電子帳簿保存法の検索要件を満たす3つの方法!おすすめの会計システムについても解説

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更新日
2026-01-28

2024年1月以降、電子帳簿保存法における一部データの保存が義務化されます。電子帳簿保存法への準備が遅れてしまうと、青色申告の承認が取り消されたり罰金を課せられたりしてしまいます。

そこで、自社でも電子帳簿保存法への対応を急いで進めようとお考えの方は多いのではないでしょうか。電子帳簿保存法の適用を受けるためには、細かく定められている真実性や可視性の条件を満たさなければいけません。

今回の記事では、電子帳簿保存法の真実性や可視性について詳しく解説します。検索要件を満たす方法についても解説するので、経理担当の方はぜひ最後までお読みください。

1. 電子帳簿保存法とは?区分やe-文書法の違いについても解説

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電子帳簿保存法は、国税に関連する書類の保管に関して、法人や個人
事業主の負担を軽減するために制定された法律です。では、電子帳簿保存法は具体的にどのような制度なのでしょうか。本章で、電子帳簿保存法の区分やe-文書法の違いについて詳しく見ていきましょう。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、税金に関係する情報をデジタルで管理できるように定めた法律です。法人や個人事業主の負担(帳簿や書類の作成・管理)を軽減するため、1998年に制定されました。制度を導入することで、以下のようなメリットがあります。

  • 経理業務の効率化
  • 書類の紛失や破損のリスク低減
  • コスト(紙やインク代など)低減
  • コーポレートガバナンス(企業統治)の強化
  • 書類保管の省スペース化

なお、制度を導入するためには、書類の管理について細かく定められた条件をすべて満たす必要があります。

電子帳簿保存法の区分

電子帳簿保存法は、制度の内容によって以下のように3種類に分けられます。

種類

概要

電子帳簿

自社がコンピュータで作成した帳簿と、相手に渡す書類の写しをデータで管理する

スキャナ保存

相手から拝受した(あるいは自社で作成し渡す)書類をスキャナで画像形式に変換して保管

電子取引

デジタルでやり取りした内容をデータで管理する


なお3種類の内、電子取引に関する情報の保管が2024年1月から義務化されます。義務化への準備が遅れ、法令に違反しないように注意が必要です。

電子帳簿保存法とe-文書法の違い

電子帳簿保存法とe-文書法の違いは、以下のとおりです。
名称 施行時期 概要 適用される書類例
電子帳簿保存法

1998年7月

税金に関係する書類の管理を規定した法律で、財務省と国税庁が管轄する法律のみに適用される。

仕訳帳
損益計算書EDI

e-文書法

2005年4月

会社法や商法など約250本の法律に基づいた書類に適用される。
複数の省庁が管轄する法律を横断して適用されるため、幅広い書類が対象となる。

預金通帳
議事録
図面


なお、e-文書法の対象となる法律には、電子帳簿保存法が含まれています。つまり、e-文書法は電子帳簿保存法を内包する法律です。

2. 電子帳簿保存法は真実性と可視性を確保する必要がある

イメージ:電子帳簿保存法は真実性と可視性を確保する必要がある

電子帳簿保存法の制度を利用するためには、真実性(内容が不正に改ざんされていないと証明できる)可視性(データをわかりやすくすぐに表示可能)の条件を満たす必要があります。真実性と可視性の条件は、以下のとおりです。
項目 電子帳簿 電子取引 スキャナ保存
自社開発のプログラムを利用する場合はシステム概要書の備え付け

見読可能装置の用意
検索機能の確保

以下のいずれかの措置を行う

タイムスタンプを利用したあとに情報を授受
すぐにタイムスタンプを利用する
以下のどちらかを満たす内容の操作(訂正や削除)の事実が確認できるシステムの使用
内容の変更ができないシステムを利用
事務処理規程の整備

※1

調査員に記録を提供できるように準備しておく

不要

システムの見読可能装置や作成に関する書類の用意
あとから入力した場合にその事実を確認できるシステムの使用
帳簿同士の相互関連性の確保

※1:条件3のaを満たす必要がある。

適切に管理を行えるように、自社の利用する保存方法にどのような要件が設けられているか、事前に確認しておきましょう。

3. 電子帳簿保存法の可視性要件は2種類

イメージ:電子帳簿保存法の可視性要件は2種類

子帳簿保存法の可視性確保に関する要件は、以下のとおりです。

  • 検索要件:目的の情報をすぐに見付けられるようにする
  • 見読可能性:内容を問題なく確認できるようにする

国税関係の業務にデータを活用するためには、検索要件と見読可能性の両方を確保しなければいけません。本章で、可視性要件について詳しく見ていきましょう。

検索要件

電子帳簿保存法の制度を利用するためには、特定の情報をすぐに見付けられるような機能を備える必要があります。また、検索機能を用意することで経理業務が効率化されるといったメリットがあります。必要とされる検索機能は、以下のとおりです。

備える検索項目

備える検索項目

取引年月日取引金額取引先

やり取りの年月日と金額の項目について、範囲を決めて検索できるようにする。2つ以上の任意の項目を組み合わせて調べられるようにする。


なお一部の制度においては、調査員に記録を提供できる体制を整えておくことで、範囲指定と任意組み合わせの検索機能が不要になります。

見読可能性

見読可能性とは、保管している情報を整った状態ですぐに出力できる性質です。制度を利用するためには、以下のような見読可能性の条件を満たす必要があります。
項目 概要

見読可能装置

以下のような装置類を、保管場所に用意する。

画面が一定以上の大きさのカラーディスプレイ
カラープリンター
装置の操作説明書
電子計算機
プログラム

出力方法

以下の基準を満たした状態ですぐに出力できるようにする。

整然とした形式
国税に関係する書類と同じ程度に明瞭な状態
拡大縮小して出力可能
4ポイントの文字を認識できる

なお、上記はカラー形式で保管する場合の条件です。白黒階調で保管している場合は、カラー出力機能のないディスプレイやプリンターで問題ありません。

4. 電子帳簿保存法の検索要件を満たす3つの方法

イメージ:電子帳簿保存法の検索要件を満たす3つの方法

電子帳簿保存法の検索要件を満たす方法は、以下のとおりです。

  • 表計算ソフトを利用する
  • ファイルに名前を付ける
  • 会計システムを導入する

表計算ソフトの利用やファイルへの名前付けは、難易度が低く実践しやすい方法です。一方で、会計システムを導入することで確実に検索要件を満たせます。

表計算ソフトで索引簿を作成する

表計算ソフトで索引簿を作成する場合、以下のように内容を視覚的に確認しやすくすることで、検索条件を満たしていると認められます。

  • 明瞭な状態ですぐに出力できるようにフォーマット(書式)を工夫する
  • 日付や金額を一覧表形式で表示する

なお、情報をxml(マークアップ言語)やCSV(カンマで区切られた文字列)で管理している場合すぐに明瞭な状態で確認・出力できるのであれば、保管条件を満たすとみなされます。

ファイルに規則性のある名前を付ける

以下のような方法で管理することで、保管条件を満たすと認められます。

  • 内容がわかるようにファイルに名前を付ける
  • 取引相手や期間(月や年など)ごとにフォルダを作成し格納
  • 事務処理規程を作成し備え付ける
  • 税務調査の際に調査員から記録の提供を要求された場合は内容を提出する

なお、2年前の売上高が1,000万円以下かつ、調査員に記録を提供できるように準備している事業者であれば、ファイルへの名前付けは不要です。

会計システムを導入する

電子帳簿保存法に対応した会計システムであれば、検索要件を満たした保管を確実に行えます。会計システムを選ぶポイントは、以下のとおりです。

  • 取り込めるデータの種類
  • 金融情報(銀行口座やクレジットカード)の連携機能はあるか
  • 認証された会計システムかどうか
  • 作成できる書類の種類
  • タイムスタンプの有無

なお、自社で開発したソフトウェアを利用する場合は、認証制度を実施している協会に申請することで、保管条件を満たすシステムかどうかの審査を受けられます。

5. 電子帳簿保存法の真実性要件は4種類

イメージ:電子帳簿保存法の真実性要件は4種類

電子帳簿保存法の真実性の条件は、以下のとおりです。

  • タイムスタンプの利用
  • 適したシステムの使用
  • 事務処理規程の整備と運用
  • 相互関連性の確保

真実性の条件は、制度ごとに満たすべき内容が異なります。保管条件を適切に満たせるように、真実性の確保について本章で詳しく見ていきましょう。

タイムスタンプの付与

タイムスタンプは、使用した時刻に情報が実在していたことを証明する技術です。機能を利用した内容と元となったデータを比較することで、あとから内容が改ざんされていないか確認できます。制度ごとに必要な条件は、以下のとおりです。

制度

概要

スキャナ保存

1の単位(書類のセット)ごとに利用が必要

電子取引

利用したあとに情報を授受する。あるいは、すぐに利用する

電子帳簿

利用条件なし


なお、タイムスタンプは時刻認証局が発行します。利用料は時刻認証局によって、利用枚数による従量課金か定額制か異なります。利用形態や予想される利用枚数に応じて、自社に適したタイムスタンプサービスを利用しましょう。

システムの機能

電子帳簿保存法は、不正(内容の不適切な変更や削除)を防止するために、使用するシステムに関して条件が定められています。システムの機能に関する条件は、以下のとおりです。

システムの機能

スキャナ保存

電子取引

電子帳簿※1

内容を操作した内容が残る

通常の業務処理期間後に入力を行った場合に操作した事実を確認可能

あとから内容の操作ができない


※1:優良な帳簿のみ使用するシステムの条件が定められている

なお電子取引においては、タイムスタンプを利用したり事務処理規定を備え付けたりすることで、システムの機能に関する条件を満たしても満たさなくても保管を認められます。

事務処理規程

事務処理規程とは、内容の訂正や削除に関するルールを指します。事務処理規程に記載する必要のある項目は、以下のとおりです。

  • 規程目的
  • 規程が適用される従業員の範囲
  • 管理責任者
  • 保管するデータの種類
  • 保管場所
  • 保管年数
  • 内容の訂正や削除を原則禁止する旨
  • 内容を訂正や削除する場合の作業方法

事務処理規程を設けることで、内容の真実性を確保できるだけでなく、内部管理の強化につながります。そのため事務処理規程の備え付けには、きちんと対応する必要があります。

相互関連性

電子帳簿とスキャナ保存の制度では、つながりのある複数の書類のあいだで、お互いにその関連性を確認できるようにする必要があります。相互関連性を確保する方法は、以下のとおりです。

  • 一連番号を付す
  • 集計期間を記載する

なお実務においては、関連性のある項目について内容に欠落がないか確認する必要があります。欠落がある場合、他方の帳簿から内容を確認できないため、相互関連性が確保されていると認められない可能性があります。

6. 電子帳簿保存法は令和3年度に改正された

イメージ:電子帳簿保存法は令和3年度に改正された

電子帳簿保存法は、令和3年度の税制改正により制度が変更されました。主な変更点は、以下のとおりです。

項目

概要

税務署長の事前承認制度

事業者の負担を軽減するために、制度が廃止された

タイムスタンプ

利用期間が3日以内から最長2ヶ月とおおむね7営業日に緩和された。
また、一定の真実性を確保できるシステムを利用する場合は、付与が不要になった

検索機能

従来は、書類や帳簿の種類によって、異なる検索機能を満たす必要があった。
現在は、3つの検索項目を設定し範囲指定や組み合わせ備えることで保管条件が満たされるようになった

制度義務化

デジタルでやり取りした情報の保管が義務化された

なお、電子帳簿保存法はICT(情報通信技術)の進化に合わせて改正されています。そのため、今後もICTの発展に合わせて改正される可能性があります。

7. 電子帳簿保存法への対応にはクラウド型会計システムの導入がおすすめ

イメージ:電子帳簿保存法への対応にはクラウド型会計システムの導入がおすすめ

電子帳簿保存法への対応にお悩みの方には、会計システムの導入がおすすめです。会計システムを導入することで、電子帳簿保存法の保管条件を確実に満たせるだけでなく、業務効率化に役立つためです。なお、表計算ソフトで索引簿を作成したりファイルに規則性のある命名をしたりすることで、電子帳簿保存法に定められている検索機能は用意できます。

しかし会計システムを導入していない場合、経理の能率が低く人的ミスが起こるリスクがあるでしょう。一方で会計システムを導入することで、業務効率が向上し作業ミスの発生リスクが低減されます。

また、導入するならクラウド型がおすすめです。クラウド型のシステムなら、法改正や会計方法の変化に応じて、適切なソフトウェアアップデートが提供されます。電子帳簿保存法と会計システムについてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の資料をご覧ください。

電子帳簿保存法の対応ポイントとおすすめの会計システムについて詳しくはこちら

8. まとめ

イメージ:まとめ

電子帳簿保存法は、国税に関係する書類や帳簿の電子的な保管を可能とする法律です。制度を活用するためには、真実性と可視性の細かな条件を満たす必要があります。

なお、電子帳簿保存法の対応準備に悩んでいる方には、クラウド型会計システムの導入がおすすめです。クラウド型会計システムを導入することで、業務効率化や経理作業ミスの低減が期待できます。また、電子帳簿保存法についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ以下の資料をご覧ください。こちらの資料では、会計システムの導入メリットについて、詳しく解説しています。

電子帳簿保存法の対応ポイントとおすすめの会計システムについて詳しくはこちら

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