業種別事業計画書作成
事業計画書の
“より良い”書き方
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1創業の動機
『創業の動機』で大事なのは、開業が思いつきではなく、計画性があり、かつ事業継続への強い意欲を示すことです。
過去の経験と絡めて説明することで説得力が増します。
POINT
NG
大手企業で8年間勤務していましたが、残業も多く体調を崩すこともあったため、自営業で健康的な生活を送りたいです。
OK
専門高校卒業後、リフォーム業界に10年以上携わってきました。3社以上のお客さまと独立後も定期的に案件をいただける関係性を築けたため、創業を決めました。
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2事業の経験など
自身の過去の経験や職歴を記載します。ここで注意すべきなのは、『創業の動機』で記載した内容と整合性を保つようにしてください。
また、会社員時代の実績なども記載しておくと、融資に向けたプラス要素になります。
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3取扱商品・サービス
ここで伝えるべきは、「自社の魅力」であり、
「お客さまがサービスを利用する理由」です。競合店と何が差別化要因となるか明確になるように記載していきましょう。
POINT
NG
戸建て住宅やマンションのリフォームを行います。
OK
一般的なリフォームを提供しますが、特に塗装に強みがあります。塗装に必要な塗料や色に関する専門性が高く、
また、塗料メーカーから直接仕入れているため、他社よりも安価な料金で、質の高い仕上がりを実現し、お客さまから好評をいただいています。
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4取引先・取引条件等
『取引先』とは、販売先・仕入先・外注先の3つを指しています。取引先の店名など、できるだけ具体的に記入することで、信用性が上がります。
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5必要な資金と調達の方法
記入欄の左側には「資金を事業の何に使うのか」(資金の支出予定)、右側には「必要な資金をどうやって集めるか」(資金の調達方法)を記入します。この際、左右の合計金額が必ず一致するようにしてください。
開業するための資金は
どれくらい必要?
開業時の必要資金は、
以下のように考えます。
- 運転資金は、一般的に3ヶ月分用意するのが望ましいです。
- 今後の事業の成長のため投資分まで用意できると理想的です。
そもそも
自分はいくらまで
調達できるのか?
開業資金のうち、自己資金で足りない分は創業融資で調達することになります。
- 創業融資を借りるには、開業資金の概ね1/3以上の自己資金が必要です。
- つまり、創業融資で借り入れできるのは、自己資金の最大2倍程度まで。
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6事業の見通し(月平均)
「事業の見通し」欄は、通常の財務諸表でいうところの損益計算書に該当します。融資審査の際には、納得のいく根拠に基づいた算出となっているかにより、融資の成功が大きく左右されます。
売上予測の
計算方法を考える
建設業の場合、おおよそ以下の数値が
一般的に用いられています
建設業の場合
- 案件の平均単価
- 過去に請負った案件の単価や自社と似た形態の工事を行っている会社の請負単価をリサーチしてみましょう
- 平均案件数
- 長期間に及ぶ工事の場合は、平均単価を月単位にして計上します
開業準備は必要なタイミングで
検討・行動することが重要です
先輩経営者の
開業体験談をみる
建設業
株式会社橋本工務店
代表取締役 橋本 和博様
A.
大変だったと思ったことはないですね。問題を解決していけばいいだけのことで、純粋にさまざまな物事を吸収できることを楽しんでいます。創業してから働…
先輩経営者の開業体験談
建設業
株式会社橋本工務店
代表取締役 橋本 和博様
今回インタビューするのは、株式会社橋本工務店 代表取締役の橋本 和博さんです。橋本さんは2022年5月に東京都北区滝野川で創業しました。お父様が建設業を営んでおり、今回地盤を引き継ぎ創業しました。地域住民の方々に快適な住環境を提供するために住宅リフォームを展開しています。コロナ禍での独立でしたが持ち前の前向きな姿勢を武器に順調に同業できています。そんな橋本さんに建設業での創業についてお話を伺いました。
コロナ禍での開業でしたが、創業に至るキッカケや動機を教えてください。
私は大学を卒業後、ハウスメーカーで注文住宅の販売を3年、分譲住宅の販売と用地の仕入れに2年携わり、その後水まわり住設メーカーに転職し14年リフォーム業や工務店への営業に携わりました。全国でも15位に入る営業成績を残しており、会社からも将来が期待されておりましたが、父親が年を取ってきたこともあり、家業を引き継がなければという責任感が生まれました。得意先のリフォーム会社の社長に相談したところ「あなたは自分でやるべきだ」と背中を押してもらい自信を持てたこともあり、リフォーム業として創業を決意しました。
そこから開業にいたるまではどのようなスケジュールでしたか?
まずは建設業許可要件である専任技術者としての要件を満たすため、建築士の免許取得を目指しました。創業を決意したときに妻に相談したところ、妻も背中を押してくれたため、翌日には資格の受験予備校の検討を始め、翌週には通い始めました。資格取得には2年かかりましたが、何とか取得することができました。
建築士が取得できた翌日には会社に退職の意向を伝えました。会社からは強く残留を求められましたが、決意は固く自ら選んだ道を選択しました。
建築士を取得してから開業準備を進め、2か月後には会社を作り、許認可の申請を4か月後には取得、融資も獲得しました。建設業許可の必要ない小口の工事を中心に営業を進めていました。紹介もあり順調な滑り出しが出来ました。
開業する中で一番大変だったことを教えてください。
大変だったと思ったことはないですね。問題を解決していけばいいだけのことで、純粋にさまざまな物事を吸収できることを楽しんでいます。創業してから働いているという感覚ではなく、生活の一部になっていますね。強いてあげれば今回は父親の建設業許可を引き継ぐ事業承継だったため、単純な建設業許可と比べ手続きが煩雑だったことでしょうか。加えて会社設立登記や税務や社会保険、銀行口座開設手続きなど、許可以外にもやることがさまざまで、また各手続きが複雑に絡まっているため、自分でやらない方がいいと判断しました。
どのようにして乗り越えていったのですか?
創業専門の税理士や司法書士、社会保険労務士、行政書士、中小企業診断士といった専門家に相談し、手続き内容やスケジュールを管理してもらいました。単発で手続きをやってくれる専門家はいくらでもいますが、建設業の現場監督のように、他の専門家の領域も把握し、全体を調整できる司令塔役はそうはいません。総合力のある専門家事務所に依頼できたことでスムーズに進められました。
これからあらたに開業する人に気をつけてもらいたいことはありますか?
私は今回多くの手続きを専門家に依頼しました。やはり餅屋は餅屋で、自分の専門ではないことはその道のプロに任せた方が安心ですね。変に節約してこれだけ複雑な手続きを自らやっていたら、手戻りが絶えずいつになったら創業できていたかわかりませんでした。時間は限られています。自らは本業に注力し、専門外のことは専門家にアウトソーシングしたほうが、成功への早道かと思います。