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Writer:北森 雅雄

電子帳簿保存法改正による請求書発行側のメリット・デメリット8選!システム選びの5つのポイントを紹介

    2024年1月から、電子取引でやり取りをした請求書のデータ保存が義務化されます。請求書の発行業務を行っている担当者のなかには、どのように対応したら良いのかお悩みの方がいるのではないでしょうか。

    請求書をデータ保存する際には、検索機能の確保や真実性の担保など電子帳簿保存法における保存要件を満たす必要があります。適正に管理するためにも、請求書を発行できるシステムの導入がおすすめです。

    そこで今回の記事は、電子帳簿保存法改正による請求書発行側への影響について解説します。請求書発行システムの選び方も分かる内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。

    この記事の目次

    1.電子帳簿保存法改正により請求書の電子データ保存が必須となる

    電子帳簿保存法の改正により、2024年1月からは電子取引の請求書はデータ保存が必要になります。電子取引とは、メールやクラウドサービスなどWeb上でのやり取りを指します。これまで電子取引の請求書を紙に印刷して保管していた企業は、電子データで管理する体制への切り替えが必要です。2023年12月末までが猶予期間とされているため、その間に準備を進めましょう。

    請求書をデータとして保存する場合は、以下の要件を満たす必要があります。

    • システムの概要書・説明書の備え付け
    • 見読性の確保(ディスプレイやプリンターの設置など)
    • 検索機能の確保
    • 真実性の担保(改ざんされていない本物であることを担保する)

    データを適切に保存するために、電子帳簿保存法に対応した請求書発行システムの導入がおすすめです。

    2.電子帳簿保存法における請求書発行側のメリット4選

    電子帳簿保存法によって、請求書発行側にはコスト軽減や業務効率化などのメリットがあります。この章では、電子帳簿保存法による請求書発行側のメリットを解説します。電子帳簿保存法によって「何がどのように改善されるのか」を理解しましょう。

     

    2-1.発行に関するコスト軽減

    紙で請求書をやり取りする場合、用紙代や印刷代・郵送費などさまざまな費用が必要です。電子データに切り替えることで、紙で発行していたときに必要だったコストがかからなくなり、さらに人件費軽減にもつながります。電子でやり取りする際にも人件費はかかりますが、紙の請求書を発行するケースと比べると、大幅なコスト軽減が期待できます。

     

    2-2.リモートワークでも対応可能

    請求書を電子化することで、印刷や郵送の手間が無くなるので出社しなくても対応できるようになります。紙でやり取りをしている企業は、印刷や捺印・郵送のためにオフィスへ出勤する必要があり、テレワークの導入が進まない原因になっていました。

    クラウドサービスに対応している請求書発行システムを導入することで、インターネット接続環境とデバイスがあれば場所を問わず業務が行えます。電子でやり取りができる体制が整っていれば、災害時の出社が難しいときでも対応できます。

     

    2-3.請求書関連の業務効率化

    請求書を電子データでやり取りすれば、印刷や郵送準備・投函・ファイリングなどの手間が不要になるので、業務の効率化が期待できます。特に大量の請求書を発行している企業の場合は、大幅な残業時間の軽減にもつながるでしょう。

    クラウドサービスを介して請求書が確認できるようになれば、上司が出張やテレワークをしているときでも承認作業ができるため、スムーズに業務が進められます。

     

    2-4.DX化の推進につながる

    社内をDX化することで、業務の効率化・負担軽減による生産性の向上が期待できます。近年、少子高齢化による人手不足の解消やテレワーク導入のため、DX化に取り組む企業が増えてきました。

    電子帳簿保存法に対応することで紙資料をデータとして保存することになるため、業務のDX化推進へとつながります。帳票を電子で管理すれば、外部システム・ツールとの連携がしやすくなるので、さらなる業務の効率化が期待できるでしょう。

    3.電子帳簿保存法における請求書発行側のデメリット4選

    コスト削減や業務効率化といったメリットがある一方で、導入時の費用やセキュリティ面など注意すべきポイントがいくつかあります。この章では、電子帳簿保存法における請求書発行側の注意点を解説します。

     

    3-1.システムの導入・運用にコストがかかる

    請求書発行システムを導入する場合、初期費用と運用費(月額もしくは年額)が必要になります。紙で請求書を発行していたときと比べると、総合的に見ればコストが抑えられるケースがほとんどですが、運用費は継続して必要になるものなので、事前に確認しておくことをおすすめします。

    過剰な機能が搭載されたシステムを選ぶとコストが高くなるので、最低限自社に必要な機能が搭載されたものを選びましょう。

     

    3-2.誤送信やセキュリティ面に注意が必要

    請求書には企業の情報や取引内容、自社の口座番号など機密情報が含まれるため、宛先を間違えて送信するとトラブルの原因になります。例えば、第三者へ情報が漏れたり期日までに振り込まれなかったりするケースが考えられます。

    メールを介して取引先とやり取りをする際には、パスワードを設定して送付するデータと分けて連絡するといった対策が必要です。頻繁にやり取りをする場合は、セキュリティ対策について取引先と相談をしておくと良いでしょう。メール送信時には宛先や添付書類に間違いがないか、ダブルチェックなどを取り入れて確認することが大切です。

     

    3-3.取引先の合意が必要になる

    請求書を電子化するにあたり、事前に紙でやり取りをしている取引先の合意を得る必要があります。近年はDX化が進んでいる企業が増えつつありますが、進捗にはバラつきがあり、すべての企業が請求書の電子化を受け入れられるわけではありません。

    事前に請求書の電子化について受け入れ可能か確認し、もし対応が難しい取引先がある場合は、紙で発行するなど柔軟な対応が必要となります。

     

    3-4.複製・改ざんされる可能性がある

    請求書をWordやExcelで作成する場合、そのまま取引先へ提出すると記載内容を改ざんされる可能性があります。取引内容や金額など記載内容を改ざんされないようにするため、送付時には必ずPDFでやり取りをしましょう。電子帳簿保存法対応のシステムを使用することで、改ざんや複製ができない方法と法的に認められた形式で請求書の発行が可能になります。

    4.請求書発行システムを選ぶ5つのポイント

    電子帳簿保存法に対応するときには、請求書発行システムの導入がおすすめです。この章では、請求書発行システムを選ぶポイントを解説します。自社に合ったシステムを導入し、請求書の電子化に対応できる体制を整えましょう。

     

    4-1.電子帳簿保存法への対応の有無

    2024年1月以降は、電子帳簿保存法に沿ってデータ保存をする必要があります。保存要件のひとつにタイムスタンプの付与が含まれ、取引先から依頼される可能性があります。そのため、電子帳簿保存法に対応しているシステムの導入がおすすめです。

    電子帳簿保存法に対応しているシステムを選ぶときは、JIIMA認証を受けているか確認しましょう。JIIMA認証は、電子帳簿保存法に対応しているシステムであると認められたシステムに与えられます。請求書の電子化と併せて社内のペーパーレス化を進めるのであれば、電子帳簿保存法への対応の有無は必ず確認しておきましょう。

     

    4-2.コスト

    請求書発行システムは、サービスによって料金形態が異なります。初期費用に加えて月額や年額で運用費が必要になるケースがあれば、月額費用に請求書1枚あたりの金額が加算されるサービスもあります。

    なかには、枚数・ユーザー数限定で一部無料で利用できるプランもあるので、色々なサービスを比較してみてください。比較する際には、実際に自社が利用したらいくらになるのかを計算した上で検討することをおすすめします。

     

    4-3.機能

    請求書発行システムの種類によっては、請求書の発行・送付だけではなく督促や請求後の入金消し込みなどができます。しかし、機能が多いシステムはその分費用がかかるため、自社に必要な機能を検討した上で選びましょう。

    もし請求書の発行にあたり上司の承認が必要な場合は、ワークフローなどの機能が備わっていると便利です。月々の発行枚数が少ない企業は、請求書の作成のみができるシステムでも良いでしょう。

     

    4-4.他システムとの連携の可否

    請求書発行業務を効率化するためには、他のシステムとの連携が必要です。例えば、販売管理システムを連携すれば、請求データ入力の手間を省けます。他のシステムとの連携がうまくできない場合、請求書発行システムを導入しても業務効率化につながらない可能性があります。

    すでに使用しているシステムがある場合は、連携ができるか必ず確認しておきましょう。連携するときは、APIを使用する方法とCSVをインポートする方法の2通りがあるので、どちらのやり方で行うのかも併せて確認することをおすすめします。

     

    4-5.サポート体制

    請求書発行システムを選ぶときには、サポート体制にも注目してみてください。一般的に請求書の発行日は決まっているため、業務が特定のタイミングに集中するケースが多いです。もし発行業務をしているときにシステムの不具合が発生すると、多くの取引先に迷惑をかける可能性があります。

    緊急時にすぐ対応してもらえるよう、サポート体制が整ったシステムを選びましょう。特に土日に業務を行う企業は、365日対応可能なシステムを選ぶ必要があります。

    5.電子帳簿保存法に対応するため請求書発行側がシステムを導入するなら「おまかせ はたラクサポート」がおすすめ

    電子帳簿保存法に対応するため請求書発行システムを導入するなら、NTT東日本の「おまかせ はたラクサポート」がおすすめです。「おまかせ はたラクサポート」とは、経理や総務など事務業務のSaaS利用をサポートするサービスです。NTT東日本が厳選したSaaSの導入や、操作時のサポートを行ってくれます。

    「おまかせ はたラクサポート」のヘルプデスクは、管理者だけではなく従業員からの問い合わせも受け付けており、メールや電話、画面共有によるリモートサポートなど細やかに対応してくれます。請求書発行システムの導入を検討している企業担当者の方は、ぜひ以下のリンクからお問い合わせください。

    おまかせ はたラクサポートのお問い合わせフォーム

    6.まとめ

    電子帳簿保存法の改正により、電子取引の請求書はデータ保存が必要になります。2024年1月以降はデータ保存が義務化されるので、それまでに用意を進めましょう。電子帳簿保存法に対応することで、請求書発行側にはコスト軽減や業務効率化、DX化の推進につながるなどさまざまなメリットがあります。

    一方で、システムの導入コストがかかったり取引先との合意が必要になったりするので注意が必要です。請求書発行システム導入時には、電子帳簿保存法への対応の有無や機能などをポイントに注目して自社に合ったものを選びましょう。NTT東日本では経理や総務など事務業務のSaaS利用をサポートしますので、気になる方は以下のフォームからお問い合わせください。

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