不動産業で「業務を効率化したい」「どのような業務が効率化できるのかわからない」とお悩みの方が、いらっしゃるのではないでしょうか。不動産の業務は多岐にわたるだけでなく、お客さまへの対面での応対が必要となります。数多くの業務がありますが、少子高齢化による働き手不足や、働き方改革による残業時間の縮小により、十分な人材や時間の確保が難しい状況です。そのため、業務の効率化が必要とされています。
そこで今回の記事では、不動産業で効率化できる業務について解説します。不動産業では、どのような業務が効率化できるのか、またその手段について解決できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
目次:
不動産業には「開発」や「販売」などさまざまな種類の業務があります。それぞれの業務をスムーズに行うため、従業員や労働時間を確保する必要があります。しかし、少子高齢化や働き方改革の推進のため、人材や時間の確保が難しいのが現状です。この章では、不動産業の業務の種類と、業務効率化を進める必要性について解説します。
土地や建物など不動産と呼ばれる商品を扱う業種を、不動産業と呼びます。不動産業の仕事は主に、以下の4つに分けられます。
「開発」とは、規模の大きな商業施設やマンションなどを企画から立ち上げる仕事です。「開発者」を意味する英語であるデベロッパーとも呼ばれます。不動産の企画立案だけでなく、建設用地の準備や販売代理会社への販売の委託などが業務です。建物や土地を顧客に売る仕事が「販売」です。デベロッパーやハウスメーカー、住宅販売会社などが含まれます。
「賃貸」は、一戸建てやアパート、マンションなどの賃貸や売買で、顧客と持ち主との仲介を行う業種です。街などで見かける不動産会社の多くが、賃貸仲介会社に当てはまります。「管理」は、マンションなど建物のメンテナンスや管理を行う仕事です。アパートやマンションなどの設備の維持や管理、掃除だけでなく、駐車場の管理、家賃の集金、入居者の斡旋など数多くの業務があります。
新型コロナウイルス感染症の流行により、顧客と接する業務をなるべく減らすことが必要とされています。しかし、不動産の販売や賃貸物件の相談や内見など、不動産業は顧客と接する機会が多い仕事といえるでしょう。
また、少子高齢化による人口の減少や、働き方改革による労働時間の見直しにより、人手不足や時間の確保が難しい状況が続いています。数多くの業務を抱える不動産業ですが、このまま進むと仕事がスムーズに進められず経営が成り立たないことになってしまうかもしれません。この状況を改善するために、顧客と接する機会を少なくしたり、少人数で仕事が進められるよう、業務を効率化する必要があります。
不動産業の業務には、契約書などの書類作成や接客など人手や時間がかかる業務が多くあります。業務を効率化するためには、業務を見直して効率化できる業務を洗い出す作業が必要です。それでも業務効率化が実現しない場合には、ITシステムの導入を選択肢に入れてみましょう。
不動産業で、ITシステムの導入により効率化できる業務には以下の7つがあります。
この章では、それぞれについて解説します。
物件の詳細やオーナー情報、また入居者に関する情報などを紙媒体ではなくデータにして管理することで、経理が行う業務を効率化できます。売る側や買う側、借りる側など、顧客との接点が多い不動産業では、数多くの資料を作成する必要があります。
また、顧客とのやりとりの中で内容が重複する資料もあるでしょう。それらをデータ化することで、一元管理が可能になり、資料作成の手間が省けます。さらにクラウドに保管することで、常に最新情報を利用できるようになるというメリットもあります。
不動産オーナーへの報告書などレポートをITシステムで行うことで、業務を効率化できます。レポートを人の手で作成すると、記載する項目やボリュームに個人差が出やすくなります。報告書に記載する項目などを雛形にして、システムで自動的に作成する仕組みを作ることで、均一化したムラのないレポートの作成が可能です。
これまで紙媒体で行ってきた物件の管理情報も、ITシステムで一括データ管理が可能です。備品発注や設備交換費、発注先情報や見積書などの管理情報をデータ化して管理することで、問合せの際にはスムーズに確認できます。
また、これまで担当者個人が蓄積してきた物件の点検や修繕履歴、手配状況、クレーム情報などをデータ管理することで、担当者がいないと分からないという問題が防げます。利用者の問い合わせに速やかに対応できるので、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
ITシステムで契約書などを作成することで、文書のバージョン履歴や契約書のデータ管理ができます。契約書はひな形を使って作成することが多いでしょう。そのため、作成時に不便を感じることは少ないかもしれません。
しかし、契約書をデータ管理することによって、作成した当事者でなくても一覧で分かるようになるため、業務が効率化されます。また、新規契約時だけでなく契約更新が迫った案件が分かるので、更新時も効率よく作業できるでしょう。
これまで従業員が対応していた内見も、ITシステムで効率化できます。希望者にオンライン内見システムやVR内見システムを使用してもらうことで、従業員は非接触のまま顧客対応できます。また、自宅から遠く離れた物件でも内見できるので、顧客が足を運ぶ必要もありません。現地まで行くための交通費がいらないので、内見希望者にも喜ばれるでしょう。
不動産売買では顧客側にとって高価な買い物になるため、不動産賃貸物件の仲介業と比較すると、検討時間が長くなります。そのため見積もり作成や連絡など、業務に割かれる時間が多くなってしまいます。ITシステムを導入して、顧客がどのような物件を求めているのかなどの情報を管理することで、類似物件の紹介や、内見後のメール送信などの業務が軽減できるでしょう。
店舗や住居など賃貸物件の解約時に発生する手続きとして、解約月賃料の日割計算や保証金の精算、修繕費の天引きなどがあります。解約手続きが必要な物件が少ない時期であれば、業務がスムーズに進むかもしれません。
しかし、年度末などアパートやマンションなどの解約手続きが多くなると、業務が滞ってしまうでしょう。ITシステムを導入することで、これら解約に必要な業務を一元管理できます。手続きを順調に済ませることで、解約後は速やかに集客業務に移れるようになります。
不動産業の業務効率化のために導入するITツールは、どのようなポイントに注意して選べば良いでしょうか。この章では、以下の4つのポイントについて解説します。
自社でITツールを選ぶときの参考にしてください。
導入するITツールを選ぶ前に、自社の業務フローを可視化して、従来通り人が行う方が望ましい業務とシステムへの置き換えが可能な業務を振り分けておきましょう。システムを導入する際には、一度に全体を変えてしまうのではなく、部分的に見直しながら置き換えると無理なく進められます。
入居者同士のトラブルなどのクレーム対応は、システムで自動化するには向きません。対面で説明した方が良い案件は、直接人と人とで対応するようにしましょう。システムで置き換えられる業務かどうかを見極めるため、事前に業務フローの流れを把握しておくことがおすすめです。
ITツールを選ぶ際には、自社に必要な機能がそろっているかどうかを事前に確認するようにしましょう。製品ごとに特色があり機能が異なるITツールは、目的をはっきりさせないまま選ぶと、実際に使用したとき必要な機能が備わっていない場合があるかもしれません。
また、あらためて必要な機能を追加することで、コストが余計にかかってしまいます。自社の業務効率化に必要な機能を見極めてから、システムを選ぶことが大切です。
新しいシステムを導入すると、使い方が分からなかったりうまく使いこなせなかったりします。ITツールを有効活用して業務をスムーズに行うために、サポート体制が整っているツールを選ぶようにしましょう。
分からないことを問合せできる、電話対応や遠隔操作での対応があると安心です。また、現在使っているシステムをより効率的に使いたいという場合、カスタマイズについて相談できるサポート体制があると便利でしょう。
優れた機能をもつシステムでも、操作が難しければ使いこなすために時間がかかり、業務効率化につながらないことがあります。システムを使う従業員の中には、新しいツールが使いにくいと思う人がいるかもしれません。
導入する前に社内の意見を聞き取ったり、導入後には使い方についての説明会を開くなど、アフターフォローをすることも大切です。これまで使ったことのないシステムを導入する際には、まず初心者向けのツールを選択した方が良いでしょう。
自社に合う業務効率化方法について知りたいという方もいらっしゃるでしょう。NTT東日本では、「業務効率化の手法まとめebook」を公開しています。この資料では、業務効率化によって得られるメリットやどのような手法を選べば良いかに加え、自社の予算に合わせた手法についても紹介しています。
また、業務効率化に有効なITツールを提案しています。自社に適した業務効率化の方法について知りたいという担当の方は、ぜひ資料をダウンロードして検討してみてください。
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不動産業の業務は、大きく分けて「開発」「賃貸」「販売」「管理」があります。資料作成や対面業務など数多くの仕事がありますが、少子高齢化による人手不足や新型コロナウイルス感染症による非接触での業務推進から、業務の効率化が必要とされています。この問題を解決する手段のひとつが、ITシステムの導入です。ITシステムを有効活用するには、自社の課題を克服できる機能をもつシステムや使い勝手の良いツールを選ぶ必要があるでしょう。
自社が直面している課題を解決するため、業務効率化の方法が知りたい方は、NTT東日本の「業務効率化の手法まとめebook」を参考にしてみてください
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NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄
NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。
2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。
2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。