株式会社古口工業さま:自動車産業の基盤を支える工場で運用。IoTへの試みをギガらくカメラが牽引する

クライアントさまご紹介

株式会社古口工業
技術課 渡邉 健二さん

自動車部品の溶接、シート部品のウレタンチップモールド加工などを手がける株式会社古口工業。5400㎡にも及ぶ工場にはロボット溶接機、大型プレス機などを備え、約90名の従業員が部品製造に従事しています。1969年の創業以来、一貫して追求するのは業務品質の向上、そして作業環境のたゆみない改善です。ギガらくカメラは工場の要所に設置され、人の目が届かないスペースの防犯、作業品質の振り返り、物流状況のチェックへの活用が進められています。IoTなどの新たな技術の導入を視野に入れた検討からカメラネットワークの整備、今後の運用に向けた期待を伺いました。(取材2022年1月)

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自動車部品の金属溶接加工、組み立てを手がける株式会社古口工業。環境負荷の低減や快適性の向上、電子制御技術の進展が求められる自動車産業のサプライチェーンの一角にあり、IoTなどの新たな技術の導入を視野に入れたものづくりを進めてきました。ギガらくカメラを導入したのは、製造機械の整備から工程の管理、工場内の環境整備をワンストップで手がける技術課です。導入・運用を担当する渡邉さんは「工場の防犯」「工程の品質向上」「物流の管理」という三本柱の活用プランを語っていただきました。ギガらくカメラを起点に、センサーの活用も視野に入れたIoT環境の実現をめざす同社の展望、幅広いICTツールへの期待を語っていただきました。 

工場の業務品質を改善するため、IoTの環境整備に力を入れる

――工場内のIoT環境整備の一環としてギガらくカメラを導入されたそうですが、その背景と経緯についてお聞かせください。

2003年に上三川工業団地に本社工場を移転して以来、私たちはISO9001-2000の認証取得、溶接ロボット導入など設備投資に力を入れてきました。近年は県の助成金などを活用してIoT関係の環境整備に力を入れています。自動車部品産業も品質の向上、生産性の改善を常に考えなければ生き残っていくことはできません。経営方針、そして製造現場の一線でもICT、IoTに目配りしていくことで足並みをそろえています。

ギガらくカメラはIoT整備の一環として導入を進めたものです。情報収集を進める中でNTT東日本のサービスを紹介いただく機会があり、導入の検討を進めていました。その中で2020年に栃木県の未来技術を活用した実証事業に参画し、カメラ、各種センサーの実証をスタート。補助金を活用し、半年に渡ってトライアルすることができたのです。

――IoT実証事業ではカメラ、センサーの併用でのトライアルでした。試用後はギガらくカメラに集中しての導入ですが、そのねらいについてお聞かせください。

実証したセンサーはCo2の濃度・温度などのデータを収集するというねらいがありました。私たちの工場は炭酸ガス溶接の機械設備がありますし、部品の品質を管理するためには結露を防ぐことも欠かせません。センシングソリューションを実証する中、製造現場の見える化には大きな手応えを得ています。その中で、ギガらくカメラは「工場内の防犯」「製造品質の向上をめざした工程の改善」「工場内の物流の最適化」と、マルチな用途に使えることがわかりました。設置も簡便にでき、コストも低く抑えられるメリットもあり、IoT環境の整備にあたり先陣を切って導入することにしたのです。

製造ラインを映像で振り返り、効率化に向けたボトルネックを特定した

――実証導入を進める中、ギガらくカメラにはどのような優位性を感じましたか?

クラウド型のカメラサービスということで、記録や検証、振り返りが容易です。録画データはNTT東日本のクラウド上に保存されるので安心ですし、1か月前までさかのぼって映像を確認できます。レコーダーが不要ということもあり、データが物理的に破損したり、消失したりするリスクも低減できます。万が一、災害などに見舞われてもデータが保全されるのが心強いですね。

――工場内では9台のカメラが稼働しています。どのような意図でカメラネットワークをレイアウトされたのでしょうか?

ギガらくカメラの役割は「防犯」「工程管理」「物流の最適化」ですが、その3項目を満たすスポットを選定しました。外部からの侵入を監視できる場所、重要な工程を追いかけて見られる場所、フォークリフトの導線など工場内の物流を一望できる場所ということです。私たち技術課だけではなく、社長、工場長、生産課や総務経理の課長が検討してレイアウトをすり合わせていきました。工場全体の製造設備を俯瞰しつつ、現場ラインの知見、ノウハウも取り入れて決定していったのです。

――運用を進める中、現場ではクラウド型のカメラサービス「ギガらくカメラ」はどのように効果を発揮しているでしょうか。

本格的な導入からまだ半年ということで「物流の最適化」については検証、効果測定の真っ最中ですが、筆頭のニーズである「防犯」には社長をはじめ経営層も大変満足しています。当社は敷地、工場が広大ですから、人の目が行き届かないところに目を光らせられるのは安心です。

「工程の振り返り・改善」では、懸案だった課題を解決できたエピソードがありました。ある製造ラインにおいて、1日で2000個の部品が組み立てられる想定なのに 1500個しか完成できなかったことがあったのです。映像を振り返って確認してみると、ある金型のコンディションが良くなく、現場でメンテナンスしながら進めていたことがロスタイムになっていたのです。ギガらくカメラの導入前であれば、ラインの流れを逐一チェックするか、現場スタッフから事後に聞き取って推定していくしかありませんでしたが、導入後は工程管理の責任者がボトルネックを一元的に把握でき、生産性の向上、効率化につながるという手応えがあります。

――映像のクオリティ、管理画面の使い勝手はいかがですか。

防犯用はワイドな監視を担当し、製造や物流の管理はピンポイントで問題となる箇所を押さえていく必要があります。多用途を担っているだけに、カメラの解像度については向上を考えていかなければなりません。モデルの最新動向をチェックし、検討していきたいですね。

技術課の私をはじめ、社長もパソコン、スマートフォンから管理画面にアクセスしています。ユーザーインターフェースの使い勝手は好評で、経営層がICTツールにタッチし、知見を得ていく格好の機会にもなっています。ニーズを満たしつつ、幹部間にも浸透させていければと考えています。

ICTデバイス・ツール、IoTの先端を注視し、実装を考えていく

――「防犯」「工程管理」「物流の最適化」という3本柱の運用が順調にスタートしていることがわかりました。工場内の環境整備に向け、今後はどのようにギガらくカメラを運用されていきますか。

トップマネジメントや製造現場の幹部が品質管理を考え、意見交換する「クオリティ・ゲート」という場があります。製造における問題点の洗い出し、課題の解決、改善へのステップを真摯に検討していくのです。また、QRQC (Quick Response Quality Control)という、現場レベルの改善活動も活発です。それらの活動では、原因の共有、課題解決のヒントにギガらくカメラの映像が効果を発揮しています。体系的な運用、仕組みを整備しているところですが、今後もギガらくカメラの映像を活用し、トップダウン、そしてボトムアップで生産性の向上を考え続けていきます。

――製造現場の永遠のテーマである「生産性の向上・改善」に関し、ギガらくカメラに大きな可能性を見出していることが伺えました。会社として掲げる「工場IoT」では、どのようにICTツールを活用されていきますか。

自動車産業を部品製造で支える私たちは、新しいことを先取りして導入しなければ生き残ってはいけません。IoTのいち早い導入、整備が差別化につながると考えています。実証事業で導入した各種センシングツールは、今後の整備計画の中で導入の検討を進めていきます。ギガらくカメラを運用して知見を積み重ねている中、センサーと組み合わせた生産性向上の取り組みには大きな期待があります。

カメラ単体でも、AIでの動体検知などと組み合わせ、現場スタッフやロボットの動きを解析する仕組みも、製造現場の実装には大きな可能性があります。私たちは常に関心を持ってICTデバイス・ツール、IoTの動向を注視してきました。今後もNTT東日本の提案を受けつつ、先端のサービスに目を向けていきたいと考えています。

※上記の事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。
※取材当初より対象のカメラが終息している場合があります。

導入事例概要

導入目的

  • 工場スペースの防犯
  • 製造工程を映像で振り返り、改善に役立てる
  • 工場内の物流を映像で確認して最適化につなげる

導入した結果

  • 不審者などの侵入に対して安全な監視体制を構築
  • 製造ラインを映像で振り返り、ボトルネックを発見できた

導入カメラ

なぜギガらくカメラに決めたか

  • 導入が容易で簡便に体制を整備できる
  • 各種センシングツールと合わせたIoT環境整備に期待

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クラウド型防犯カメラ
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