| Writer:NTT東日本 北森 雅雄(Masao Kitamori)

ペーパーレス化に必要なツール・システム6選!選び方や効果的な進め方を解説

ペーパーレス化に必要なツール・システム6選!選び方や効果的な進め方を解説



近年では、働き方改革やコロナ禍をきっかけにして、ペーパーレス化を導入する企業が増えてきました。これからペーパーレス化を進める企業の方のなかには、具体的にどのようなツールやシステムを導入すれば良いのか分からない方もいるのではないでしょうか。

ペーパーレス化をするうえで、システムやツールの導入は重要なポイントです。システムやツールは多くの企業からリリースされているので、そのなかから自社に合うものを選びましょう。

そこで今回の記事では、ペーパーレス化に必要なツール・システムの選び方や種類などを解説します。これからペーパーレス化を導入しようと考えている企業の方は、参考にしてみてください。

1.ペーパーレス化とは

ペーパーレス化に必要なツール・システム6選!選び方や効果的な進め方を解説

ペーパーレス化とは、紙の書類をデータ化して保存や管理、活用することです。近年は電子帳簿保存法やe-文書法の施行により書類のデータ保存が認められるようになったため、以前と比べるとペーパーレス化を進めやすくなりました。

また、政府も育児や介護との両立などそれぞれの事情に合わせて働き方を選べる「働き方改革」を進めています。ペーパーレス化を導入すれば、テレワークなどの柔軟な働き方を取り入れやすくなるでしょう。

大きな括りで言えば、電子チケットや電子書籍、電子クーポンもペーパーレス化のひとつです。ペーパーレス化は紙の消費を減らし環境保全にもつながることから、さまざまな企業やコンテンツで導入されています。

2.ペーパーレス化に必要なツールの選び

ペーパーレス化に必要なツール・システム6選!選び方や効果的な進め方を解説

ペーパーレス化を導入するときには、ツールの導入が必要です。多種多様なツールがリリースされているので、自社に合うものを選びましょう。そこで、この章ではペーパーレス化を推進するツールの選び方を解説します。

1費用対効果

ツールを導入するときには、それなりの費用がかかります。費用に対してどの程度の効果が期待できるのか、導入する前に確認しておくことをおすすめします。

また、自社の課題を洗い出し、どの機能が必要かも検討しましょう。機能が多いとその分費用が高くなるので、何が必要かピックアップしておくことが大切です。自社に必要な機能が搭載されたツールを選ぶようにしましょう。

また、機能だけではなく、容量によっても費用が変わってきます。業務上必要な容量はどのくらいかも、事前に確認しておきましょう。

2操作の簡単さ

従業員のなかには、パソコンやタブレット端末の扱いに慣れていない人もいます。ITリテラシーが低い従業員でも、簡単に操作できるようなツールを選ぶと良いでしょう。紙での作業に慣れている従業員でも、直感的に操作できるようなツールがおすすめです。

操作が難しいと導入してもなかなか社内に浸透しにくくなってしまうので、できるだけ簡単なツールを選びましょう。

3導入前のトライアル

ツールによっては、無料プランが用意されていたりトライアルを利用できたりします。実際に導入する前に、実際の使用感を確認してみてください。

また、導入前に自社に本当に合っているか確認できるので、ツールのミスマッチを防げるでしょう。

3.ペーパーレス化に必要なツール・システム6選

ペーパーレス化に必要なツール・システム6選!選び方や効果的な進め方を解説

この章では、ペーパーレス化にはどのようなツールやシステムが必要なのか、具体的に紹介します。ペーパーレス化を進めるときには、今回紹介するツールやシステムの導入を検討してみましょう。

1Web会議ツール

Web会議ツールは、ネット環境さえあればパソコンやスマホ、タブレット端末などを使って会議に参加できるツールです。Web会議ツールを導入すればどこにいても会議に参加できるようになるので、テレワークなどの働き方改革も進めやすくなります。

Web会議ツールには、資料を共有したり会議を録画したりする機能があります。近年では会議の資料をペーパーレス化する企業も増えてきているので、他のツールと連携させることで完全ペーパーレスでの会議も可能です。

2ビジネスチャットツール

ビジネスチャットツールは、タスク管理やファイルの共有など、仕事で役立つ機能が備わったチャットです。

テキストだけのやり取りだけではなく、ビデオ通話の機能が搭載されたチャットツールもあります。

ビジネスチャットツールを利用すれば、1対1やチーム・部署単位で簡単にやり取りできるようになります。メールでは送れない容量の大きいデータも、ビジネスチャットツールでは送信できて便利です。

3勤怠管理ツール

勤怠管理ツールは、職場から離れた場所でも従業員の就労時刻や休日などを管理できるツールです。オンライン上で出退勤を報告できるので、テレワークの推進にもつながります。

また、勤務時間が法律で定められている基準を超えないように、管理をしてくれる機能も搭載されています。

勤怠管理ツールと給与計算システムを連携させると簡単に給与が計算できるようになるので、経理担当者の業務負担も減らすことが可能です。

4ナレッジ共有ツール

ナレッジ共有ツールは、取引先の情報や過去の実績、業務の進捗など社内の情報を確認できるツールです。業務上で取得した情報やノウハウを、簡単に社内で情報共有することが可能です。

また、ナレッジ共有ツールを使用すれば、従業員ごとの進捗率が確認できるので、直接顔を合わせなくてもオンライン上で進捗確認ができます。

5電子契約システム

電子契約システムは、紙でやり取りしなくてもオンライン上だけで契約が結べるサービスです。システム上で署名や押印ができるので、紙のやり取りが省略でき印刷や郵送などの手間やコストも削減できます。

また、ハンコの押印や郵送などが不要になるので、わざわざ出社する必要もなくなります。担当する従業員がどこにいても決済・承認できるようになるので、テレワークも進めやすくなるでしょう。

6オンラインストレージ

オンラインストレージとは、オンライン上でデータの保存や共有、編集などを行うツールです。オンラインストレージを使用すれば、書類や名刺などの電子データにどこからでもアクセスできるようになります。

さらに一括管理できるので、資料の検索も簡単にできます。

また、オンラインストレージでは、アクセス権限の設定も可能です。データにアクセスできる従業員を限定できるため、セキュリティの強化にもつながります。加えて、バックアップも自動で保存してくれるので、万が一何かあったときでも安心です。

4.ペーパーレス化のメリット5つ

ペーパーレス化に必要なツール・システム6選!選び方や効果的な進め方を解説

ペーパーレス化には、業務の効率化や柔軟な働き方に対応しやすいなどのメリットがあります。

具体的にペーパーレス化にはどのようなメリットがあるのか、詳しく解説します。

1業務を効率化できる

紙で資料を作成した場合、社内で共有するためには印刷やホッチキスとめ、配布などの手間と時間が必要です。ペーパーレス化を導入すると資料の共有が簡単にできるようになるので、手間や時間を大幅に削減できます。

作業負担が減らせれば、他の業務に時間を割けるようになり、業務の効率化や生産性の向上につながるでしょう。

2テレワーク等の柔軟な働き方に対応しやすい

ペーパーレス化を導入すると、テレワークやフリーアドレス制などの柔軟な働き方を進めやすくなります。資料や書類をオンライン上で確認できるようになれば、どこにいても会議への参加やデータへのアクセスが可能です。

さらに、ペーパーレス化の導入によって柔軟な働き方が実現すれば、ワークライフバランスの向上も期待できるでしょう。

3コスト削減になる

ペーパーレス化の導入によって、紙の資料や書類に必要だったコピー代や用紙代、廃棄にかかる費用、郵送代などのコスト削減が可能です。また、ファイリングの費用や保管スペースの賃料など紙資料の保存に必要だったコストも減らせます。

さらに、ペーパーレス化によってテレワークが可能になれば、従業員の交通費や光熱費などのコストカットも期待できるでしょう。

4災害時でも事業を継続できる(BCP対策)

書類をデータとして保存しておけば、万が一地震や水害などの災害が起きてもバックアップを復元することで事業の継続が可能です。紙で保存していると、災害時に失くしたり破損したりするリスクがあります。

日本は災害が多く、BCP対策が重要です。BCPとは、自然災害やウイルスの流行などの緊急事態が起こった場合でも、事業が継続できるように手段を決めておくことです。ペーパーレス化はBCP対策のひとつとしても期待できます。

5紛失や情報漏えいなどのセキュリティ対策になる

紙で資料を作成すると、置き忘れたり不用意に放置したりした場合に、多数の人に見られて情報漏えいしてしまうリスクがあります。また、紙を失くしたり破損したりする可能性もあるでしょう。

ペーパーレス化を導入して資料をデータとして保存すると、紙のような情報漏えいのリスクを抑えることが可能です。アクセス権限やパスワードの設定によって閲覧者を制限できるので、セキュリティ面でも安心できます。

5.ペーパーレス化のデメリット3つ

ペーパーレス化に必要なツール・システム6選!選び方や効果的な進め方を解説

ペーパーレス化には、導入の前後に注意すべきデメリットもあります。ペーパーレス化を導入するときには、デメリットに関しても理解したうえで検討しましょう。

1従業員のITリテラシーによっては導入・浸透に時間がかかる

従業員のなかには、ツールやシステムの操作に慣れていない人もいます。従業員のITリテラシーが低かったり、理解が得られていなかったりすると、ペーパーレス化を導入しても浸透しにくくなるかもしれません。

ペーパーレス化を導入するときには、ツールやシステムの操作に慣れていない方でもスムーズに扱えるように、業務フローやマニュアルを整備する必要があります。また、必要に応じて研修を実施し、ITリテラシーの低い従業員をサポートできる体制を作ることも大切です。

2ツールやデバイスの導入コストがかかる

ペーパーレス化は長期的な目で見ればコスト削減の効果が期待できますが、導入時にはツールやシステム、デバイスを揃えるために初期費用が必要です。また、業務フローを整備したり紙の資料をスキャンしてデータ化したりと、手間もかかります。

ペーパーレス化のメリットは理解しているものの、導入時のコストや手間が大きなハードルとなっている企業も多くあります。どれくらいの費用対効果が得られるかを事前に確認しておきましょう。

3システム障害や回線速度の影響を受ける

ペーパーレス化はオンライン上でデータを保管するので、システム障害やネット回線が乱れたときに資料へのアクセスが難しくなります。また、もしテレビ会議時にネット回線に障害が起こったら、資料を共有できないだけではなく音声や映像が途切れる可能性もあります。

万が一ネット回線に障害が起こってもデータにアクセスできるように、オフラインでも閲覧可能な場所にバックアップを取っておきましょう。

6.ペーパーレス化の効果的な進め方

ペーパーレス化に必要なツール・システム6選!選び方や効果的な進め方を解説

ペーパーレス化を導入するとき、うまく進めないと社内でなかなか浸透していきません。ペーパーレス化の効果的な進め方について解説するので、これから導入する企業の方はぜひ参考にしてみてください。

1社内全体に必要性を理解してもらう

ペーパーレス化は、社内の理解が得られていないと導入してもうまく浸透しない可能性が高いです。まずはペーパーレス化を導入する前に、経営者層にはコスト削減や生産性が向上することを、従業員には業務負担の軽減などのメリットがあることを理解してもらいましょう。

具体的なメリットや必要性を社内全体に理解してもらい不安や不満を解消することが、ペーパーレス化導入への第一歩です。

2自社に合ったツールを選ぶ

ペーパーレス化には、システムやツールの導入が必要です。さまざまな会社からペーパーレス化に役立つシステムやツールがリリースされているので、そのなかから自社に合うものを選びましょう。

機能が多いとその分コストが高くなったり使い勝手が悪くなったりしてしまうので、まずは自社に必要な機能が何か検討することをおすすめします。導入前に無料体験やトライアルができるツールもあるので、ぜひ使用感を試してみてください。

3段階的に導入する

ペーパーレス化は、社内全体で一度に導入するとうまくいかない可能性が高いです。まずは、ペーパーレス化の優先度が高い資料や書類から段階的に進めていきましょう。電子化しやすい、または使用頻度が高い書類から進めていくのがおすすめです。

または、ツールに慣れている従業員や一部の部署など少人数から導入し、慣れてきてから徐々に広めていくとうまくいきやすいです。

7.ツールを活用してペーパーレス化を進めよう

ペーパーレス化に必要なツール・システム6選!選び方や効果的な進め方を解説

近年では、働き方改革やコロナ禍をきっかけにペーパーレス化を導入する企業が増えています。ペーパーレス化を進めるには、ツールやシステムの導入が必要です。

ペーパーレス化に必要なシステムやツールは、Web会議ツールやナレッジ共有ツール、オンラインストレージなどです。さまざまな企業からツールやシステムがリリースされていて多種多様なので、自社に合うものを選びましょう。

たとえば、「おまかせ はたラクサポート」「コワークストレージ」、手書き書類をCSVに変換できる「AIよみと〜る」といったツールをセットで導入することがおすすめです。NTT東日本では、システムやツールの使い方やサポートをセットで提供しています。また、無料で体験できる「DX無料体験プログラム」やペーパーレス推進ガイドを用意しているので、興味のある方は、ぜひ以下のバナーから詳細をご覧ください。

この記事を書いた人

NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄

NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。

2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。

2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。

北森雅雄 masao kitamori