近年、中小企業では業務効率化や人員不足の対策としてRPAの導入が進んでいます。しかし「RPAは具体的に何ができるの?」「どのように選定すれば良いの?」と疑問に感じる担当者は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、中小企業がRPAを使用する「メリット・デメリット」「選び方のポイント」について解説します。RPAの基本的な情報に加えて、実際にどんなことができるのかについても理解できる内容です。
また記事の後半には、中小企業におすすめのRPAを載せているので、自社に合うRPAをお探しの方はぜひ参考にしてみてください。
目次:
RPAとは、反復性の高い業務や単調な作業を自動化するツールです。人間の作業を代行してくれる、人工知能技術を搭載したソフトウェアロボットを「デジタルワーカー」と呼びます。
中小企業にRPAシステムを導入することで、日々の業務に欠かせない以下の定型作業を自動化できます。
これまで手作業で行ってきた業務を機械化することで、人的コストの削減や業務効率化を実現します。また人的ミスも軽減されるので、品質を担保できるのが魅力です。
RPAの導入を検討している中小企業は、自社に「どのようなメリットがあるのか」気になるのではないでしょうか。そこで本章では、RPAを導入する以下のメリットを紹介します。
どれも中小企業にとって大事なメリットなので、VPNの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
RPAは一度導入してしまえば、指示どおりに休みなく稼働してくれます。人手不足の改善に繋がるだけでなく、従業員を雇うために必要になる以下のコストを抑えられます。
RPAの導入には初期設定費用が掛かりますが、人件費などのコストと比べれば安く抑えることが可能です。特にクラウド型のRPAは、サーバー不要なのでコストを抑えたい企業はチェックしておきましょう。
近年では新型コロナウイルスの影響で、業績悪化を感じる中小企業が増えています。RPAは、これまでどおりにコストをかけて従業員を雇うことができない中小企業におすすめのツールです。
機械による定型作業の入力は、人間よりもはるかに正確です。RPAは人間のような疲労によるミスがないため、長時間の作業も正確にこなします。
特に経理や在庫管理に関する業務は、膨大な件数を処理しなければいけません。手入力での作業は間違いが発生しやすいため、ダブルチェックを取り入れている中小企業は多いでしょう。
RPAを導入すればヒューマンエラーの心配が解消されるため、これまでの確認作業は必要最低限で済みます。ダブルチェックの作業に必要だった人員を減らすことで、人件費の削減にも繋がります。
入力の正確性が高まり、取引先や社内メンバーからの信用も高まるでしょう。入力ミスが発生しやすい業務がある場合は、RPAの導入がおすすめです。
RPAは様々な定形業務を自動化できるため、業務効率化が期待できます。これまで業務に追われていた従業員の作業時間を短縮できることから、長時間労働や残業が多い中小企業に有効です。
また単調な業務はRPAに任せることで、余った作業時間を売上に直結する業務に割り振ることができます。具体的な売上に直接繋がる業務は、以下のとおりです。
上記のように、利益に直接繋がる業務のことを「コア業務」と呼びます。RPAの導入により、コア業務へ当てられる作業時間が増えるため、売上の向上や業務効率化に繋がります。
しかし、業務効率化に繋がる手法は中小企業によって様々です。どのように対策を進めれば良いか、悩む担当者も多いでしょう。
自社に合う業務効率化の手法について「もっと詳しく知りたい」という方は、ぜひ以下の資料を参考にしてみてください。業務効率化におすすめのITツールや、予算別の手法などを学べます。
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少子高齢化が進む日本では、様々な企業が「働き手不足」を感じています。即戦力で活躍できる人材が少ないなどの理由から、簡単に人員を採用できない状況になっている企業は多いでしょう。
新たな人材を雇えない中小企業が、人手不足を解消するツールの1つとして注目しているのがRPAです。RPAを導入することで、人員不足をカバーするだけでなく従業員のワークライフバランスの改善も期待できます。
ストレスの原因になりやすい残業を減らすことで、従業員の定着率を上げることも可能です。RPAは、人手不足に悩む中小企業の強い味方と言えるでしょう。
RPAは人間の代わりに単調な作業を自動化してくれますが、イレギュラーな事態には対応できないことがあります。人間のように自ら考えて行動することができないので、事前に設定しておいた手順と異なるケースが起きた場合は処理しきれません。
例えば、顧客情報の入力作業において、電話番号欄に名前が誤入力されているとしましょう。その場合、人間であれば本来入力すべき名前の入力欄に移動できますが、RPAはそのまま電話番号欄に名前を残してしまうため、エラーが起きてしまいます。
このようにイレギュラーな事象が起きてしまうと、作業がストップしてしまう可能性があります。作業を遅らせないためには「エラーを後回しにする」「アラートを出す」など、処理手順を事前に設定しておくことが大切です。
RPAを活用している企業は、大手に限らず中小企業も増加傾向にあります。しかし、大手に比べて作業負担が少ない中小企業は「導入する意味があるのか」と疑問に感じるのではないでしょうか。
そこで本章では、中小企業がRPAを導入してできることを紹介します。RPAは、人員不足を感じやすい中小企業にこそ取り入れたいツールでもあります。RPAの導入に興味がある担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
RPAは、これまで従業員が手作業でしていたメールのやり取りを自動化できます。定型的なメールであれば、事前に設定することで自動化が可能です。例えば、メール配信に関する以下の作業を自動化できます。
リマインドは、顧客リストの対象者を抽出し「イベント3日前に告知メールを自動送信する」といった設定も可能です。メール配信の自動化は、従業員の負担軽減に繋がるだけでなく、連絡漏れなどのヒューマンエラーを防げます。
営業で新規顧客を獲得した際に必要になるのが、顧客のデータ登録です。なるべく売上に直結する営業や販売に人員を集めたいところですが、契約で欠かせない顧客情報の登録は簡単に削減できるものではありません。
そこで注目されているのが、人間の代わりに顧客情報を入力してくれるRPAです。RPAを導入することで、これまで手作業で顧客リストへ登録していた手間が省けます。
企業によっては顧客リストだけでなく、会計ソフトや名刺管理アプリなどにも、同じ情報を手作業で入力しなければいけないこともあるでしょう。RPAは専用フォームに顧客情報を入力するだけで、複数のシステムにも自動で登録されるので、繰り返し手入力する必要がありません。RPAの導入により、手作業による登録漏れやミスを大幅に削減できます。
製造業や販売業にとって在庫管理は重要な業務です。在庫が切れたり過剰になったりしないように、管理は適正に行わなければいけません。
例えば、本社と現場での認識にズレが生じてしまうと、在庫が溢れているのにも関わらず発注してしまうなどのトラブルが起きます。RPAを導入すれば、リアルタイムで在庫の数を把握できるため、そのようなトラブルを回避できます。
在庫のカウントミスが削減できるだけでなく、リアルタイムでの把握も可能です。RPAは、ヒューマンエラーを防げて手際よく在庫管理ができるツールと言えます。
RPAには多くの種類があるので「どれを選べば良いか分からない」とお悩みになる方は多いでしょう。今回は中小企業がRPAを選ぶときに、どんな点に注意するべきかを下記のポイントで紹介します。
自社に合うRPAをお探しの方は、ぜひ確認してみてください。
RPAは様々な種類があるので、どのツールを導入するかによって掛かる費用が異なります。新しいツールを導入する際は予算が割り当てられるので、機能と価格のバランスを考えて導入することが大切です。
例えば、高価なRPAでも、中小企業が必要になるスペックには見合わない可能性があります。また低コストで導入できるツールだとしても、自動化したい業務に対応してなければ意味がありません。
導入前には自動化したい業務を洗い出し、優先順位を付けておきましょう。目的に合わせた機能があるか確認することがポイントです。
セキュリティ対策を怠ると、サイバー攻撃や情報漏洩の被害を受ける可能性があります。個人情報や機密情報の漏洩だけでなく、企業の信用を失う恐れがあります。
そのようなリスクを防ぐためには、セキュリティ対策に強いRPAの導入がおすすめです。RPAの具体的なセキュリティ対策を、以下に紹介します。
セキュリティ対策を重視してRPAを選びたい場合は、ぜひ上記の機能があるか確認してみてください。質の高いRPAツールは費用が掛かりますが、最低限のセキュリティ機能があるツールを選びましょう。
RPAを導入する場合、ツールに対応できるIT人材が必要になります。しかし、中小企業には「ITに詳しい人材がいない」場合が多いのではないでしょうか。
RPAの導入後は「エラーが出て業務が停止してしまった」「設定方法が分からない」などのトラブルが起こる可能性があります。保守管理や設定方法などに不安がある場合は、事前にサポート体制を確認しておきましょう。
サポート方法は、電話・メール・チャット・FAQなど提供会社によって異なります。RPAのサポート体制を確認する際は、サポート時間や対応範囲を確認しておきましょう。
NTT東日本が提供する「おまかせRPA」とは、作業を自動化するRPAツールです。「おまかせRPA」では、導入企業の運用を手厚くサポートしています。おまかせRPAが中小企業に選ばれている理由は、以下のとおりです。
操作で分からないことがあれば、9時〜21時まで対応します。またトラブル発生時は、オプションで訪問サポートも致します。
自社で設定ができる場合は、初期費用が無料になるのでコストを抑えたい方にもおすすめです。まずは2ヶ月のトライアル版を試してみてはいかがでしょうか。
RPAは、日々の定型業務や単調作業を代行してくれる役割があります。大企業に限らず、人員不足に悩む中小企業への導入も進んでいます。RPAを導入するメリットは、以下のとおりです。
RPAを導入することで、メールl配信や在庫管理なども自動化ができます。また顧客データの登録も代行してくれるので、入力作業に時間を取られている中小企業におすすめです。
RPAツールを選ぶ際は、自動化したいポイントを洗い出し優先順位を付けて選ぶことが大事です。セキュリティの高さやサポート体制なども、事前に確認しておきましょう。
NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄
NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。
2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。
2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。