発注業務は様々な業種・メーカーで必要となる仕事です。適切なタイミングで発注を行うためには、在庫状況の確認や需要の予測などが必要となります。
しかし「発注業務は仕事の幅が広いので改善することは難しいのでは?」と感じている担当者も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、発注業務の効率化を進める方法とシステムの選び方を解説します。「発注業務の効率化が進まない」とお悩みの担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次:
発注業務とは、在庫量をもとに発注書を作成し、仕入先へ注文を出す仕事を指します。発注業務は、販売会社やメーカーで必要となる仕事です。発注は直接、サービスや商品を提供しているメーカーが行うケースもあれば、小売業や問屋が一般の仲介業者へ依頼する方法があります。
適切なタイミングで発注を行わなければ「売れ残り」や「在庫切れ」が発生するので非常に重要な業務です。発注業務の担当者は、在庫状況の確認や需要予測を立てる能力が求められます。
発注業務は発注から納品まで様々な仕事をこなさなければなりません。幅広い業務を行うからこそ様々な課題が出やすい仕事です。例えば、発注業務では以下のような問題が起こりやすいとされています。
自社でも上記のような課題がないか確認してみましょう。
発注業務は営業が持つ情報を加味して、注文作業を行う必要があります。商品やサービスが「今後どのくらいの需要があるのか」などの情報を営業から得て仕入先へ発注しなければなりません。
しかし、普段から部署間の連携が取れていないケースもあるでしょう。部署間のコミュニケーションが不足した状態で発注を行ってしまうと、売れ残りや在庫切れなどの問題が発生するリスクが高まります。
発注業務は、ただ在庫数を確認して注文作業を行うわけではありません。仕入の際には、以下のような商品の特性を考えて発注業務を行う必要があります。
商品の特性によって発注する際に注意すべき内容が違うので、担当者は発注の度に工程を確認しなければなりません。
ペーパーレス化が進んでいない企業では、発注業務を紙媒体で行っているところも多いのではないでしょうか。アナログで行うと発注工程が多くなり時間がかかってしまったり、時間が長くなることで集中力が途切れてミスを起こしてしまうなどの課題があります。
業務フローが多かったり長時間の発注作業に追われていたりすると「転記ミスや記入漏れ」といったヒューマンエラーが起きやすくなります。そのため、少しでも発注業務をデジタル化させていくことが不可欠です。
発注業務を効率よく進めるには、以下のような方法が有効です。
具体的にどのような方法で業務改善を行うのか解説するので、自社に取り入れられる方法があれば参考にしてみてください。
発注は決まった担当者だけでなく、他の従業員も業務にあたることがあります。担当者でも他の従業員が行っても行えるように発注方式を標準化してみましょう。
発注方式には以下の方法があります。
定量発注方式 | 在庫量が一定数を下回ったタイミングで発注する方法 |
定期発注方式 | 注するタイミングを決め手発注量を調整する方法 |
これらの発注方式を商品によって、使い分けるようにしてみましょう。例えば、通常商品を注文する場合は定量発注方式を用いて、季節品や限定品を仕入れるときは定期発注方式で行います。商品の特性や過去のデータを参考に発注方式を選ぶと、適切なタイミングで仕入れることが可能です。
適正な在庫数を設定することで、過剰発注や在庫不足を防ぐことができます。適正在庫とは、欠品にも売れ残りにもならないよう、程よい商品数を確保することです。
適正在庫数は、季節限定品や特売の時期によって需要とともに変動します。システムで過去の販売実績などから自動的に需要を予測できるようになると、適正な在庫数を把握しやすくなります。
現在の業務フローを見直し、一連の流れに無駄がないかを確認してみましょう。現在の業務工程でヒューマンエラーが起こる部分を洗い出し、マニュアルを更新します。
マニュアルの更新を行ったら社内認識の統一を図り、会社方針の浸透と発注方式を周知させていきましょう。改善されたマニュアルにより社内で発注方法を標準化できれば、担当者の負担を減らせます。
発注業務にもITツールを導入することで、以下のようなメリットを生み出せます。
ITツールは多くのメーカーでリリースされていますが、発注担当者が使いやすいものを導入しましょう。担当者が使いやすいITツールを選ぶことで、業務の効率化が進みます。
アウトソーシングを活用し、発注業務で行っていた工程を外部の専門企業に委託することも視野に入れてみましょう。アウトソーシングを活用することで、社内の人材・ノウハウ不足を補うことができます。
アウトソーシングを利用する際は、改善する指標を明確に決め、費用対効果を考えた上で検討することが重要です。
発注業務を効率化すると、以下のようなメリットを得られます。
発注作業は人の感覚に頼っていることで、成り立つ業務と感じている方が多いのでしょう。そのため、効率化に抵抗を感じる方がいるかもしれません。しかし、業務効率化は発注担当者にとってメリットがあるので、本章で確認していきましょう。
発注作業でITツールを活用すると、以下のような工程を簡略化できます。
また、ITツールで適切な在庫数を設定することで、欠品や過剰在庫といったトラブルも回避可能です。
従来の発注業務では無駄な工程が多かったり、注文にかかるコストが大きかったりする問題がありました。発注工程の一部をITツールに置き換えることで、業務にかかる時間を短縮できるようになります。また、発注に関わる人員を削減できるので人件費カットも可能です。
発注業務は、取引の仕方が相手によって違います。例えば、発注手続きが異なっていたり、クライアントによって対応が違ったりするケースなどです。
発注手順をマニュアル化することで経験の有無に関わらず、すべての従業員が同じ方法で発注が可能です。発注業務を標準化できれば、発注にかかる無駄な工程を減らすことにつながります。
従来の発注方法では工程数が多く、発注漏れなどのミスが発生するリスクが常にあります。発注ミスが続くと、クライアントとの関係にも影響を及ぼす可能性があります。
発注作業をITツールで管理することで、誤った数値で注文ができなかったり、アラート機能で在庫不足を通知してくれたりするなどの機能が利用可能です。ITツールで管理できるようになれば、過剰発注や在庫切れといった問題も解消できます。
発注業務を効率化させるシステムを選ぶときは、以下の5つの点をおさえておきましょう。
具体的に解説しますので、自社に導入するときの参考にしてみてください。
従来の紙媒体での発注業務に慣れている企業では、ITツールの導入に抵抗を感じる方がいるでしょう。「以前の同じような発注業務をこなせるのだろうか」と不安に感じているかもしれません。ITツールを導入する場合は、操作に不慣れな担当者でも操作しやすいものを選ぶようにしましょう。
魅力的な機能が沢山あるツールが、多くリリースされています。しかし、現場で利用するのであれば、機能の多さよりも操作性を重視してシンプルなITツールを選ぶのがおすすめです。
発注システムを選ぶ場合は、普段の発注方法に近い機能が備わっているものにしましょう。自社で負担となっている業務は何か、どの手続きが自動化できるのかなどを確認します。導入前に現在の業務フローを見直し、必要な機能を洗い出すようにしましょう。
機能が多いシステムは、便利である一方でコストが高くなります。アウトソーシングを活用した方が費用対効果が高いのか、システムを導入するべきか判断するようにしましょう。導入後も運用やメンテナンスに費用がかかることを踏まえて、検討することが必要です。
発注業務で利用するシステムは、市場の変動に合わせて定期的に更新する必要があります。適切にメンテナンスを行わなければ、業務に支障をきたす可能性があります。メンテナンスを定期的に行えるように担当者とベンダー(販売業者)が連携できる体制を作りましょう。
発注システムの導入後に、想定外のトラブルが起こる可能性があります。トラブルに対応するためにも、運用後のサポート体制が整っているシステムを選ぶようにしましょう。ベンダーに問い合わせたり、資料を提供してもらったりできるなどのアフターフォローがあるかを事前に確認すると安心して導入できます。
発注業務を効率化する方法は、システム導入以外にも沢山あります。どういった業務改善ができるのか「業務効率化の手法まとめebook」を参考にしてみてください。
「業務効率化の手法まとめebook」では、費用に合わせた業務効率化の方法や自社に合わせた業務効率化のノウハウがまとめられています。また、効率化の手法に合わせたITツールも導入されているので、発注システムを導入するときの参考にも役立ちます。
「業務効率化の手法まとめebook」を活用して、より良い仕組み作りを行ってみてください。
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発注業務を効率化するには、マニュアルの作成やITツールの活用などを検討してみましょう。発注システムを活用することで、以下の点の業務改善が可能です。
また発注の業務効率化を進めることで、コスト削減や人為的ミスを防ぐといったメリットにもつながります。
「業務効率化まとめebook」では、費用に合わせた業務効率化の手法がまとめられているだけでなく、ITツールも紹介されています。従来の業務改善を行うためにも、ぜひ参考にしてみてください。
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NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄
NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。
2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。
2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。