| Writer:NTT東日本 北森 雅雄(Masao Kitamori)

【22年11月最新】自治体でのRPA活用法5選!導入事例やおすすめツールを紹介

【22年11月最新】自治体でのRPA活用法5選!導入事例やおすすめツールを紹介

働き方改革が進む昨今、業務自動化のツールとして「RPA」が注目されています。企業だけではなく自治体でも導入が進み、全国で幅広く活用されています。この状況を受けて、RPAを活用できないかと考える自治体職員の方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、本記事では自治体でのRPAの活用について解説します。自治体でRPAが注目されている理由や導入状況、活用事例などを紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

1.自治体でRPAが注目されている理由

【22年11月最新】自治体でのRPA活用法5選!導入事例やおすすめツールを紹介

今や、少子高齢化の影響で日本の労働人口は減少を続けています。多くの企業で人手不足が課題ですが、同様に自治体でも労働力の確保が深刻な問題として挙げられています。

自治体職員が減少すると、行政インフラやサービスが満足に受けられなくなる可能性があるため、住民にとっても大きな問題です。しかし、早急な職員の増加は難しいので、多くの自治体で業務効率化や生産性向上の施策が行われています。その中で、注目されているツールの1つがRPAです。

「RPA(Robotic Process Automation)」とは、ロボットによってパソコン上の定型業務を自動化する技術を指します。入力作業や集計作業、システムからのデータダウンロードなどの定型作業を自動化できます。RPAとAIや画像認識技術を組み合わせて、申請や窓口対応など、より高度な作業の自動化も可能です。

問い合わせ対応や入力・集計のような事務作業の多い自治体にRPAを導入すれば、大きな業務効率化が期待できるでしょう。

2.自治体でのRPAの導入状況【都道府県で91%】

【22年11月最新】自治体でのRPA活用法5選!導入事例やおすすめツールを紹介

総務省が2021年度を対象に行った「自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査」によると、RPAをすでに導入し、活用している自治体は、都道府県で91%、指定都市で95%と高い導入率を誇っています。

一方で、その他の市区町村では導入率が29%と、都道府県や指定都市と比べると低い状況です。ただ「実証中」「導入予定」「導入検討中」の自治体も含めると62%にのぼります。

都道府県、指定都市、その他の市区町村のすべてで、RPAの導入率は2018年から年々増加しています。今後もさらに導入が進んでいくでしょう。

参照元:総務省|自治体におけるAI・RPA活用促進

3.自治体でRPAを活用できる業務5選

【22年11月最新】自治体でのRPA活用法5選!導入事例やおすすめツールを紹介

自治体の仕事の中でも、RPAを活用できる業務は限られています。もし適した業務を知らないまま導入を進めると、思ったとおりの効果を得られない可能性が高いでしょう。そこで、ここでは自治体の仕事の中でも、RPA活用に適した業務を紹介します。

データ入力・登録作業

自治体では、システムへのデータ入力や登録作業が毎日行われています。このような人の判断が不要な定型的な作業は、RPAで自動化できる代表的な業務です。

例えば、住民から申請されるデータのシステムへの入力・登録、Webからダウンロードしたデータのシステム入力などが自動化できます。単純な作業にも関わらず、手動で行うとかなりの時間を要するため、RPA導入により職員の負担軽減につながります。

データ確認・照合作業

RPAを導入すれば、データ確認や照合作業など、人が行うと時間がかかってしまう業務を自動化できます。確認作業は人が目視で行うと、ミスや確認漏れが発生する可能性が高いです。RPAで自動化すれば、一切のミスなく高速で処理できます。

特に自治体は、住民の個人情報を扱うので、間違いや漏れなどのミスは許されません。RPAを使えば、設定したルールに従ってデータの正誤を判別でき、作業時間の短縮とミス削減につながります。

集計作業

自治体には、毎日かなりの数の申請書や明細書が届きます。職員が定期的に集計しますが、種類が豊富で数が多いと、作業に多大な時間を要してしまいます。このような集計作業に、時間が取られていることを問題視している自治体は多いです。

集計作業は、RPAでの自動化が効果的な業務です。高速で正確な処理ができるため、人が行うよりもRPAに任せた方が高い生産性を期待できます。労働時間削減につながり、職員の負担軽減になります。

通知・案内作業

自治体では、特定の条件に合う住民に通知や案内を行います。RPAを導入すれば、特定の条件に合う住民データのみを、システムから自動で抽出できます。

さらに、RPAで抽出した住民データをExcelで加工し、宛名ラベルを作成するところまで自動化が可能です。案内漏れや誤記などのミスがなくなるのもメリットの1つです。

問い合わせ対応

自治体にはさまざまな問い合わせや申請で多くの住民が来訪します。窓口対応だけで1日の仕事が終わってしまう場合もあり、職員の時間外労働が発生する1つの要因です。

RPA導入で問い合わせ対応を効率化すれば、大幅な時間短縮につながります。例えば、Web経由での問い合わせにはRPAの導入が可能です。簡単な質問であればRPAが自動で判断し、返信するよう設定できます。定型的な文章での返答やシステムから情報を取得しての回答などが可能です。

4.自治体のRPA活用事例3選

【22年11月最新】自治体でのRPA活用法5選!導入事例やおすすめツールを紹介

RPAは、業務効率化のためのツールとして、さまざまな自治体で取り入れられ始めています。どこも大きな効果を生み出しているため、自治体でのRPA活用は高い汎用性があると判断できます。

ここでは、3つの自治体での活用事例を紹介しますので、ぜひ導入の参考にしてみてください。

石川県加賀市

石川県加賀市役所には、介護保険を担当する長寿課が存在します。課の職員は、住民異動に伴う保険資格の付与や保険料算定のために、毎日手作業で対象者の確認を行っていました。かなりの時間を要するため、職員の負担になっている状況です。

作業時間の削減が実現すれば、市民サービスに今まで以上の時間を割けると考え、RPAの導入を決定します。RPAで自動化したのは、以下のような業務です。

  • ・介護保険システムから異動者の情報の出力
  • ・特例施設住所一覧との照合
  • ・住民情報システムでの検索・照会
  • ・他市町村住所地特例者と対象外の分別から保存までの一連の流れ

さらに、介護保険料を算定する際に必要な、所得照会者の一覧表の作成にRPAを活用して自動化しました。その結果、転入者本人とその世帯員の所得照会が必要かを、RPAを用いて自動で確認できるようになります。そのあとの所得照会が必要な人のリスト作成も、RPAで効率的に行えるようになり、職員の負担が軽減しました。

RPAを導入した結果、介護保険の3業務で年間159時間の業務時間削減に成功し、削減率は81.5%にものぼります。この結果を受けて、障害者福祉の業務にもRPAを導入しました。介護保険とあわせると、計4業務で年間321時間の削減という大きな効果をもたらしており削減率は81.7%です。

業務内でのミスが減ったため、カバーする労力も不要になりました。また、RPAの利用をきっかけに、スマートシティやデジタル化に向けた職員の意識改革ができたのも導入の効果です。

新潟県長岡市

新潟県長岡市は、職員が持つ課題や新技術導入の意向を読み取るために、全庁にアンケートを実施します。約300もの課題が挙げられ、データ入力や反復作業の効率化など、RPAが適用できる業務が一定数ありました。

そこで、まずはRPAの試験導入を実施します。実施の結果、庁内の6課25業務で2,028時間に及ぶ業務をRPAで自動化できるとわかり、本格導入を決定しました。RPAの導入で自動化したのは、以下のような業務です。

  • ・健診予約受付
  • ・健診結果通知
  • ・ネット予約者登録
  • ・各種健診受診者情報と診療結果入力
  • ・訪問指導に用いる資料作成

特に導入効果が高かったのは、ネット予約者登録業務です。ほかにも、各種健診受診者情報・診療結果入力業務でも大きな効果を上げました。庁内の7課18業務において、年間4,136時間に及ぶ労働時間の削減(削減率87.9%)という結果をもたらしています。

RPAによる効率化で、人が行うべき業務に注力できるようになり、今まで手が回っていなかった仕事に取り組める時間が増加しました。さらに、窓口対応にもより多くの時間が割けるようになり、待ち時間短縮など、住民サービスの向上にもつながっています。

兵庫県伊丹市

兵庫県伊丹市では、単純なシステム入力を繰り返す作業が多く、時期による変動も激しいため繁忙期には職員の長時間労働が当たり前になっていました。また、入力ミスによってその後の対応にさらに時間が割さかれていたので、正確性を高める必要もあります。

そこで、効果が高いと予測された市民税課でのRPA導入を決定し、体制や予算の整備を進めます。まずは、個人住民税に関する資料から読み取ったデータをExcelに入力する作業に、RPAを導入しました。具体的には、以下のような作業を自動化しています。

  • ・Excelファイル内のデータの読み取り
  • ・基幹システム上での宛名の検索
  • ・Excel内のデータを入力画面へ転記・登録

ほかにも、登録内容の確認が必要な業務を効率化するために、RPAを導入します。基幹システム上の情報を、確認しやすいように加工する作業をRPAに自動で行わせました。

導入の結果、個人住民税・固定資産税・収滞納管理の合計21業務で、年間830時間もの削減(削減率71%)が実現します。時間削減だけでなく入力ミスも減ったため、職員の負担軽減につながりました。

5.RPA導入ならNTT東日本の「おまかせRPA」がおすすめ

【22年11月最新】自治体でのRPA活用法5選!導入事例やおすすめツールを紹介

自治体へのRPAツール導入を検討中なら、NTT東日本の「おまかせRPA」がおすすめです。Windows上のあらゆる業務を自動化でき、作業時間削減や人的コスト削減、生産性の向上が期待できます。

「おまかせRPA」には、以下の3つのポイントがあります。

  • ・直感的に操作できる
  • ・手軽に導入できる
  • ・充実したサポートを受けられる

プログラミングスキルが不要で、直感的に操作しやすい作りになっています。誰でも簡単に扱えるため、スムーズな導入が可能です。また、1ライセンスから導入できるので、効果を体感してから徐々に適用範囲を広げられます。2ヶ月トライアル版を用意しているので、まずはお手軽に始めてみてはいかがでしょうか。

さらに、導入や運用に問題が発生した際には、NTT東日本ならではの、充実したサポートが受けられます。遠隔サポートや訪問対応のオプションもあり、何かあればすぐに対応・解決します。

「おまかせRPA」についてより詳しく知りたい方は、以下の商品カタログをご確認ください。

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6.まとめ

【22年11月最新】自治体でのRPA活用法5選!導入事例やおすすめツールを紹介

日本の少子高齢化と労働人口減少によって、社会全体で労働力不足が問題となっています。企業だけでなく自治体でも人手不足は深刻化し、RPAの活用が注目されるようになりました。すでに多くの自治体でRPAが活用され、導入率は年々増え続けています。

自治体でのRPAの導入に向いているのは、以下のような業務が挙げられます。

  • ・データ入力・登録作業
  • ・データ確認・照合作業
  • ・集計作業
  • ・通知業務
  • ・問い合わせ対応

上記の中に自治体職員がいまだに手動で行っている業務があれば、RPAの導入をおすすめします。RPAツールを導入したい場合は、NTT東日本の「おまかせRPA」をぜひご検討ください。

この記事を書いた人

NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄

NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。

2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。

2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。

北森雅雄 masao kitamori

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