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Writer:北森 雅雄

給与計算に必須な資格はない!検定試験の概要や業務の流れを紹介

    給与計算という重要な業務において、正確性と信頼性は欠かせません。しかし、複雑化する労働法や税制改正などにより、給与計算の実務は日々変化しています。そのため、「給与計算には資格が必要?」「どんな資格があるの?」と疑問を持つ方もいらっしゃると思います。

    給与計算業務に必要な資格はありません。しかし、「給与計算実務能力検定」という給与計算に関する唯一の検定があります。そこで今回の記事では、給与計算実務能力検定の概要やメリット、受験対策などを解説します。給与計算業務のご担当者は、ぜひ参考にしてください。

    この記事の目次

    1.給与計算に必須な資格はない

    弁護士や医師などとは違い、給与計算業務を担う職種には国家資格が必要ありません。しかし、給与計算を行う際は、税金や社会保険などの専門的知識が必要です。

    給与計算ソフトなどのシステム導入で、基本的な知識がない人でも業務は可能です。また、社内に給与計算の業務を任せる人材がいない場合、税理士や社労士、ITシステム企業のサービスなどに外注する選択肢も。

    NTT東日本では、給与計算から年末調整・入退社手続きなどを簡単にできる給与計算・労務管理サービス「freee人事労務 for おまかせ はたラクサポート」を提供しています。ITシステムが苦手な方、従業員からの問い合わせ対応ができない場合のサポートサービスも展開しています。法人担当者の方は下記のリンクより、ぜひ詳細をご覧ください。

    クラウド型サービス – freee人事労務 for おまかせ はたラクサポート|法人のお客さま

    2.【給与計算唯一の検定】給与計算実務能力検定

    給与計算はどんな企業にも必要な業務であり、税金や社会保険などの専門的な知識も必要です。国家資格はありませんが、スキルを証明する「給与計算実務能力検定」があります。この章では「給与計算実務能力検定」について詳しく解説します。

    参照:給与計算実務能力検定試験 ® とは

     

    2-1.給与計算実務能力検定試験とは

    給与計算実務能力検定試験とは、知識・実務能力を判定し、業務のエキスパートとして認定する検定試験です2014年から実施しており、毎年2回行われます。受験者は毎年4000人以上、内閣府認可の一般財団法人職業技能振興会と一般社団法人実務能力開発支援協会が認定しているので、公に認められている価値があると言えるでしょう。

    試験形態は1級と2級に分かれています。それぞれ40問・120分の試験内容になっています。2022年11月23日試験での合格率は1級(47.85%)・2級(69.45%)です。給与計算の専門家としての信頼性を高めるために、ぜひ検定の受験をおすすめします。

     

    2-2.受験するメリット

    検定は給与計算に関する唯一の資格です。合格すれば専門性を持っている証明になります。法令や制度をもとにした試験内容であるため、汎用性のあるスキルを獲得・証明できます。受験を通して法令や制度を学習するため、社会保険労務士などの他の資格取得の助けにもなります。

     

    2-3.受験までの対策

    効率よく合格するには、出題範囲などの傾向をつかんでおくことが大切です。公式サイトに過去問が掲載されています。難易度や時間配分を把握し、効率よく合格に近づきましょう。

    参照元:「給与計算実務能力検定試験®」試験問題例EXAMPLE

    3.給与計算業務の5つのステップ

    給与計算は、従業員に対して正確な給与や手当を支給するための重要な業務です。労働基準法により、給料を1か月に1回以上支払う必要があります。毎月、以下のような流れで給料の支払いを行います。

    1. 1.勤怠情報から労働時間の集計
    2. 2.総支給額を計算
    3. 3.各種保険料・税金を計算
    4. 4.給与の振込処理
    5. 5.各種保険料・税金を納付

    この章では、それぞれのステップを解説します。

     

    3-1.勤怠情報から労働時間の集計

    給料の締め日にあわせて、総支給額を算出するために勤怠データの集計や整合性の確認をします。集計する項目は、以下のとおりです。

    • ・総勤務時間
    • ・時間外労働
    • ・深夜労働
    • ・欠勤日数
    • ・遅刻早退時間

    勤怠データを紙ベースで管理している場合は、集計や整合性の確認に大幅な時間を割かれます。そのため、給料の支払日までに各業務時間の概算を出して、進めていくと良いでしょう。

     

    3-2.総支給額を計算

    集計した勤怠データをもとに、総支給額を計算します。総支給額を計算する際は、以下の4つの項目を算出します。

    • ・基本給:就業規則などで規定されている
    • ・各種手当:通勤手当や住宅手当など
    • ・割増賃金:時間外労働や深夜労働など
    • ・欠勤控除額:遅刻や欠勤など

    「基本給」「各種手当」は給与規定を確認しながら算出しましょう。「割増賃金」は会社によって異なりますが、労働基準法によって割増率は25%以上と設定するように定められています。また、「欠勤控除額」の計算方法は、月給を1ヶ月の所定労働日数で割った1日あたりの給与です。それぞれの項目を会社の規定に沿って計算し、総支給額の算出をしましょう。

     

    3-3.社会保険料・税金を計算

    給与額の算出には、「欠勤控除額」以外に社会保険料・税金も控除する必要があります。社会保険料・税金の概要は以下のとおりです。

    社会保険・税金

    概要

    健康保険

    医療費や病気・ケガによる経済的リスクを分散する制度

    厚生年金保険

    65歳以上の人や障害を負った人などを対象に給付金を提供し、社会保障制度の一環として働く人々の年金を保障する制度

    雇用保険

    失業や解雇時の一時的な給付金を提供し、雇用者と労働者の経済的なリスクを軽減する制度

    介護保険

    高齢者や要介護者に対して介護サービスを提供し、生活支援や介護費用の負担を軽減する制度

    所得税

    国や地方自治体に支払われる税金

    住民税

    居住地の市町村・都道府県に対して支払われる税金

    社会保険料は加入している保険ごとに計算方法に違いがあるため、それぞれ確認が必要です。所得税・住民税の納税額も所得によって変わるため、国税庁や役所のサイトで確認しましょう。

    参照元:No.2260 所得税の税率|国税庁

     

    3-4.給与の振込処理

    総支給額から各控除額を差し引いた給与額が確定したら、振込手続きを行います。労働基準法により、従業員に支払う給与の支払状況や、勤務時間を記載した「賃金台帳」を作成する必要があります。また、所得税法により従業員に「支払明細書」を支払日にわたさなければなりません。給料の支払日までに間に合わなかった場合には、労働基準法に抵触するおそれがあります。違反した場合には30万円以下の罰金が科せられるため、給与計算業務は正確性や迅速な対応が求められます。

    参照元:労働基準法 | e-Gov法令検索所得税法 | e-Gov法令検索

     

    3-5.社会保険料・税金を納付

    社会保険料は対象月の翌月末に支払う必要があります。所得税や住民税は、給与を支払った翌月10日までに納付しなければなりません。納付期限を過ぎて滞納してしまうと、延滞税が発生します。納付期限までに支払うことが難しい場合は、猶予制度が設けられているので申請しましょう。概要や申請方法については、以下のリンクから詳細をご確認ください。

    参照元:納税に関する総合案内|国税庁

    参照元:No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例|国税庁

    4.給与計算業務に「freee人事労務 for おまかせ はたラクサポート」を活用する2つのメリット

    「freee人事労務 for おまかせ はたラクサポート」は従業員データをもとに、勤怠管理や給与計算、行政手続きなど、労務管理を効率化できるクラウド型の給与計算・労務管理サービスです。ITツールを触るのが苦手な方や、従業員からの問い合わせ対応ができない場合にも安心のサポートサービスも展開しています。この章では、主なメリットを解説します。

     

    4-1.業務効率の向上

    社内に点在している業務をシステムに集約することで、人為的なミスの回避や作業時間の短縮が見込めます。また、クラウド型サービスのため、どこからでも利用が可能です。

    従業員のマイナンバーなどの重要な個人情報も厳重に管理できるため、漏洩の心配がなくなります。法令改正による料率などの制度変更にも自動で対応しているため、設定を変更する手間や対応の遅れがなくなります。

     

    4-2.コスト軽減

    大幅な業務効率の向上によって、人件費の軽減にもつながります。また、入社手続きや勤怠管理、年末調整などの労務業務もソフト内で一貫して行えるため、用紙代や郵送費が不要になります。業務効率の向上やコスト軽減を目指したい方は「freee人事労務 for おまかせ はたラクサポート」の導入を検討しましょう。

    クラウド型サービス – freee人事労務 for おまかせ はたラクサポート|法人のお客さま

    5.給与計算に必須の資格はないが税金や社会保険などの知識が必要

    国家資格が必要な弁護士や医師などとは違い、給与計算業務を担う職種は国家資格が必要ありません。しかし、給与計算を行う際は、税金や社会保険などの専門的知識が必要です。

    NTT東日本では給与計算・労務管理サービス「freee人事労務 for おまかせ はたラクサポート」を提供しています。社内に点在している労務業務を集約し、書類の自動作成まで行なうことができます。労務に関する知識がない方でも安心して使用できるサービスですので、ぜひ導入の検討をしましょう。

    クラウド型サービス – freee人事労務 for おまかせ はたラクサポート|法人のお客さま

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    この記事を書いた人

    NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄

    NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。

    2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。

    2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
    NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。

    北森雅雄 masao kitamori

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