| Writer:NTT東日本 北森 雅雄(Masao Kitamori)

ペーパーレス会議を導入して業務効率化!メリット・デメリットやシステムの選び方を解説

ペーパーレス会議を導入して業務効率化!メリット・デメリットやシステムの選び方を解説



社内で会議をする際、書類の準備や共有に手間と時間がかかります。そこで、少しでも会議に関わる業務を効率化できないかと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

近年、コロナ禍をきっかけにペーパーレス化を導入する企業が増えてきています。会議もペーパーレス化することで、準備の効率化だけでなくコスト削減といったメリットも期待できるでしょう。

そこで今回の記事では、ペーパーレス会議の概要やメリット・デメリット、成功のコツなどについて詳しく解説します。ペーパーレス会議システムを選ぶ際の比較ポイントも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

1.ペーパーレス会議とは書類をデジタル化して行う会議

ペーパーレス会議を導入して業務効率化!メリット・デメリットやシステムの選び方を解説

ペーパーレス会議は、紙で作成・配付していた資料や書類をすべて電子化し、パソコンやタブレット端末などのツールを使って共有しながら行う会議です。大型ディスプレイやプロジェクターを使ったり、テレビ会議の形式で電子化した資料を共有しながら行ったりすることもあります。

コロナ禍や働き方改革をきっかけとして、リモートワークをはじめとした柔軟な働き方をする企業が増えてきました。リモートワークの導入が急務となったため、ペーパーレス化の需要や必要性が高まっています。

2.ペーパーレス会議を行う6つのメリット

ペーパーレス会議を導入して業務効率化!メリット・デメリットやシステムの選び方を解説

ペーパーレス会議には、資料を準備する手間やコストが省ける、リモートでも会議に参加できるなどのメリットがあります。紙の資料を使用するオフラインの会議と比べてどのようなメリットがあるのか、詳しくみていきましょう。

1資料を準備する手間を削減できる

会議の資料を紙で配布する場合、人数分を印刷してホッチキスで留め、さらに一人ずつ配る手間と時間がかかります。しかし、資料をペーパーレス化することで、準備にかかる手間や時間の削減が可能です。

さらに、会議後に余った資料を片付けたり廃棄したりする手間もかかりません。準備だけではなく、片付けにかかる労力の削減にもつながります。ペーパーレス化することで会議の準備や片付けの手間・時間を削減でき、他の業務に時間を充てられます。

2紙代や印刷代などのコスト削減になる

資料をすべてペーパーレス化することで、用紙代や印刷代、廃棄にかかる費用などのコストが削減できます。特に会議が多い企業の場合、大幅なコスト削減が期待できるでしょう。

また、書類が紙として配布された場合、ファイリングにかかる費用やスペースの維持費も必要です。ペーパーレス会議は、資料保管にかかるコストの削減にもつながります。

3資料の共有・修正・差し替えが容易になる

ペーパーレス会議では、オンライン上で資料を参加者に送付するだけで完結できます。万が一、資料の変更が発生した場合、たとえ会議直前でも上書きすることで修正・差し替えが可能です。

もし紙で資料を準備していた場合は、資料の変更が発生しても修正や再配布が難しいでしょう。ペーパーレス会議は紙で配布せずオンライン上で資料を共有するだけなので、臨機応変に対応できるメリットがあります。

4情報漏えいの防止できる

ペーパーレス会議では、資料がデータで管理されるため、紛失や情報漏えいのリスクを低減できます。紙で資料を管理した場合、参加者の置き忘れや管理不足によって情報が外部に漏れてしまう可能性があるでしょう。

データとして管理すれば、パスワードを設定したり閲覧期間を設定したりなど、セキュリティ面の強化ができるので安心です。

5遠隔地でも会議できる

資料をすべてデータで共有した場合、ネット環境とパソコン・タブレット端末などのツールさえあれば、どこからでも会議に参加できるようになります。ペーパーレス会議に加えてWeb会議ができるようになると、リモートワークの導入も進めやすくなるでしょう。

ペーパーレス会議とWeb会議が両方できれば業務の効率化、さらにはリモートワーク導入によってワークライフバランスの向上も期待できます。また、会議のために集まる必要がないので、交通費の節約にもつながるでしょう。

6資料が管理・検索しやすい

資料を紙で保管した場合、確認したい書類があっても膨大な量のなかから探す必要があり、見つけるのに手間と時間がかかります。また、資料を探すのに出社しなくてはいけません。

しかしデータとして保管していれば、検索項目を設定することで簡単に資料を見つけられます。また、社内に資料の保管スペースを確保する必要もなくなり、資料を探すための出社義務もなくなるでしょう。

3.ペーパーレス会議を行う5つのデメリット

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ペーパーレス会議には、導入時や導入後に注意すべきデメリットもあります。この章では、5つのデメリットについて解説するので、それぞれ理解したうえでペーパーレス会議を導入しましょう。

1導入・浸透に時間がかかる

従業員によっては、パソコンやタブレット端末などの操作に慣れておらず、使いこなせない可能性があります。そもそもペーパーレス化を導入することに難色を示す従業員もいるかもしれません。そのため、ペーパーレス化を導入する前には従業員のITリテラシーを確認し、必要に応じて研修やセミナーを実施しましょう。

また、ペーパーレス化を導入するときには、業務フローの整備や必要に応じて新たなシステムの準備が必要です。運用開始までに時間がかかってしまうので、導入を検討する場合は早めに準備を始めることをおすすめします。

2ツールやデバイスの導入コストがかかる

ペーパーレス会議を実施する場合、自社専用サーバーの設置やクラウドソフトの購入が必要です。自社専用のサーバーやクラウドソフトはそれなりの金額になるので、導入時には大きなコストがかかります。

また、デジタル端末の購入にかかる費用やシステム運用費など、対面で会議を行っていたときにはかからなかったコストが必要です。長い目で見ればコスト削減にはなるものの、導入時にまとまった費用が必要になるため、費用対効果を確認しましょう。

3資料の視認性が悪くなる

ペーパーレス会議では、資料がデータ化されているので、パソコンやタブレット端末などのディスプレイで確認することになります。そのため、画面のサイズで資料や文字の大きさが変わってきてしまい、人によっては読みにくくなってしまうでしょう。

また、紙のように複数の資料を横に並べて確認できず、視認性や一覧性が悪くなってしまいます。

4紙の資料のようにメモが取れない

会議中に資料へ直接メモを書くことがありますが、ペーパーレス会議だと紙のようにスムーズに書き込めません。ペーパーレス会議でもメモ機能を使用すれば資料に書き込めますが、専用ソフトやタッチペンなどの用意が必要です。

メモを取るときに紙の資料のような利便性がないため、不便に感じる方もいるでしょう。もし利便性を上げたいのであれば、メモ機能が充実したペーパーレス会議システムを使用することをおすすめします。

5システム障害や回線速度の影響を受ける

ペーパーレス会議は、システム障害が発生したり回線が乱れたりした場合、会議の実施が困難になる可能性があります。そのため、会議の継続が難しくなったときの対応を検討しておく必要があるでしょう。

また、インターネットを使用するため、回線速度が遅い場合は映像や音声に乱れが生じたり、資料を共有するときに不具合が生じたりすることがあります。普段使用するインターネット回線のスペックなどを確認しておきましょう。

4.ペーパーレス会議を成功させる3つのコツ

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続いては、ペーパーレス会議を成功させるコツを紹介します。ペーパーレス会議を導入しても、その後社内で浸透しなければ意味がありません。ペーパーレス会議を有効活用するためにも、導入前にコツをつかんでおきましょう。

1社内全体に必要性を理解してもらう

ペーパーレス会議を上手く進めるためには、まずは社内全体に必要性を理解してもらうことが大切です。従業員のなかには、ペーパーレス会議のことをよく理解していない、導入によってどのようなメリットがあるのか分からない方もいるでしょう。

そのような状況でペーパーレス会議を強制的に進めても、なかなか浸透しません。まずは従業員向けのセミナーや全体共有を行い、コストや業務負担が削減されるなどのメリットを説明するのがおすすめです。

2自社に合ったツールを選ぶ

ペーパーレス会議を実施するには、ツールやシステムの導入が必要です。ツールやシステムは多くの会社から提供されており、種類もたくさんあるので、自社に必要な機能を備えたものを選んで導入しましょう。

また、無料体験やトライアルが用意されているツール・システムもあるので、導入前に試して使用感を確認してみてください。

3段階的に導入する

ペーパーレス会議を導入するときには、一度にすべてを紙から電子データへ切り替えるのではなく、段階的に進めていきましょう。まずはパソコンやタブレット端末などのツールに慣れている従業員だけを対象にペーパーレス会議を実施してみましょう。慣れてきたら、従業員全員に範囲を広げていくのがおすすめです。

セミナーや講習会を実施したり業務フローを整備したりして、従業員全体のITリテラシーを高めることで、ペーパーレス会議を上手く導入できます。

5.ペーパーレス会議システムとは

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ペーパーレス会議システムとは、会議に必要な機能を備えた専用のシステムです。ペーパーレス会議システムの導入により、紙の資料をデータ化して円滑に会議を進めることが可能です。

ペーパーレス会議システムは多種多様で、たくさんの機能があります。以下では、主な機能を紹介します。

  • ・会議参加機能……参加者の管理をする機能
  • ・資料の配布(共有)……画面で資料を共有する機能
  • ・資料の閲覧・操作権限の設定……参加者が見たい資料を閲覧できたり、進行者が操作権限を設定できたりする機能
  • ・資料の並列表示……ディスプレイ上で資料を並列に表示する機能
  • ・メモ機能……資料にメモをする機能。全体に共有するメモだけではなく、個人用としても残せる
  • ・過去資料の保管……過去の会議で使用した資料の保管ができる機能

6.ペーパーレス会議システムを選ぶ際の比較ポイント

ペーパーレス会議を導入して業務効率化!メリット・デメリットやシステムの選び方を解説

さまざまな会社からペーパーレス会議システムが提供されているので、自社のニーズに合ったものを選ぶ必要があります。この章では、ペーパーレス会議システムを選ぶ際の比較ポイントを解説します。システムの導入を検討するときの参考にしてみてください。

1拡張性

ペーパーレス会議システムを選ぶときには、導入時だけではなく、その後のことも考えて選定する必要があります。導入時の利用規模が小さいと、拡大したいタイミングでシステムの乗り換えが必要になる可能性があります。

システム導入後を考慮し、プランを変更したり設定を変えたりするだけで、利用規模が拡大できるシステムを選びましょう。また、他のツールと連携ができるシステムであれば、さらに利便性が向上します。

2Web会議システムとの連携

ペーパーレス会議システムはデータ化した資料を共有するだけで、音声や映像は共有できないものもあります。そのため、Web会議を行うときには、Web会議システムと連携しなければなりません。

もしWeb会議を実施する可能性があるならば、Web会議システムと連携可能なペーパーレス会議システムを選びましょう。または、Web会議機能が搭載されたペーパーレス会議システムを選ぶ必要があります。

3セキュリティ体制

ペーパーレス会議システムを選ぶときには、セキュリティ対策の充実度も大切なポイントです。認証システムやログの監視機能、資料へのアクセス権限の設定など、セキュリティ対策に関する機能が搭載されているシステムを選びましょう。

ペーパーレス化によって、紙資料の盗難や紛失といった情報漏えいのリスクが抑えられます。しかし、ペーパーレス会議システム導入にあたって、システムへの不正アクセスや不当な削除・編集・コピーなどへの対策も必要です。

7.ペーパーレス会議を導入して業務を効率化しよう

ペーパーレス会議を導入して業務効率化!メリット・デメリットやシステムの選び方を解説

ペーパーレス会議とは、資料をデータ化し、パソコンやタブレット端末などのツールを使って共有しながら行う会議です。データ化によって、紙の資料にかかるコストや手間、保管スペースの削減やリモートワークが進めやすくなるなどのメリットがあります。

また、ペーパーレス会議を行うときには、専用のシステムが必要です。システムを選ぶときには、プランや設定を変更することで利用規模が拡大できるかどうかや、Web会議システムと連携可能かなどを重視しましょう。

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この記事を書いた人

NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄

NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。

2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。

2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。

北森雅雄 masao kitamori