経費を削減したいが自社に合った方法が分からないとお悩みの方が、いらっしゃるのではないでしょうか。経費削減をするアイディアには、リモートワークへの移行や業務自動化ツールの導入など様々な方法があります。自社のコストを把握して無駄を洗い出し、削減プランを立てて実行していくことが大切です。
今回の記事では、企業におけるコスト削減の概要や具体的なアイディアについて解説します。コスト削減をしたいが方法が分からないと悩んでいる企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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「コスト」とは、企業活動を行う上で必要な費用を指します。例えば、従業員の人件費や光熱費、生産に必要な原材料費などです。また、コミュニケーションや時間など目に見えないコストも存在します。「コスト削減」とはこのような費用を減らす取り組みであり、企業の利益を拡大させることが目的です。
「売上-コスト」が企業の利益となるため、コスト削減ができれば売上が上がらなくても利益が拡大します。また、コスト削減によって利益の拡大だけではなく、企業価値の向上や従業員のモチベーション上昇も期待できるでしょう。
利益を増やすためには、無駄にかかっている費用を見極めて削減することが重要です。コスト削減が適切に行われなかった場合、企業の利益が減って給与水準の低下や労働環境の悪化を招きます。そのことで、従業員のモチベーションが下がったり生産性が低下したりする可能性があります。
コストを削減する方法は複数あるので、そのなかから自社に合ったアイディアを実行することが大切です。そこでこの章では、コスト削減のアイディアを出すためのポイントを紹介します。自社に合ったアイディアを出し、コスト削減をスムーズに行いましょう。
コスト削減のアイディアを出すときには、まずは現状を把握することが大切です。どの項目にどのくらいのコストがかかっているのかを、すべてリストアップして洗い出しましょう。人件費の場合は、コストだけではなく工数も確認しておくと、削減プランを立てるときに役立ちます。
現状のコストをすべてリストアップしたら、無駄なコストや削減できそうな項目を洗い出し、具体的にアイディアを検討していきましょう。
削減するべきコストを洗い出したら、優先順位をつけます。優先順位をつけずにすべて一度に実施しようとすると、どれも中途半端な結果になる可能性があります。さらに優先順位をつけることで、従業員にもどの削減事項に注力すべきかが伝わり協力が得られやすくなるでしょう。
削減事項の優先順位は、効果が大きい項目や取り組みやすいものから順につけていくのがおすすめです。作業工数が少なく効果が大きい事項を先に実施し、工数が多く効果が少ないものは優先度を下げましょう。削減事項の優先順位をつけたら、具体的に目標や削減プランを立てていきます。
削減目標を達成するためには、従業員の理解と協力が必要不可欠です。削減プランを作成したら、従業員全体へ周知しましょう。従業員の理解を深めるために、マニュアルを作成するのもおすすめです。企業全体でコスト削減に取り組む意識を高めることで、目標達成につながります。
従業員に積極的に取り組んでもらうためには、モチベーションを下げないことが大切です。コスト削減の目標設定が高すぎたり無理をさせたりすると、モチベーション低下の原因となるため注意しましょう。
コスト削減の具体的なアイディアには、リモートワークへの移行や業務自動化ツールの活用などが挙げられます。この章では、おすすめのコスト削減のアイディアを5つ紹介します。コスト削減の実行を検討している企業の担当者の方は、削減プランを作成するときの参考にしてみてください。
リモートワークへの移行も、コスト削減の効果が期待できます。リモートワークを導入することで、電気代や水道代などの光熱費の削減につながります。また、出勤する従業員の数が減ってオフィスを縮小できれば、賃料を下げることも可能です。
リモートワークが導入され働きやすい環境が整えば離職率も減らせるので、結果として採用にかかる費用や教育費の削減も期待できるでしょう。
会計システムや経理システムなどの業務自動化ツールの活用も、コスト削減に効果的なアイディアの1つです。これまで人が手動で行っていた作業が自動化できれば、人件費の削減につながります。また、業務効率化のメリットもあるので、担当者が他の業務に時間を使えるようになり、結果として職場環境の改善も期待できるでしょう。
業務自動化ツールの購入はコストがかかるため、導入のハードルが高いと感じる企業もあります。初期費用はかかるものの、長期的な目で見ればコストパフォーマンスが良く削減効果が期待できます。
インターネットの回線を、今使っているものから安いプラン・通信会社に切り替えることでコスト削減ができます。企業用のお得なプランやモバイル契約とのセット割もあるので、ネット回線のコストを下げたいときには活用してみてください。
ただし、今使っているネット回線を解約するときに違約金が発生する可能性があります。ネット回線を乗り換えるときは、契約期間や違約金などを事前に確認しておくことをおすすめします。
ペーパーレス化を導入すると、用紙代やインク代、コピー機のメンテナンスにかかる費用などを削減できます。また、紙の資料を保管するスペースが不要になれば、小さなオフィスへ移転し賃料を下げることも可能です。
その他にもペーパーレス化の導入には、紙の資料を準備・配布する手間が無くなったり、キーワード入力を使って文書検索がしやすくなったりするメリットもあります。リモートワークを導入するうえでもペーパーレス化は重要なポイントとなるので、ぜひ前向きに検討してみてください。
多くの企業で固定電話を使用していますが、廃止することで固定費削減につながります。現在は、インターネット回線を使った電話サービスがあるので、検討してみてはいかがでしょうか。
固定電話だけではなく、FAXもインターネットを使って送受信ができるシステムが普及しつつあります。うまく活用することで、コスト削減だけではなく業務効率化も期待できます。
コスト削減のアイディアを実施するときには「短期間での効果を求めない」「安易に人員削減しない」などの注意点があります。この章で紹介する注意点はコスト削減を適切に行うための重要なポイントとなるので、目標やプランを立てるときの参考にしてみてください。
コスト削減のアイディアを実施するときは、短期間での効果を期待しないことが大切です。短い期間で効果を出そうとすると、必要なコストまで削ってしまい、事業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。また、早く結果を出そうと従業員に無理をさせることで、仕事へのモチベーション低下を招く原因になります。
項目によっては短期間で効果が出るものもありますが、長い目で見ないと本当の効果は見えづらいです。コスト削減を実施するときは無理のないプランを立てて、目標を達成できるように企業全体で取り組んでいきましょう。
従業員の数を減らせば人件費が抑えられますが、安易な人員削減は行わないようにしましょう。無理に人員削減を行うと、他の従業員の労働量が増えて長時間労働につながる可能性があります。従業員の負担が増えてモチベーションが下がると、結果として優秀な人材が退職してしまうケースもあるでしょう。
安易な人員削減は従業員の反発を招く可能性があるため、業務効率化を実施したうえで問題のない範囲で実行することをおすすめします。
人材育成のコスト削減も、慎重に行う必要があります。従業員は企業の資産であり、教育を行うことは将来への投資です。人材育成のコストを削減し従業員の教育が十分に行われないと、事業が成長せず企業の将来不安につながる可能性があります。
最近はインターネットを使った教育方法もあり、うまく活用することでコストを抑えられます。また、映像講義などを活用すれば従業員が直接指導する必要がないため、業務効率化も期待できるでしょう。
自社に合ったコスト削減のアイディアを知りたい企業担当者の方は、NTT東日本へお気軽にご相談ください。NTT東日本では、業務の見直しを行うときに役立つヒントやノウハウをご案内しています。無料相談口もあるので、ぜひ活用してみてください。
また、業務効率を良くすることで、コスト削減につながるケースがあります。自社に合った業務効率化のアイディアを知りたいときには、方法の選び方や有効なITツールなどを紹介している以下の資料をご覧ください。
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コスト削減とは、企業活動にかかる費用を削減する取り組みで、利益を拡大させることを目的としています。コスト削減の有効的なアイディアには、リモートワークへの移行やペーパーレス化、業務自動化ツールの活用などが挙げられます。様々なアイディアがありますが、コスト削減を適切に行うためには、現状を把握した上でそれぞれの企業に合った方法で実施することが大切です。
コスト削減のアイディアを実行するときには、短期間で効果を出そうとしたり安易に人員削減を行ったりしないことが重要です。コスト削減を達成するためには、従業員の理解・協力も重要なので、企業全体で無理なく長期的に取り組みましょう。
NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄
NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。
2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。
2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。