| Writer:NTT東日本 北森 雅雄(Masao Kitamori)

ERPとは企業情報の一元管理システム!3つのメリットや選び方をわかりやすく解説

ERPとは企業情報の一元管理システム!3つのメリットや選び方をわかりやすく解説

「ERPにはどんな役割があるの?」と疑問に感じる人は多いのではないでしょうか。ERP製品の数は多く、機能も多岐にわたるので特徴を理解するのは大変です。

そこで本記事では、ERPの概要に加えて「導入するメリット・デメリット」「4つの導入形態」「3つの選定ポイント」を紹介します。この記事を読めば、ERPの利用目的や、導入して何ができるのかについてが分かります。また記事の後半には、おすすめのERPも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

1.ERPとは【企業情報の一元管理システム】

ERPとは企業情報の一元管理システム!3つのメリットや選び方をわかりやすく解説

ERPとは、経営に欠かせない基幹業務を統合的に管理運用するシステムです。ERPが活躍できる業務は多岐にわたりますが、一般的に担当する分野は下記のとおりです。

  • ・会計
  • ・販売
  • ・在庫
  • ・生産
  • ・人事

あらゆる分野で活躍するERPは、経営状況の分析に役立つシステムでもあります。例えば、企業の資源(人・金・物・情報)に関するデータを管理し、最適な活用方法を考えられます。またデータを元に、企業全体の業務を適切に分配することも可能です。ERPは、貴重な資源の浪費を防ぐために役立つツールと言えます。

2.ERPを導入する3つのメリット

ERPとは企業情報の一元管理システム!3つのメリットや選び方をわかりやすく解説

では、一体事務作業を効率化するには、どういった点に気を付けて取り組めばいいのでしょうか。効率化を進めていくには、闇雲に作業を減らしたり、単純化するのではなく、しっかりポイントを抑えて行う必要があります。ここでは、事務作業効率化を進めるためのコツを紹介します。

全体像を把握して取り組む

事務作業を効率化しようと考えた時に、まず把握したいのが作業の全体像です。全体像を把握しないままに効率化を進めようとすると、必要な作業が抜けてしまうなど、上手くいかない場合があります。効率化を進める際は、「何をするべきか」という方針をしっかりと決めた上で、取りかかるようにしましょう。

優先順位を付ける

作業の優先順位を付けることは重要です。優先順位を付けずに、来た仕事から順番に取り組んでいると、納期のある仕事が後回しになり間に合わなかったり、先に処理を済ませないと取り組めない作業に手を付けてしまったりします。

事務作業に取り組む際は、必ず優先順位をつけ順番に行いましょう。締め切りがあるものや、先に処理しないと後の作業に入れないものに優先的に取り組むことで、作業が滞りなく進みスピードが上がります。

不必要な作業を洗い出す

業務の中で無駄な作業がないか、洗い出しを行いましょう。日々こなしている業務には、よくよく考えてみたら無駄な作業が混ざっていたということは少なくありません。

例えば、同じ報告書を2つの書式で作成しているなど、長い間繰り返されている事務作業には気が付かない所で無駄が発生している可能性があります。無駄な作業が見つかれば、その作業を省くだけで大幅な時間短縮となります。

周囲と連携する

周囲と連携し作業を進めることで、事務作業はより効率化できます。例えば自分の部署が苦手な作業は他の部署にお願いするなど、弱点を補い合うことで作業スピードは大幅に上がります。

自分の部署に割り振られている仕事について、他の部署に協力を仰ぐことに抵抗があるかもしれません。しかし、作業全体として効率が上がるのであれば会社全体にとっても有益なので、出来る限り他部署と連携し作業を進めましょう。

デジタル化を進める

作業のデジタル化を進めることで、事務作業を効率化できます。具体的には、書類をPDF化したり、電子署名を活用したりといった取り組みがあります。最初は労力が必要ですが、一度デジタル化してしまえば、その後の作業効率は格段に上がります。デジタル化できる書類や作業がないか見直して、積極的に進めていきましょう。

作業を自動化する

作業の自動化も事務の効率化に重要なポイントです。毎日繰り返している作業を自動化出来れば、大幅に時間が短縮されます。日々の事務作業の中で、繰り返し行っているものがないか見直してみましょう。一見すると自動化が難しいと思える作業でも、上手くツールなどを使えば自動化できる可能性があります。

ショートカットキーを活用する

意外に見落としてしまいがちなのが、ショートカットキーの活用です。例えば「コピー」「ペースト」といった操作は、ショートカットキーを使っている方は多いですが、それ以外にも、タブの切り替えや文字列の検索・置換など、日々の事務作業に活用できるショートカットキーがないか見直してみましょう。一つひとつの操作での短縮は微々たるものですが、毎日何回も行う操作であれば、大幅な時間短縮となります。

業務マニュアルを作成する

複雑な事務作業は、業務マニュアルを作成することで効率化を進めましょう。マニュアルを作成することで作業の無駄を把握したり、短い時間で出来る作業手順の発見に繋がったりと多くの効率化に繋がります。作るまでは大変ですが、一度作ってしまえば多くの社員の作業効率化に繋がります。

メールの確認時間を決める

メールなど、連絡の確認時間をあらかじめ決めておくようにすると、作業効率が大きくアップします。事務作業の間にメールチェックを行うと、作業時間が細切れになってしまい効率が落ちてしまいます。事務作業中はメール確認は行わず「後でまとまった時間をとる」といったルールを決めることで、集中的に事務作業に取り組めます。

10アウトソーシングを利用する

事務作業の効率化には、アウトソーシングの活用が欠かせません。社内で取り組むとどうしても時間がかかってしまうという作業は、思い切って外注しましょう。

費用がかかることが気になるかもしれませんが、アウトソーシングの活用で削減した時間で自分の得意な作業に集中した方が、経費や時間も節約できます。

3.ERPを導入するデメリット【データの整理が必要】

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ERPでデータを一元化するためには、様々な部門の情報を整理してERPに入力する必要があります。各部門で商品登録などのやり方が異なる場合、集計作業が困難になることが多いです。ERPに入力する際は、各部門で知識の異なる社員が1つのルールに沿って入力しなければいけません。やり方を統一化するために、事前にデータ整理のルールを策定しておきましょう。

ERPに限らず新しいデータベースを導入する際は、業務フローに影響が出るため見直しが必要です。ERP導入後はどの従業員も使用できるよう、教育時間を確保し分かりやすいマニュアルを用意しておきましょう。

またERPは多くの情報が集約されるシステムなので、サイバー攻撃を受ける可能性があります。ERPの導入をする際は、セキュリティ対策の強化も必要です。

4.ERPの4つの導入形態

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ERPの導入形態は、大きくまとめると以下の4つに分けられます。

  • ・全体統合型
  • ・業務ソフト型
  • ・コンポーネント型
  • ・クラウド型

本章では、上記の導入形態について分かりやすく解説します。自社に合う形態を見つける判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。

全体統合型

全体統合型は、企業のデータシステムを1つのパッケージに集約・提供する形式のERPです。企業によっては「オールインワン」と呼びます。経営に必要な機能を一元化できるため、迅速な判断に役立ちます。全体統合型のERPは、人事や販売管理など多岐にわたる業務をまとめることが可能です。

各部門の連携や統一化が容易なので、システムが複数あることで情報把握に時間が掛かるなどのトラブルが発生している場合にもおすすめです。商品管理から販売管理まで「総合的にカバーしてきたい」という企業に向いています。

業務ソフト型

業務ソフト型は、必要な業務に焦点を当てて効率化を目指す形式のERPです。例えば、経理や発注管理・在庫管理などの分野に分けてデータを一元管理します。業務ソフト型は、ピンポイントでの業務効率化を目指すのが特徴です。そのため、関連部署のやり取りが少ない小規模な事業者に向いています。

また複数のシステムに対応しないので、スピーディーに導入ができて費用も抑えられるのが魅力です。まずは「1つのシステムで試してみたい」という企業にも適しています。

コンポーネント型

コンポーネント型は、既存システムに対して追加・拡張するERPです。コンポーネントとは、受注や生産など1つの業務単位を示します。企業にとって必要な業務を、ピンポイントで組み合わせて最適化できます。

柔軟に対応できるコンポーネント型は、機能の拡張が比較的簡単なので、既存システムの連携や強化も容易です。コンポーネント型は、柔軟にカスタマイズできるだけでなく、導入に掛かる時間も短い特徴があります。すぐにERPシステム導入をして、業務効率化を図りたい企業におすすめです。

クラウド型

クラウド型は、Web上でサービスを利用できるERPです。インターネット環境があれば、時間や場所に制限されず利用できます。またクラウド型は、契約するだけでサービスが利用できるので、導入に手間が掛からないのも魅力です。サーバー代などが必要ないため、コストも大幅に抑えられるメリットがあります。

万が一トラブルが発生した際は、提供元に一任できるのも特徴です。トラブル対応を任せられるため、従業員の負担軽減にも繋がります。近年増加傾向にあるクラウド型は、自宅からでもERPが利用できるので、テレワークにおすすめです。多様な働き方を求められる現代にマッチした形態と言えます。

導入後のサポート体制

ERPの導入で重視したいポイントは、導入後のサポート体制です。あらゆる業務を一元管理するERPは、非常に高度な性質を持ちます。

そのため導入後は、システム障害や何らかのトラブルが起こる可能性があります。イレギュラーなトラブルに対応してもらうために、以下の内容を確認しておきましょう。

  • ・サポートの対応範囲
  • ・対応時間(24時間対応か)
  • ・受付方法(電話やメールなど)

また企業の経営状況の変化に合わせて、業務フローや事業内容も変わります。現状、使いやすいERPシステムだとしても、環境の変化に伴い不満を感じることも出てくるでしょう。

経営状況の変化に対応してERPを使用し続けるために、内容の追加や変更に関するサポートがあるかも把握しておくと安心です。

5.ERP選びで重要なポイント3選

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ERPは種類が豊富なので「何を基準に選べば良いか分からない」とお悩みの方も多いでしょう。そこで本章では、ERP選びで重要になる3つのポイントを紹介します。

  • ・既存業務との適合性
  • ・費用面の比較
  • ・導入後のサポート

自社に合うERPをお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。

既存業務との適合性

ERPの種類によって、得意とする機能が異なります。改善したい業務と、ERPシステムの機能性が合っているかを確認しましょう。

とはいえ、ERPは独自に開発するツールではないため、自社の業務に100%適合することはほぼありません。適合性が取れない一部の既存業務は、システム側に合わせて変更します。

しかし業務プロセスの変更作業は、企業にとって大きな負担になります。このような負担を抱えないためにも、自社の機能性とどれだけマッチしているかの確認が重要です。

長期的な視点で見た場合、今後の経営ビジョンとの適合性も考えなければいけません。今後、事業形態の変化も考えられるのであれば、カスタマイズ性に優れたERPがおすすめです。

費用面の比較

ERPシステムによって価格に差があるため、適正を見極める必要があります。ERPの導入コストとして、必要になる費用は以下のとおりです。

  • ・ハードウェア費(サーバーやPC)
  • ・サポート費(導入サポート対応)
  • ・カスタマイズ費(追加機能)
  • ・トレーニング費(社内共有するためのマニュアルや教育代)

ERPを導入すると、問題点や新しい要求が生じる可能性があります。上記の導入コスト以外に、バックアップやメンテナンス、トラブル対応に掛かるランニングコストも視野に入れておきましょう。

なるべくコストを抑えるには、サーバーの設置が必要ないクラウド型がおすすめです。初期費用を抑えられるだけでなく、運用管理費用や機器のメンテナンス費用も掛かりません。

6.コストを抑えて業務効率化を目指すなら「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」がおすすめ

ERPとは企業情報の一元管理システム!3つのメリットや選び方をわかりやすく解説

NTT東日本が提供する「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」は、経理や会計に関する業務を自動化するクラウド型の会計サービスです。これまで手入力してきた面倒な業務や確認作業を自動化し、日々の経理業務の負担を減らします。「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」の主な機能は、以下のとおりです。

  • ・決算がラクに
  • ・経営分析
  • ・経理業務の効率化

経営状況をリアルタイムで可視化できるため、今後の経営分析にも役立つサービスです。例えば、会計業務のフローをペーパーレス化することによる効率化が期待できます。

「おまかせ はたラクサポート サポートサービス」をセットで導入することで、サポート体制も万全になります。またNTT東日本の他サービスとの連携をすることで、さらなる生産性向上を目指せるので、気になる方は以下リンクをご覧ください。

「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」の詳細はこちら

7.まとめ

ERPとは企業情報の一元管理システム!3つのメリットや選び方をわかりやすく解説

ERPは、基幹業務を統合的に管理運用するシステムです。分散された各分野の業務を1つにまとめて管理することで効率化を目指します。ERPは大きく分けて以下の4つの導入形態に分けられます。

  • ・統合型(企業のデータシステムを丸ごと統合する)
  • ・業務ソフト型(必要な業務に焦点を当てる)
  • ・コンポーネント型(既存システムに対して追加・拡張する)
  • ・クラウド型(インターネット上で利用できる)

ERPの導入時は、業務との適合性、費用面、サポート体制を調べておくと安心です。今後の経営状況を視野に入れて、長期的な目線でERPを選びましょう。

この記事を書いた人

NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄

NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。

2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。

2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。

北森雅雄 masao kitamori

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