せください
- 7. まとめ
1. 自治体にAIが必要な理由
自治体がAIを導入する主な理由は、深刻な人手不足の中でも「行政サービスの持続可能性」を確保するためです。
地方自治体は今、少子高齢化による税収減、社会保障費の増大、職員数の減少という三重の課題を抱えています。限られた人員と予算で行政サービスの質を維持するには、業務の進め方そのものを見直す必要があり、AIはその有力な手段です。
自治体業務の多くは、申請書の入力・確認、問い合わせ対応、議事録作成、データ集計といった定型作業で占められています。総務省の調査でもAI導入の最大の動機は「担当課からの要望」で、現場が業務負荷の限界を感じている実態が浮き彫りになっています。
人手が減る中でサービス水準を落とさないために、人がやらなくてもよい作業はAIに任せ、職員は住民対応や政策立案に集中する。自治体にとってAI導入は「先進的な挑戦」ではなく、組織を維持するための現実的な選択肢になっています。
2. 自治体におけるAI導入の現状
自治体のAI活用はすでに「一部の先進自治体だけの話」ではありません。総務省の令和5年度調査から、導入の広がりと変化の方向性を確認していきます。
2-1. 地方自治体の50%はAIを導入している
総務省「⾃治体におけるAI・RPA活⽤促進(令和6年7⽉5⽇版)」によると、令和5年度時点で都道府県・指定都市のAI導入率は100%に到達しました。市区町村でも50%(859団体)が導入済みで、検討中を含めると約72%がAI活用に動いています。
導入が多い機能は、音声認識(714件)、AI-OCR等の文字認識、チャットボットの順で続きました。活用分野も「財政・会計」「児童福祉」「健康・医療」と幅広く、特定部署にとどまらず庁内全体への浸透が進んでいます。
一方、課題も残っています。「人材の不足」(839件)、「予算確保の困難さ」(643件)、「導入効果が不明」(557件)が上位を占めており、とくに小規模自治体では「何から手をつければよいかわからない」という声も根強い状況です。
2-2. 生成AI(ChatGPT等)の登場による「行政事務」が変化している
2022年末のChatGPT登場以降、自治体のAI活用は転換期に入りました。従来はAI-OCRやRPAによる「定型作業の自動化」が主流でしたが、生成AIの普及により、文書の起案・要約、通知文の作成、庁内FAQの回答生成など「考える業務」にもAI活用の選択肢が広がっています。
横浜市や藤沢市ではRAG(検索拡張生成)を活用し、庁内に蓄積されたマニュアルや過去の対応履歴をAIに参照させる取り組みも始まりました。異動直後の職員でも必要な情報へ素早くたどり着ける仕組みとして、ベテラン職員の知見を組織全体で共有するインフラになりつつあります。
ただし、ハルシネーション(事実と異なる情報の生成)やLGWAN環境での情報セキュリティ確保など、行政特有のリスクへの対応は欠かせません。生成AIの導入には利用ガイドラインの策定と職員研修をセットで進める必要があります。
3. 全国の自治体におけるAI活用シーン
AI活用の具体的なイメージをつかむには、先行自治体の事例が参考になるでしょう。まずは生成AI・RAG、AI-OCR、RPAなど、異なる技術を活用した8つの自治体の取り組みを紹介します。
3-1. 神奈川県横浜市:生成AIとRAGを導入して蓄積したドキュメントを活用し行政サービスを向上
横浜市では「横浜DX戦略」の一環として、汎用的な生成AIの全庁導入に加え、専門性の高い業務にはRAG(検索拡張生成)を導入する2軸体制で検証を進めています。
RAG検証の対象のひとつが、選挙管理委員会の問い合わせ業務です。公職選挙法の法令データ(PDF約4,500ページ)と、昭和46年以降に職員が蓄積してきた約3,000件の質疑応答記録をRAGに連携させたところ、問い合わせに対する回答精度は約9割を達成しました。
若手職員がまずRAGの回答で該当条文や過去事例を確認し、そのうえで先輩職員に相談する流れが定着したことで、双方の業務効率化につながっています。
【導入事例】横浜市が挑む、行政サービスにおける生成AIとRAGの活用。積み重ねてきたドキュメントが成功のカギ
3-2. 神奈川県藤沢市:職員減少を見据えた生成AI・RAGによる課題解決の検証
藤沢市では「藤沢市DX推進計画」のもと、将来的な職員減少に備えた業務効率化を進めています。ジョブローテーションによる人事異動で専門知識が継承されにくい課題に着目し、NTT東日本と連携してRAG機能を備えた生成AIソリューションのPoCを実施しました。
検証は2つの部署で行われています。道路管理課では市民からの問い合わせを要約し所管課を回答する「要約・回答コンシェルジュ」を構築し、正答率は約8割に到達。建築指導課では建築基準法などを学習させた「法規運用支援AI」を構築し、職員のサポート用途として十分に業務活用できるレベルまで精度を高めることができました。
PoCに参加した職員からは「生成AIは難しいというイメージを払拭できた」との声もあがっており、庁内全体のAI活用に対する意識変化のきっかけにもなっています。
【導入事例】来る職員減少に備え、RAG構築による課題解決を検証。「藤沢DX」における生成AIソリューションのユースケースに迫る
3-3. 青森県大鰐町:要介護認定関連業務のローコード開発でDXを推進
人口約8,500人の大鰐町では、職員数が限られる中で自治体DXが遅れていました。内閣府の「地方創生人材支援制度」を活用してNTT東日本からデジタル専門人材の派遣を受け入れ、年間約700件発生する要介護認定業務の効率化に着手しています。
紙ベースで運用されていた訪問調査と進捗管理をローコード開発でデジタル化。訪問調査アプリでは文例機能により調査員ごとの表現のばらつきを平準化し、進捗管理ツールでは処理のボトルネックが一目で把握できるようになりました。既成ツールと比べて開発費用・ランニングコストを抑えられ、改修も即日対応できる点が小規模自治体に適しています。
担当職員からは「実際に参加してDXのメリットを肌で感じられた」との声があがり、障害認定業務など類似業務への横展開も検討が始まっています。
【導入事例】人口約8500人の町が挑む自治体DXの第一歩!要介護認定業務の効率化を費用対効果の高いローコード開発で実現
3-4. 埼玉県川口市:LGWAN対応AI-OCRで16課の入力業務を自動化
川口市では2019年からOCRとRPAによる業務自動化の実証実験を開始しましたが、当初のOCR製品は操作性と読み取り精度に課題がありました。2020年にLGWAN対応のAI-OCR「AIよみと~る」へ切り替えたところ、各担当課がマニュアルを見るだけでほぼ自力で設定できるほど操作性が改善し、現在は16課まで利用が拡大しています。
コロナ禍では年間約100万枚のワクチン接種予診票の読み取りに活用し、月あたり約40時間、年間約480時間の作業時間を削減。各課でも平均月20時間程度の業務時間削減を実現しています。
外部委託ではなくAI-OCRによる内製化を進めたことで、突発的な業務にも予算調整なしで即座に対応でき、個人情報の外部流出リスクも軽減できている点が大きな成果です。
【導入事例】LGWAN対応のAI-OCRで入力業務を自動化 16の課へ利用拡大、庁内業務の内製化と自治体DXを加速
3-5. 北海道恵庭市:税務課主導のRPAプロジェクトで16業務の効率化に成功
恵庭市では税務課の時間外労働が常態化しており、約15年間変わらなかった業務の進め方を見直す必要に迫られていました。2019年に「税務課RPA検討プロジェクト」を発足し、2020年にはNTT東日本のRPAソフト「WinActor」とAI-OCR「AIよみと~る」を導入しています。
導入にあたっては、若手職員がワーキンググループに参加し、半年かけて業務フローを洗い出すボトムアップ型で推進。税務課を中心に計16業務の効率化を実現し、最大65%の業務削減率を達成しました。債権管理課の預金調査関連業務では年間232時間を削減しています。
職員の間では「この業務はRPA化できるのでは」という視点が日常的になり、北海道内の他自治体への事例共有も進んでいます。
【導入事例】税務課主導のRPAプロジェクトで16業務の効率化に成功 職員の“当事者意識”で自治体のDX推進は加速する!
3-6. 福島県福島市:マイナンバー対応AI-OCRとRPA連携で介護保険業務を改善
福島市では、介護保険の要介護・要支援認定の申請受付業務が月初に集中し、1日500~600件に達することもありました。申請書の内容を管理システムへ手入力する作業に繁忙期は2~3人が専任で対応しており、職員の負荷軽減が課題になっていました。
2021年4月にNTT東日本のAI-OCR「AIよみと~る(LGWAN接続タイプ)」を導入し、RPAと連携させることで帳票入力業務を自動化。導入にあわせて申請書の様式も見直し、読み取り項目を数字のみにシンプル化したことで、数字の読み取り精度は手直し不要のレベルに達しています。
AI-OCR導入をきっかけに帳票そのものを見直すBPR(業務改革)が進んだ点も成果のひとつです。申請者にとっても記載しやすい様式になり、職員の作業効率化と住民の利便性向上の両方につながっています。
【導入事例】行政完全デジタル化までの過渡期を乗り切れ!マイナンバー対応AI-OCRとRPA連携で介護保険業務を効率化
3-7. 茨城県大子町:紙帳票の入力業務をAI-OCRで自動化し負担を軽減
大子町では、65歳以上の住民を対象とした「タクシー利用助成事業」で月平均約1,100枚のタクシー券が届き、手書き内容のExcel入力を職員1人が担当していました。本来業務を抱えながら丸4日間かかりきりになる作業は大きな負担で、事業者への支払いにも時間がかかっていました。
2020年1月にLGWAN対応のAI-OCR「AIよみと~る」を導入し、タクシー券をスキャンしてCSVデータに変換する流れに切り替えたところ、作業時間を約3割削減。読み取り精度も高く、担当者が目視で判読できないくずれた文字も正しく認識できたといいます。
導入の成果を受け、税務課の給与支払報告書入力業務など、紙帳票を大量に処理する他業務への展開も検討が始まっています。
【導入事例】職員数減少による業務負担増に立ち向かえ!AI-OCRで紙帳票入力業務の自動化を実現
3-8. 岩手県久慈市:AI-OCRとRPAの併用で入力作業時間を約8割削減
久慈市では東日本大震災や台風などの災害対応が続く中で職員数が減少し、業務効率化が喫緊の課題でした。NTT東日本のAI-OCR「AIよみと~る」がLGWAN対応となったことを契機に、RPAと組み合わせた業務自動化の実証実験を実施しています。
検証対象となったのは、年間約2万件のふるさと納税申請書のシステム投入業務と、約4,000枚のアンケート集計業務です。ふるさと納税業務では月あたりの作業時間を約78%削減、アンケート集計業務では約83%の削減を達成しました。
成果を受けて、児童手当の現況確認など子育て関係の業務にも導入を拡大。紙帳票の電子化を進めることで、将来的にはテレワーク可能な業務領域の拡大も見据えています。
4. 自治体がAIを導入するメリット
ここでは、自治体がAIを導入するメリットについて解説します。
4-1. 事務作業の時間が短縮できる
AI-OCRやRPAを活用すれば、紙帳票の入力・確認・集計といった定型作業の大幅な自動化が可能です。恵庭市では最大65%、久慈市では約8割の作業時間削減を実現しており、総務省の令和5年度の調査でも20,000時間を超える削減効果を報告した自治体があります。
削減された時間は、住民対応や政策立案など判断を伴う業務に振り向けられます。人手が減り続ける中で「作業に追われて本来業務に集中できない」状態を解消できる点が、わかりやすいメリットです。
4-2. 専門知識を補完し、若手職員や異動直後の職員をサポートできる
自治体ではジョブローテーションによる人事異動が一般的で、未経験の部署に配属された職員が専門的な問い合わせに対応しなければならない場面が少なくありません。
RAGを活用すれば、庁内のマニュアルや過去の対応履歴をAIに参照させ、経験の浅い職員でも必要な情報へ素早くたどり着けるようになります。
横浜市の選挙管理委員会では、若手職員がまずRAGで該当条文や過去事例を確認したうえで先輩に相談する流れが定着しました。属人化しがちなノウハウを組織全体で共有できる点は、人材の入れ替わりが多い自治体にとって大きな強みです。
4-3. 窓口対応の自動化による住民サービスの利便性が向上する
AIチャットボットを導入すれば、閉庁時間帯でも住民からの問い合わせに対応できるようになります。
総務省の令和5年度の調査では、チャットボット導入後に月平均7,494件の質問に対して回答率93.9%を達成した自治体や、閉庁時間帯の利用者が全体の約50%を占めた自治体の事例が報告されています。
24時間対応が可能になることで、仕事や育児で日中の来庁が難しい住民にも行政情報が届きやすくなるでしょう。窓口の混雑緩和にもつながり、職員・住民の双方にメリットがあります。
【関連コラム】電話業務を効率化させるAI IVRとは?
4-4. アンケートやビッグデータ分析による精度の高い政策策定につながる
AI-OCRを使えば、紙のアンケートを短時間でデータ化でき、集計・分析に充てる時間を確保しやすくなります。久慈市では約4,000枚のアンケート集計業務の作業時間を約83%削減しており、手入力時代には難しかったスピードでの分析が可能になりました。
蓄積されたデータをAIで分析することで、住民ニーズの傾向把握や施策の効果検証をより客観的に行えるようになります。経験や勘に頼りがちだった政策判断にデータの裏付けが加わることで、限られた予算をより効果的に配分する意思決定が期待できるでしょう。
5. 自治体がAIを導入する前に解決したい課題と対策
AI導入のメリットは大きい一方で、行政機関ならではのリスクや制約も存在します。
導入後に問題が発覚して運用が止まることのないよう、事前に押さえておくべき4つの課題と対策を整理しましょう。
5-1. LGWAN(総合行政ネットワーク)環境下での安全性を担保する
自治体の基幹業務はインターネットから分離されたLGWAN環境で運用されており、AIツールもLGWAN上で動作することが前提です。インターネット接続型のAIサービスはそのままでは利用できないため、導入時にはLGWAN対応の製品を選定する必要があります。
川口市や久慈市がAI-OCRの導入に踏み切れた背景にも、「AIよみと~る」がLGWAN対応になったことが大きく影響しています。製品選定の段階でLGWAN環境との適合性を確認し、閉域ネットワーク内で完結するシステムを採用することが、安全性担保に必要です。
【関連コラム】LGWAN接続!既存VPN環境活用!月額上限設定あり!のメリットがあるクラウドゲートウェイ サーバーホスティングのご紹介
5-2. 個人情報の取り扱いと機密情報漏えいを防ぐ情報セキュリティ設計をする
自治体業務では住民の氏名・住所・マイナンバーなど高度な個人情報を日常的に扱います。AIに読み取らせるデータや、生成AIに入力するプロンプトに個人情報が含まれる場合、データの保存先やアクセス権限の設計を厳密に行わなければなりません。
川口市がAI-OCRの内製化を進めた理由のひとつも、外部委託によるデータ受け渡しで情報漏えいリスクが生じることを避けるためでした。
個人情報を扱う業務では、外部サーバーへデータが送信されない仕組みかどうかを確認し、運用ルールとして「入力してよい情報の範囲」を明文化しておくことが重要です。
5-3. ハルシネーションを前提とした運用ルール策定に取り組む
生成AIは事実と異なる情報をもっともらしく生成する「ハルシネーション」を起こす可能性があります。行政文書や住民への回答に誤情報が含まれれば、信頼の失墜だけでなく法的な問題につながりかねません。
生成AIの出力は「下書き」として扱い、必ず職員が確認・承認するプロセスを設ける運用ルールを策定しましょう。
藤沢市のPoCでも「職員が生成AIの役割を定義し、主体的に活用すること」が方針として掲げられています。
【関連コラム】生成AI活用の第一歩:企業が策定すべきガイドラインとは?
5-4. 職員のITリテラシー格差を埋める
総務省の令和5年度の調査で「取り組むための人材がいない又は不足している」が839件と最多の課題として挙がっているとおり、IT人材の不足は自治体共通の悩みです。部署や年齢層によってリテラシーに差があるため、一部の担当者だけがツールを使える状態では定着が進みません。
恵庭市では若手職員のワーキンググループを組成し、半年かけて業務フローの洗い出しから参加させることで「自分事」としての意識を醸成しました。
NTT東日本による毎年の初心者向け研修も、異動後の新任者がスムーズに引き継げる体制づくりに貢献しています。導入初期の研修だけで終わらせず、継続的な学習機会を設けることがリテラシー格差の解消につながります。
6. 自治体での生成AI導入ならNTT東日本にお任せください
ここまで紹介してきたとおり、自治体のAI活用はAI-OCRやRPAによる定型業務の効率化から、生成AIを活用した文書・ナレッジ業務の支援へと広がっています。一方で、行政特有の情報セキュリティ要件や誤回答対策、職員への定着までを見据えた運用設計が不可欠です。
NTT東日本では、自治体のネットワーク環境や情報セキュリティ要件を踏まえた生成AIの利用環境を提供します。加えて、庁内の規程・マニュアル等を参照しながら回答できる仕組み(RAG等)により、誤回答リスクを抑えた活用を支援します。
さらに、ガイドライン策定支援や職員向けの基礎・実践研修、ユースケース創出のためのワークショップ開催など、導入前の企画段階から定着までの伴走支援も充実しています。
横浜市や藤沢市をはじめ、全国の自治体との取り組みで培った知見とノウハウを活かし、各自治体の課題に合わせた最適なプランを提案します。まずはお気軽にご相談ください。
7. まとめ
自治体のAI活用は、都道府県・指定都市で導入率100%、市区町村でも50%に達し、もはや特別な取り組みではなくなっています。AI-OCRやRPAによる定型業務の自動化に加え、生成AIやRAGを活用した「考える業務」の支援まで、活用の幅は着実に広がっています。
一方で、LGWAN環境への対応や情報セキュリティ設計、ハルシネーション対策、職員のリテラシー向上など、行政特有の課題をクリアする必要もあるでしょう。
今回紹介した8つの自治体の事例が示すとおり、課題への対策と導入効果は表裏一体です。適切なパートナーと運用体制を整えたうえで取り組むことが、AI導入を成功させるポイントになります。
NTT東日本では、生成AI環境の構築から職員研修、ユースケース創出まで一貫した支援を提供しています。AI導入を検討中の自治体担当者の方は、まずは無料相談から始めてみてはいかがでしょうか。
- 本コラムに記載されてる会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。
