業務改善を進めるにあたって「うまく進まない」「解決策が浮かばない」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。日々の作業と並行して、業務改善をするのは大変ですよね。
行き詰っているときは、フレームワークや便利なツールを使用することで解決できる場合があります。そこで今回の記事では、おすすめのフレームワーク5つについて解説します。より効率的に業務改善できるツールも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次:
業務改善とは、日常のムダな作業を省き効率的な仕事環境をつくることです。問題点を見つけて分析し、解決していくことで売上の向上やコスト削減などに繋げます。
そして業務改善の方法の1つとして、注目されているのがフレームワークです。フレームワークは「枠組み」という意味があり、課題の把握と分析を後押ししてくれるツールです。課題に合うフレーム(型)を選択し、論理的思考で問題解決しやすくなります。
フレームワークを利用すると、課題を可視化できるため問題点を洗い出せる効果があります。業務改善の際に「課題が定まらない」といったときにもおすすめの方法です。
フレームワークの種類は様々なので「何を選べばいいか分からない」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。効率的に改善していくためにも、フレームワーク選びは重要です。
そこで本章では、代表的なフレームワークを5つ紹介します。
これからフレームワークを利用して業務効率化を図る企業は、ぜひ参考にしてみてください。
BPMNとは、目的達成のために業務の一連の流れを図式化する方法です。開始から終了までの複雑な工程を可視化し「各部門がどんな業務をしているのか」を瞬間的に判断できます。
BPMNで図式化する際は、定型形の記号を利用するのが一般的です。例えば、以下の意味を持つ記号を使用します。
上記のように、基礎的な記号や線にはある程度の決まりがあるのが特徴です。BPMNを利用することでムダな作業が一目でわかり、改善すべきポイントや全体の流れが把握しやすくなります。
図式は簡単に理解できるので、業務を引き継ぐ際や情報共有にも有効です。しかし図式化するだけで満足して改善までいかないケースもあるので、取り組む前にしっかりと目的を決めましょう。
ECRSは、業務改善で取り組む「順番」と「視点」を表すフレームワークです。それぞれの頭文字の意味は、以下のとおりです。
ECRSの順番で作業することで業務がスリム化して、効率よく作業できるようになります。例えばEの「排除」を活用した場合、必要のないルールや業務をなくすことで残業の削減も期待できるでしょう。
またCの「結合」は、バラバラになっている似たような作業をまとめることで、作業時間やコストの削減ができます。必要な作業に時間を費やせるようになり、生産性の向上にも繋がります。
QCDには、Q(品質)C(コスト)D(納期)の意味があります。「Q」の品質は、商品やサービスが顧客の要求に合っているかが重要です。品質が悪いと顧客満足度の低下に繋がります。
「C」のコストは、利益に直結するので業務改善では見直すべき項目です。質の高い製品やサービスを満足いく価格で提供するのは大事ですが、コストが高すぎると利益が出ないので改善する必要があります。
「D」の納期は、信頼性を高めるために重要です。納期に間に合わないと、相手から信用されなくなってしまうので「注文が取れない」などのトラブルが発生する可能性があります。
このように業務改善では、QCDすべての要素をバランス良く見直すことで、最適なパフォーマンスの実現ができます。組織全体でQCDの概念を共有し、効果的に成果に繫げていきましょう。
ロジックツリーは1つのキーワードに対して「Why?」を繰り返し、原因を掘り下げるフレームワークです。課題の原因や、解決法を見つけるために役立ちます。
例えば「売上の低下」という課題に対して解決策を探る場合、考えられる理由をツリーのようにぶら下げていきます。考えられる理由はいくつ挙げても問題ないですが、抽象的なものは避けて具体的なものを選ぶことが理想です。
上から下に行くにつれて、より具体的に移っていければ課題に対する原因が特定できます。業務改善における解決策が見つからないときは、短い時間で理由が特定できる「ロジックツリー」を作成してみてはいかがでしょうか。
KPTは、K(続けるべき良かったこと)、P(悪かったこと)、T(次に挑戦すること)という意味があります。業務の振り返りをして、次のアクションを決めるときに役立つフレームワークです。
非常にシンプルな手法ですが、スピーディーに現状分析ができるだけでなく、業務改善における課題も明確になります。またKPTは「良かったこと」のポジティブな面の振り返りもするので、メンバー内のモチベーション向上にも繋がります。
基本的にはミーティング形式で議論していく方法なので、自然とコミュニケーションが生まれるのもメリットです。KPTを定期的に行い情報共有することで、次の行動に移りやすくなります。
業務改善を効率的に行う方法として、フレームワークは有効です。しかし「具体的にどんなメリットがあるの?」と感じるのではないでしょうか。そこで本章では、業務改善でフレームワークを利用するメリットについて紹介します。
ぜひ、これからの業務改善に役立ててみてください。
業務改善を進めるためには、問題の原因を明確にする必要があります。例えば「コストを削減したい」といった要求を出すだけでは、詳細が分からないため対策を考えられません。
コストに関する問題は「消耗品を無駄遣いしている」「出張費や移動費が多い」など様々です。問題に対して「なぜ?」を追求し、詳細を知ることで具体的な対策が打てるようになります。
フレームワークは効率良く、問題の原因を突き止めることができます。問題解決の糸口を見つけるために、ぜひ活用してみてください。
フレームワークを利用すると、問題の全体像が可視化され情報共有しやすくなります。同じフレームワークを使用して整理することで、業務改善に欠かせない以下の共有が容易になります。
また言葉だけでは伝わりにくい場合にも、フレームワークは有効です。全体像を一目で認識できるようになるので、同じ意識でブレなく対策を考えられます。
社内だけでなく社外とプロジェクトを実行する際にも、認識のすり合わせがしやすいので効果的です。言葉で説明すると難しい話でも、図式化を使用すればすんなり頭に入るので、効率よく作業を進められます。
フレークワークの利用によって、結論を出すまでの思考時間を短縮できます。時間が限られているビジネスにおいては、より効率的に結果を出していくことが重要です。
そのため、業務改善に関しても効率よく作業を進めていかなければいけません。業務改善を進めていくには、以下を考える必要があります。
フレームワークを利用すれば「次に何をすればいいか」が決まっているので、試行錯誤する時間を短縮できます。普段から「ミーティングに時間が掛かる」などの問題がある場合は、フレームワークを利用してみてはいかがでしょうか。
業務改善を進めていくにあたって、ツールの導入を検討している企業は多いでしょう。業務効率化ができるツールは種類が豊富なので、選ぶのに時間が掛かってしまいます。
そこで本章では、業務改善におすすめのツール3選を紹介します。
自社で導入するツール選びの参考にしてみてください。
チャットツールとは、オンライン上で簡単にやり取りできるツールです。手軽にコミュニケーションが取れるので、業務改善における情報共有がしやすくなります。
代表的なチャットツールは、以下のとおりです。
メールや電話に比べて迅速に情報交換ができるため、ムダ無く作業を進められます。チャット機能だけでなく、ツールによってはタスク管理機能が実装されています。
タスク機能は、業務改善に置いて「誰が」「いつまでに」「何をやるのか」が分かるので、進捗状況を把握するのに便利です。グループ機能を利用すれば、複数名との共有も容易です。
RPAは反復性の高い定型作業や、簡単な作業を自動化するツールです。ルーティン化している単純業務を、人間の代わりに代行します。
RPAができることの一例は、以下のとおりです。
RPAは、専門知識が無くても簡単に導入しやすいことから、多くの企業で取り入れられています。日々の作業時間が削減できるので、従業員の負担軽減にも繋がります。
業務改善においてRPAを導入する場合は「利用しやすさ」が重要です。せっかくRPAを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。
NTT東日本提供の「おまかせRPA」は直感的に操作ができるので、ぜひ詳細をチェックしてみてください。
電子化ツールとは、紙ベースの業務をペーパーレス化できるツールです。電子化は、手続きに掛かる時間を短縮させるだけでなく、コスト削減を可能にします。
紙の書類を用いた際には、以下のコストが発生します。
これらのコスト削減に加えて、紙を大量に使用しなくなるので保管場所にも困りません。また現代ではテレワーク需要が高まり、多くの企業でペーパーレス化が進められています。
例えば、ハンコの承認フローを電子化すれば、テレワークでの業務も容易です。NTT東日本提供の「クラウドサイン for おまかせ はたラクサポート」は、簡単な操作で電子契約に移行できるので、ぜひ参考にしてみてください。
「クラウドサイン for おまかせ はたラクサポート」の詳細はこちら
NTT東日本提供の「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」は、紙ベースの業務をペーパーレス化して作業効率を上げるクラウド型会計サービスです。例えば、請求書やレポートなどの電子化ができるので、会計に必要な作業時間を短縮できます。
また時間が掛かりやすい決算に関する業務を電子化し、残業させない環境つくりを目指します。従業員の負担が減ることから、離職率の低下にも繋がります。
「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」は、業務改善を「効率的に進めたい」と感じている企業におすすめです。NTT東日本が提供する他のサービスとの連携もできるので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」の詳細はこちら
フレームワークは、効率よく業務改善を進めるのにおすすめの方法です。問題の状況把握と分析をアシストし、課題解決まで導きます。フレームワークを利用するメリットは、以下のとおりです。
一般的なフレームワークには、BPMN、ECRS、KPT、QCD、ロジックツリーなどがあります。しかし、全てのフレームワークを取り入れるのは大変なことです。
業務改善を行う際に効果的な「チャットツール」や「RPA」などの便利なツールもあるので、自社に合う方法を見極めて実行しましょう。
NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄
NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。
2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。
2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。