横須賀市さま:災害発生時の対応、市民への映像共有に活躍。27ヶ所のギガらくカメラネットワークが中核市を守る
クライアントさまご紹介
横須賀市
市長室 危機管理課 危機対策推進係
係長 土肥 毅さん
渡部 祐賢さん
三浦半島の中核都市として発展してきた横須賀市は、防災への取り組み強化を続ける中でギガらくカメラを導入し、市民の安全確保、防災意識の啓発に活用しています。カメラの映像は災害監視を主目的に、市の各部局が積極的に連携活用されていますが、導入・運用の中心は、防災全般を統括する危機管理課になります。市内27ヶ所に設置したカメラの導入に至った背景と運用状況、今後の活用に向けた展望を伺いました。(取材2023年2月)
「横須賀市」サイトはこちら横須賀市は神奈川県の南東にあり、三浦半島の60%を占めています。国道16号線・134号線や横浜横須賀道路、JR横須賀線と京浜急行線が走り、東京から50km、横浜から20km圏内という好アクセスに加え、温和な気候で自然環境にも恵まれ、市民の定住志向の高さで知られています。市役所の危機管理課は災害時の安全確保に入念な対策を進め、防災行政無線やホームページを通し、防災情報の発信に務めてきました。2022年には市長直轄の組織として機動的な動きが強化されています。ギガらくカメラは「災害監視カメラ」として2022年に導入が進み、市ホームページを通じた横須賀市公式YouTubeチャンネルで一般公開されています。強固な体制のもと、防災対策にギガらくカメラはどのように活用されているのでしょうか。危機対策推進係の土肥さん、渡部さんに語っていただきました。
災害に迅速に対応し、市民にもタイムリーに情報を共有するために
――横須賀市は市を挙げて防災対策に取り組んできましたが、このほど災害監視のためにギガらくカメラを市内27ヶ所に設置されました。抱えていた課題、危機感についてお聞かせください。
土肥さん:東京湾と相模湾に面し、天然の良港として知られる横須賀港がある横須賀市ですが、実は市域の多くを山地や丘陵が占めており、崖や谷が多いという地形的特徴があります。つまり、土砂災害が大きな脅威です。その他、地震発生に伴う津波や、台風がもたらす高潮といった沿岸都市ならではの災害対策も必要なエリアになります。近年多発しているゲリラ豪雨などでは、道路が冠水すると交通に支障をきたしますし、雪に慣れていない地域だけに、時折の降雪時には市民生活に影響が及ぶことも。このように、海岸部の「越波」、道路などの「冠水」「積雪」の被災状況、災害情報をいち早く収集し、さらに映像として市民に共有したい。そのような考えから、「災害監視カメラ」の導入を検討し始めました。
渡部さん:近年、多くの自治体で首長直轄の災害対策組織を編成し、迅速な災害対応をめざす動きが活発です。私たち危機管理課も2022年4月より市長直轄となり、部局の枠を越えて災害対策を進めています。今回の災害監視カメラの導入は、そのような横須賀市役所における“ワンチーム”の取り組みの一環なのです。
――導入はどのように進められたのでしょうか。自治体として留意した点を教えてください。
土肥さん:防災は自助・共助・公助を連携して行うのが基本ですが、甚大な災害が発生した場合、公助にはどうしても限界が生じてしまいます。市民や自治会は、ひとまずは自助や共助を進めていただかなければなりません。そこで重要になるのがリアルタイム且つ正確な災害情報です。私たち危機管理課は災害対応だけではなく、防災意識の啓発も担っています。
渡部さん:テレビなどのメディアでは最寄りの地域のきめ細かい情報を得にくいこともあるでしょう。そこで、市として防災行政無線や公式LINEなどを通し、災害情報をタイムリーに発信します。災害監視カメラは、市が被害の状況を確認すると共に、市民への情報共有に活用することを前提にしていました。このため、当初より横須賀市公式YouTubeチャンネルでの一般公開をセットで検討、導入を進めていったのです。これにより、災害時、市民が危険箇所を回避して避難できますし、安全確認に向かった先で災害に巻き込まれるリスクも減らせるでしょう。
土肥さん:クラウドカメラのネットワークを市内全域に張り巡らせるためには、設置したカメラの安定した通信環境を確保しなければなりません。YouTubeで映像を公開するためには、カメラの性能やネットワークの安定性だけではなく、万が一トラブルが起こった時の保守対応も必須です。災害時に監視カメラの映像配信がストップしてしまっては、何の意味もないからです。そこで検討を進めた結果、クラウドカメラのサービス、その通信環境に信頼の置けるNTT東日本のギガらくカメラを選定しました。LTEルーターと合わせて導入することにより、回線を引き込めない場所であっても、カメラをクラウドに接続できます。またNTT東日本の「ダイヤモンドサポート」を活用することで、保守運用に関わる業務をトータルでお任せできています。
渡部さん:企画や予算面の調整は政策部門が主に担当。私たち危機管理課が、道路を管轄する建設部、港や海を担当する港湾部、洪水の対策を進める上下水道局など、さまざまな部署と話し合って検討し、市内27ヶ所の設置ポイントを決めていきました。2021年12月より導入の検討がスタートし、設置や環境整備を行い、2022年11月25日から市民にも映像を公開するに至りました。
市民との共有を前提にしつつ、プライバシーにも最大の配慮
――市内には27ヶ所の災害監視カメラが設置され、海や港、道路の安全を守りつつ、市民への公開ができています。現在、ギガらくカメラはどのように運用されているのでしょうか?
土肥さん:運用を開始してから間もないのですが、梅雨時から台風のシーズン本番を前に、各部局とも入念に準備しています。通常は、危機管理課や各部局の職員が自席のパソコンやスマートフォンでギガらくカメラの映像を適宜チェックしています。災害関連の警報が出たら、危機管理課の情報調整室に関係者が待機し、大型モニターで各スポットの状況を確認します。管理画面の使い勝手がよく、27台の映像を一元で管理できます。有事の際にも大いに役立つでしょう。
渡部さん:市の公式ホームページも、災害時には通信負荷を減らすために災害対策に特化したページに差し替えます。そのトップには災害監視カメラのリンクを配置。市民が速やかに映像をチェックできるように留意しています。防災行政無線やメール、LINEなどと連携しつつ、命を守るための情報を正しく伝えていきたいと考えています。
土肥さん:横須賀市という自治体が運用しているため、市民のプライバシーには最大限の配慮をしています。防災のためだけであれば、画質は高精細で必要なスポットをくまなく押さえる画角が望ましい。しかし、民家が映ったり、アーケードなどで歩行者の顔が見えたりするカメラもあります。そこで、プライバシーに関わるエリアは画像をマスキングし、見えないように調整。人通りが多い場所のカメラは、あえて画質を落とし、歩行者の顔が判別できないようにしました。管轄する各部局、そしてカメラネットワークを担うNTT東日本と一緒になって、一つ一つのカメラをきめ細かく調整しました。
――導入後の効果、そして各所から寄せられる反響はいかがでしょうか?
土肥さん:災害監視カメラの運用開始後、重大な災害は発生しておらず、情報調整室で各所の映像を分析するような事態はまだ経験していません。しかし、消防局は火災の通報があると、指令室から出火地点付近のカメラ映像を確認。必要に応じて出動部隊を増隊するなど、フットワークの軽い対応ができています。自然災害とは異なりますが、市民の安全確保に寄与できているのは間違いありません。
渡部さん:市長や副市長をはじめとする幹部、他の部署からも使い勝手は好評です。建設部や港湾部、上下水道局など、インフラを管轄する部局だけではなく、市広報の担当、ハイキングコースの管理部局、市の施設全般を管轄する行政センターもカメラの映像をフルに活用しています。災害への対策が主眼ですが、行政の私たちが「横須賀市のいま」を把握するためにも、今や欠かせないツールになっているのです。
土肥さん:保守運用を任せている「ダイヤモンドサポート」も安心感があります。災害監視カメラでは、クラウドとYouTubeを連携して公開しているため、通信の不具合があれば途絶する可能性も想定されます。そのようなことを防ぐため、NTT東日本の保守チームが毎日のように映像をチェックいただき、通信環境にも目を光らせてくれています。万が一の際に即応できるバックアップを頼もしく感じています。
防災に向き合い、市民に寄り添う。ICTを活用した危機管理とは
――27ヶ所への設置が終わりましたが、ポータブルタイプのLTEカメラ5台も導入されていますね。こちらはどのように活用されていくでしょうか。
渡部さん:ウェアラブルカメラとして、職員が携帯して撮影することを想定しています。例えば土砂崩れなどの災害が発生した場合、現地からのリアルタイム映像がトップや関係部局の判断を支えるはずです。私たち危機管理課だけではなく、消防や港湾、上下水道の担当部局が所持。このカメラの映像は固定27台と合わせて閲覧できますので、機動的かつ総合的な映像の運用が可能になります。先日は、消防訓練の際のウェアラブルカメラとしても活用。静止画像ではなく、動きや声も入った映像として振り返ることで、スキルや経験値のアップにつながります。この他、「施設の検査に行く若手職員の遠隔指導に使えないか」といったように、各部局からいろいろなアイデアが上がってきています。日々使い続ける中で、当初は想定していなかった使い方が出てくるという期待もあります。
――市民をはじめ、一般への公開を含めた運用も順調に進んでいるようですが、ギガらくカメラとICTツールとの連携を含め、今後の展望についてお聞かせください。
土肥さん:カメラの導入はゴールではなくて、あくまでスタートである――防災に力を入れる市長は、職員に日々強調しています。私たちも、人員のソフトパワーとICTツールのハードを融合させ、災害時に貢献し、市民の日々の安全も守る仕組みを作っていければと考えています。その一つが、ギガらくカメラと映像AIとの連携です。災害が発生したら、市内各地の状況は私たちが目視で確認します。ただ、平常時にも常に監視するという体制は現実的ではありません。水位や潮位の変化や積雪の状況など、災害時は通常時と異なる状況が発生するものです。
そこで、AIを活用することにより、気象や地勢の変化でアラートを出せるようにできないか。NTT東日本の担当者に相談しつつ、具体的な運用のかたちを模索しています。市民の命と安全を守るのが私たちの使命です。情報収集を進めつつ、いろいろな提案を取り入れながら、柔軟に運用していければと思います。
※上記の事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。ギガらくカメラの映像を外部システムに連携する場合には、「動画連携APIオプション」等のオプションサービスのご利用が必要です。くわしくはお問合せください。
導入事例概要
導入目的
- 離れた場所からでも市内の状況を確認したい
- YouTubeを通して映像を公開し、市内各地の模様をリアルタイムに伝えたい
- 各地点のカメラの画像マスキング、画質をきめ細かく設定したい
導入した結果
- 遠隔地を映像で確認し、災害発生時の対応に役立てる
- YouTubeを通して市民にリアルタイムの映像を共有できた
- 一台ずつマスキングや画質を設定し、市民のプライバシーに配慮して撮影ができている
導入カメラ
- AXIS M2025-LE(SF) ×27台
- LTE対応ポータブルカメラ ×5台
- LTE屋外ルーター ×5台
なぜギガらくカメラに決めたか
- クラウドを経由して映像をリアルタイムで確認できる
- LTEルーターとのセットで回線のない場所にも設置できる
- YouTubeと連携して映像を公開しつつ、万全な保守のもとで運用できる
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