| Writer:NTT東日本 北森 雅雄(Masao Kitamori)

【徹底解説】RPAとVBAの7つの違い!各利用シーンやおすすめのツールを紹介

【徹底解説】RPAとVBAの7つの違い!各利用シーンやおすすめのツールを紹介

社内の業務効率化や生産性向上のために、仕事を自動化できるツールの活用を考えている企業が増えています。業務自動化のソリューションとして多用されているのが「RPA」や「VBA」です。中小から大企業や地方自治体など、さまざまな組織で幅広く活用されています。一方で、自社にはRPAとVBAのどちらを導入するべきか、なかなか判断できない方が多いのではないでしょうか。

そこで、本記事ではRPAとVBAの違いを解説します。それぞれの活用シーンやおすすめのツールも合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.RPAとVBAの概要を紹介

【徹底解説】RPAとVBAの7つの違い!各利用シーンやおすすめのツールを紹介

RPAとVBAを使えば、一体どのようなことが実現できるのでしょうか。ここではそれぞれの基本的な知識について詳しく解説します。

RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)は、ロボットによるパソコン上の定型業務の自動化を指します。RPAを活用することで、バックオフィスなどで定型化されている業務の自動化が可能です。RPAには、以下の3つの種類があります。

  • ・デスクトップ型
  • ・サーバー型
  • ・クラウド型

「デスクトップ型」はパソコン1台に対してRPAを導入し、パソコン内の作業を自動化できます。「サーバー型」はサーバ上にRPAを導入し、複数のパソコンや業務をまたいでの自動化が可能です。「クラウド型」は、クラウド上にRPAを取り入れ、Web上の作業を自動化します。

目的に応じて専用のツールを導入し、業務手順をロボットに覚えさせることで自動化が実現します。RPAは大量のデータを素早く処理できる上に専門知識が不要なため、多くの企業で導入が進んでいます。

VBAとは

VBA(Visual Basic for Application)は、マイクロソフト社の「Excel」「Word」「PowerPoint」などのOfficeアプリケーションのマクロ(自動化機能)を作るために必要なプログラミング言語です。

例えば「Excelマクロ」を活用して一連の作業手順を記憶させれば、自動的に特定の操作を繰り返し実行するようになります。

マクロは、Officeアプリケーションにあらかじめ搭載されているので、操作方法を覚えれば誰でも簡単に自動化できます。しかし、複雑な処理をさせる場合には、VBAのプログラミング言語の知識が必要です。VBAを活用すれば、オフィス系アプリケーション上の、より高度な作業の自動化が実現できます。

2.RPAとVBAの7つの違い

【徹底解説】RPAとVBAの7つの違い!各利用シーンやおすすめのツールを紹介

ここでは、RPAとVBAの違いを詳しく説明します。自動化ツールの導入を検討している方は、どちらが自社に適しているのか判断するための参考にしてみてください。

自動化できる範囲

RPAとVBAの最大の違いは、自動化できる範囲です。RPA、はパソコン上の作業全般の自動化ができます。また、Office製品やその他のアプリケーションと連携でき、広い範囲での業務自動化が可能です。

一方でVBAでの自動化は、Office系アプリケーション内の操作に限られます。その他のアプリケーションとの連携ができず、RPAと比べて狭い範囲でしか自動化できないのが特徴です。

プログラミングスキルの必要性

RPAは、プログラミングスキルが不要で誰でも簡単に導入できます。作業手順のテンプレートが充実しているので、スキルのない現場の担当者でも設定や修正が可能です。

一方で、VBAを扱うにはプログラミングスキルが必須です。現場の担当者にスキルがない場合は、知識を持つ人に依頼するしかありません。そのため、実行に移すまでのスピードが遅くなったり、外部へ依頼する度に費用が発生したりするなどのデメリットがあります。

データ処理量と速度

RPAはVBAと比較して、大量のデータを扱えるのが特徴です。RPAはサーバー型やクラウド型があり、大量のデータでも高速で処理できます。

VBAは基本的に一つのパソコン上で動作するので、処理速度はパソコンの性能に左右されます。また、大量のデータであるほど処理速度が遅くなってしまうのが難点です。

導入・運用コスト

RPAツールの導入費用や運用コストは、自動化したい内容や規模によって大きく異なります。ツール内容、サポート体制などを確認し、複数のサービスの見積もりを取って判断するのが良いでしょう。

VBAはOffice製品のライセンス料が必須ですが、既に導入済みであれば費用はかかりません。ただ、VBAの知識がなく導入や設定を外部に依頼する場合は、外注費として数万〜100万円程度の予算が必要です。

連携できるシステム

RPAはOffice製品だけでなく、その他のWebアプリケーションと連携できます。対して、VBAで連携できるのはOffice製品のみです。日常的に複数のシステムやソフトウェアを併用して業務を進めている会社であれば、RPAの導入によってアプリケーションを横断して業務を自動化できます。

サポート体制

RPAツールは、導入や運用のサポートもサービスに含まれている場合がほとんどです。ヘルプデスクを設けていたり、シナリオの作成支援をしてくれたりする会社が存在します。したがって何かトラブルが発生したときには、販売会社に連絡すれば解決できるでしょう。

VBAはOffice製品の機能の1つなので、サポート体制がありません。自動化がうまく実行されない場合は、自力で解決するか、専門の事業者から有料でサポートを受けるしかないのがVBAの欠点です。

セキュリティ体制

RPAは、利用するサービスによってセキュリティ体制が異なります。中には、セキュリティの高さを強みとして打ち出しているサービスもあります。

また、RPAで考えられる代表的なセキュリティ問題が不正アクセスです。不正アクセスを防ぐためには、以下のような対策が必要です。

  • ・使用権限の見直し
  • ・アクセス権限管理の手段変更
  • ・通信やパスワードの暗号化

VBAのセキュリティは、マイクロソフト社の更新プログラムに依存します。Office製品に脆弱性が発見されると、セキュリティ更新プログラムが公開されます。ファイルの更新を定期的に行うことで、安心して利用できます。

3.RPAの利用シーン

【徹底解説】RPAとVBAの7つの違い!各利用シーンやおすすめのツールを紹介

RPAとVBAはそれぞれ特徴を持っているので、適した利用方法が異なります。そのため、それぞれに適した利用をしなければ期待する効果が得られません。そこで、ここではRPAの利用シーンを紹介します。

データ入力の自動化

経理部では、データ入力や請求書処理などの定型業務が多くあります。お金に関わる情報を扱うためミスは許されませんが、手作業では入力エラーや処理漏れが発生する可能性が高いです。RPAを導入して定型業務を自動化すれば、業務効率が上がり、ミス軽減にもつながります。

例えば、以下のような業務がRPAでの自動化に向いています。

  • ・請求書の作成
  • ・領収書の登録
  • ・毎月の決算報告書の作成

OCR(光学文字認識)と連携すれば、手書きの請求書や領収書を読み取り、自動での集計もできます。

営業管理の自動化

営業は、取引先に適したアプローチやアポ取りが求められますが、各顧客に手動でメールを送るのはかなりの時間を要します。また、営業に関わる事務作業に手間がかかり、実際の商談や資料作成の時間が減ってしまうのが課題です。

RPAを利用すれば、過去注文履歴を自動判別し、注文頻度に応じて取引先に再注文を促せます。ほかにも以下のような業務の自動化も可能です。

  • ・商談のアポ取りメールの送信
  • ・取引先からの受注伝票の取り込み
  • ・毎日の営業報告書の作成

入力作業や事務作業を自動化できれば、商談やそのための資料作成に時間を割けるので、生産性向上や売り上げの拡大につながります。

4.VBAの利用シーン

【徹底解説】RPAとVBAの7つの違い!各利用シーンやおすすめのツールを紹介

RPAでの自動化に向いている業務がある一方で、VBAにも向いている作業が存在します。それぞれの利用シーンを知ることで、どちらが導入に適してるのかを判断できるでしょう。ここではVBAの利用シーンを2つ紹介します。

レポート作成の自動化

レポートの作成は、大量のデータを扱うため手間がかかります。その上、入力ミスや挿入ミスが発生しやすい作業です。レポートはある程度形式が決まっていて、作業もパターン化されていることがほとんどなので、VBAによる自動処理が簡単にできるケースがあります。

VBAを利用すれば、データの集約や集計、それをもとにしたレポート作成が自動化されます。手動で行うのはデータの準備と最終確認のみです。手作業でのレポート作成に比べると、大幅な業務効率化が期待できます。

メール一括送信の自動化

VBAを活用すれば、大量の送信先にメールを送る作業を効率化できます。まず、VBAで顧客情報の一覧から氏名とメールアドレスを抜き出して送信先に設定します。メールの件名や本文に自由な文字列を設定し、一括で送信可能です。また、送信先メールアドレスに応じて、本文や件名を変更できます。

OutlookとVBAを連携すれば、Outlookからのメール送信も可能です。メールを1件ずつ送信するのは時間がかかり、メールアドレスや氏名の入力ミスが発生する可能性があります。VBAを使えば、瞬時に大量にメール送信ができ、さらにミスも防げます。

5.RPA導入ならNTT東日本の「おまかせRPA」がおすすめ

【徹底解説】RPAとVBAの7つの違い!各利用シーンやおすすめのツールを紹介

RPAツールの導入を検討しているなら、NTT東日本の「おまかせRPA」がおすすめです。Windows上のさまざまな作業や業務を自動化できるツールで、作業時間や人件費などの削減、業務品質の向上などが期待できます。「おすすめRPA」には、以下の3つのポイントがあります。

  • ・直感的に操作できる
  • ・手軽に導入できる
  • ・充実したサポートを受けられる

プログラミングが不要なだけでなく、直感的に操作しやすい作りなので誰でも簡単に扱えます。また、1ライセンスから導入可能なので徐々に自動化範囲を広げられます。まずは2ヶ月トライアル版からスタートでき、安心して導入が可能です。

さらに、NTT東日本ならではの充実した支援やサポートを提供します。遠隔サポートや有償での訪問対応も可能なので、問題が発生してもすぐに解決できるでしょう。

「おまかせRPA」についてより詳しく知りたい方は、以下の商品カタログをご確認ください。

おまかせRPAの資料ダウンロードはこちら

6.まとめ

【徹底解説】RPAとVBAの7つの違い!各利用シーンやおすすめのツールを紹介

RPAとVBAは、どちらも業務を自動化するソリューションです。RPAは、ロボットによるパソコン上の定型業務の自動化を指します。VBAはマイクロソフト社のOffice製品上で、マクロによる作業自動化を行うために必要なプログラミング言語です。

RPAとVBAは、自動化できる範囲が違ったりプログラミングスキルの必要性が異なったりと、異なる点が多くあります。したがって、導入前に、自動化したい業務を明確にして、RPAとVBAのどちらが適しているのかを確認しましょう。RPAツールを導入したい場合は、NTT東日本の「おまかせRPA」をぜひご検討ください。

この記事を書いた人

NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄

NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。

2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。

2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。

北森雅雄 masao kitamori

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