| Writer:NTT東日本 北森 雅雄(Masao Kitamori)

【これで解決】企業がハンコを電子化する方法3選!法的効力やメリット・デメリットを解説

【これで解決】企業がハンコを電子化する方法3選!法的効力やメリット・デメリットを解説

「ハンコを電子化して業務の効率を改善したいけど具体的な方法がわからない」とお悩みの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

電子化を行えば業務効率の改善だけでなく、コスト削減に加えてハンコ自体の破損や紛失を防止できます。書類に関する手続きをスムーズに行え、円滑に業務を進めるられるでしょう。

そこで今回の記事では、ハンコを電子化する方法について解説します。メリットやデメリット、注意点も理解できるないようになっているので、ぜひ最後までお読みください。

1.会社のハンコを電子化する「電子印鑑」について解説

【これで解決】企業がハンコを電子化する方法3選!法的効力やメリット・デメリットを解説

まず最初に電子印鑑の概要と法的効力について解説します。電子印鑑に関する基本情報を確認して、自社での導入の判断基準にしてください。

電子印鑑とは

電子印鑑とは、パソコンなどのデバイスからPDFファイルなどの電子文書に捺印できる印鑑データです。

仕事上で印鑑が必要な場面は多いですが、従来は担当者や決裁者が不在の時に捺印ができませんでした。電子印鑑による捺印はネットワークを経由して行われ、外出やテレワークの時でも手続きが進みます。承認待ちの時間が減ることで、業務効率の改善に期待できます。

電子印鑑の法的効力

電子印鑑には、法的効力が認められています。電子化された契約書への捺印も紙の場合と同等の価値を持ちます。法的効力のある電子印鑑は、e-文書法で規定された契約書を含む商取引文書で使用可能です。

ただし、電子印鑑が法的効力を持つには電子証明書が必要となります。電子証明書とは、第三者である認証局により「使用される電子印鑑が本人のものである」と電子的に証明するものです。電子印鑑に法的効力を求める場合は、電子証明書の有無を確認しましょう。

1.会社のハンコを電子化する「電子印鑑」について解説

【これで解決】企業がハンコを電子化する方法3選!法的効力やメリット・デメリットを解説

電子印鑑には、以下の2つの種類があります。

  • ・印影を画像化した電子印鑑
  • ・印影に使用者や日付などの情報を含む電子印鑑

この章で説明する種類を確認し、電子印鑑の知識を深めましょう。

印影を画像化した電子印鑑

印影を画像化した電子印鑑の作成方法には、以下の方法が挙げられます。

  • ・元になる印鑑を使用する
  • ・フリーソフトでの作成

元になる印鑑を使用する場合、白紙に押印した印影をスキャンし、作成したWordやExcel、PDFなどの電子ファイルに張り付けて印影を画像化します。印影を画像化した電子印鑑は画像ファイルなので、手軽に作成可能です。

フリーソフトで電子印鑑を作成する場合、社名や屋号をテキスト化して図形挿入にて枠を作るだけで完成となり、仕上がりが綺麗になります。認印として社内で使用するのであればおすすめです。

印影に使用者や日付などの情報を含む電子印鑑

印影を画像にして印鑑の使用者や押印した日時といった識別情報を付与した電子印鑑で、不正利用のリスクを減らして電子印鑑を使用したい方向きです。

印影を画像化した電子印鑑と比べて、有料の専用サービスが多いものの、なりすましや複製のような不正利用のリスクを軽減できます。

3.電子印鑑の作り方3選

【これで解決】企業がハンコを電子化する方法3選!法的効力やメリット・デメリットを解説

この章では電子印鑑の作り方について以下の3つの方法を解説します。

  • ・電子印鑑作成サービスを利用する
  • ・印影をスキャンしてデータ化する
  • ・電子契約サービスを使う

電子印鑑の作り方を確認し、自社でどの方法を取り入れるか検討してみてください。

電子印鑑作成サービスを利用する

電子印鑑作成サービスを利用すると、実物の印鑑で捺印したような仕上がりになります。透過加工を施せるなど、より質の高い電子印鑑を作成できます。

電子印鑑作成サービスによって印鑑を電子化する場合は、現在使用している印影をアップロードするなど簡単に作成できる点も魅力です。

印影をスキャンしてデータ化する

手軽に電子印鑑を作成するには、紙に捺印した印影をスキャナーを用いて画像データにする方法があります。PDFによる作成であればWord、Excelと比較して手軽に作成できます。

理由はPDFにて作成すると、WordやExcelで作成する場合に必要となる余白のトリミングや印影画像の透過処理なしで作成できるからです。社内で使用する電子印鑑を作成する場合には、おすすめの作成方法です。

電子契約サービスを使う

電子契約サービスで作成された電子印鑑はタイムスタンプ付きなので、なりすましや偽造などのセキュリティ面でリスクが少ないのが特徴です。電子証明書と組み合わせると、よりセキュリティ面を強固にできます。

本人性の保証と非改ざん性による法的効力の付与によって、実印による押印が必要な契約書での使用も認められるのは大きな強みと言えます。

4.会社のハンコ(社印)を電子化するメリット・デメリット

【これで解決】企業がハンコを電子化する方法3選!法的効力やメリット・デメリットを解説

社印を電子化する際には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

  • ・業務の効率化
  • ・印刷・保存にかかるコストの削減
  • ・印鑑の破損・紛失を防ぐ

デメリット

  • ・導入コストがかかる
  • ・業務手順の変更が必要

メリットとデメリットを把握して、社印の電子化の際に役立てましょう。

メリット

社印を電子化すると、押印に要する拘束時間と手間が大幅に短縮され、業務効率の改善が見込めます。電子データの上に直接押印できるので印刷の手間を省けて、そのまま社内回覧や取引先への送付も行えます。

社印の電子化により在宅時や外出先でも申請が可能になるので、押印を待つ手間も省かれスムーズな手続きが可能です。

また、紙の書類に押印する必要がないので印刷コストの削減につながります。ペーパーレス化が実現すれば、書棚やファイルも不要なので更なるコスト削減が可能です。

加えて印鑑の破損や紛失、盗難も防止できるので肝心な場面で社印がないという事態を防げます。実印は使用するうちに破損・紛失の可能性がありますが、電子化しておけばリスクを最小限に抑えられます。

デメリット

社印の電子化のデメリットは、主に導入コストがかかる点と業務手順の変更をする必要がある点です。社印の電子化ならば、フリーソフトで作成すれば解決します。しかし、実際に仕事で使用する際は、電子証明書に代表される本人証明が必要です。

セキュリティ対策を施した電子印鑑にする場合、システム導入費や月額使用料などのコストが発生します。また社印を電子化した場合、業務手順の変更をする必要があり事前に会社内での説明が必要です。

5.会社のハンコ(社印)を電子化する際の3つの注意点

【これで解決】企業がハンコを電子化する方法3選!法的効力やメリット・デメリットを解説

会社のハンコ(社印)を電子化する際には、以下の3点に注意してください。

  • ・印影を画像化しただけの場合は偽造リスクが高くなる
  • ・書類が電子印鑑に対応しているか確認をする必要がある
  • ・取引先寄っては電子印鑑の使用が許可されない場合もある

電子化に伴い思わぬトラブルが発生することもあるので、この章で解説する内容をしっかりと確認しましょう。

印影を画像化しただけの場合は偽造リスクが高くなる

印影を画像化しただけの電子印鑑は誰でも簡単に作成できますが、同時に複製されやすい欠点があります。またフリーソフトで作成した電子印鑑は同じようなデザインが出回っているので、不正利用のリスクが高いです。

フリーソフトなどで作成した電子印鑑は、会社での事務作業や社内書類の確認で使用する「認印」として使用しましょう。もし今後ビジネスの場面で使用する場合は、印影に識別情報を付与した電子印鑑を使用して、偽造されないよう対策しておく必要があります。

書類が電子印鑑に対応しているか確認をする必要がある

基本的には多くの書類において、電子印鑑の使用が認められています。しかし、中には電子印鑑に対応しない書類やそもそも法律で電子印鑑が使用できない場合があります。具体的には、定期借地契約や労働者派遣の個別契約です。

法律で書面での作成が義務付けられている書類は、電子印鑑ではなく実印でなければ法的効力を発揮できません。電子印鑑の使用が認められる書類は年々増えていますが、事前に使用可能か確認しておきましょう。

取引先によっては電子印鑑の使用が許可されない場合がある

電子印鑑は仕事上でのやりとりをスムーズにしてくれます。しかし取引先によっては電子印鑑の使用を認めていない場合もあり、相手に合わせて実印を使う必要があります。理由として電子印鑑は実印ほど普及しておらず、取引相手の理解が必要だからです。

そのため、電子印鑑を導入する際には取引先への配慮が必要不可欠です。取引相手が電子印鑑の使用を認めているか、事前に関係者間で確認しておきましょう。

6.ハンコがなくても契約できる「クラウドサイン for おまかせ はたラクサポート」

【これで解決】企業がハンコを電子化する方法3選!法的効力やメリット・デメリットを解説

ハンコを電子化して業務の効率改善を図りたいが、どの電子契約サービスを選べば良いか悩まれる方もいるでしょう。そこでおすすめするのが、NTT東日本が提供するWebへの契約書のアップロードとメール送信で締結が完了できるクラウド型の電子契約サービス「クラウドサイン for おまかせ はたラクサポート」です。

紙と印鑑での契約締結と異なり、先方が合意締結すれば捺印から保管までの過程を大幅に効率化できるのが魅力です。多種多様な契約書の取り扱いが可能であり、契約締結から管理・検索まで幅広い機能を備えています。

ハンコの電子化を検討されている担当者の方は、NTT東日本までお気軽にお問い合わせください。

「クラウドサイン for おまかせ はたラクサポート」の詳細はこちら

7.まとめ

【これで解決】企業がハンコを電子化する方法3選!法的効力やメリット・デメリットを解説

電子印鑑とは、パソコンなどのデバイスからPDFファイルをはじめとした電子文書に捺印できる印鑑データです。電子印鑑には印影を画像化しただけの電子印鑑と、印影に使用者の情報や日付を連動させた電子印鑑の2種類があります。

印鑑を電子化すると業務の効率化とコスト削減が実現しますが、同時に以下の3つにも注意しましょう。

  • ・なりすましや偽造による不正利用
  • ・書類の種類によっては電子印鑑の使用が認められない
  • ・取引先によっては電子印鑑に対応していない

印鑑の電子化を行う際には、事前に書類や取引先が電子印鑑に対応しているか確認を行う必要があります。

電子印鑑の導入なら、NTT東日本が提供するクラウド型の電子契約サービス「クラウドサイン for おまかせ はたラクサポート」がおすすめです。電子印鑑の導入を検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

「クラウドサイン for おまかせ はたラクサポート」の詳細はこちら

この記事を書いた人

NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄

NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。

2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。

2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。

北森雅雄 masao kitamori

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