【徹底解説】電子帳簿保存法に沿ったファイル名の付け方!効率的な変更方法を4つ紹介
電子帳簿保存法の改正により、電子取引のデータ保存が義務化されました。保存要件のひとつ「検索機能の確保」を満たしたファイル名を付ける必要がありますが、担当者の中にはどのように対応すべきかお悩みの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
電子帳簿保存法の要件を満たすために、ファイル名に取引年月日と取引先・金額が必要です。しかし、電子帳簿保存法対応のシステムを導入する場合は、ファイル名を変更しなくても問題ありません。
今回の記事では、電子帳簿保存法に沿ったファイル名について解説します。ファイル名の付け方や電子帳簿保存法システムの選び方が分かる内容になっているので、企業の担当者の方は参考にしてください。
1.2024年1月から電子取引のデータ保存が必須に
2022年1月から、改正された電子帳簿保存法が施行されています。改正により、電子取引で授受した書類・帳簿などのデータ保存が必須となりました。2023年12月末までが猶予期間として設定されているので、その間に要件を満たした状態でデータ保存ができるよう準備をしましょう。
電子取引で授受した書類・帳簿などを保存するときには、以下の要件を満たす必要があります。
- ・システムの概要書・説明書
- ・検索機能の確保
- ・見読性の確保(ディスプレイやプリンターの設置など)
- ・真実性の担保(改ざんされていない本物であることの証明)
企業には、保存要件のひとつ「検索機能の確保」を満たすため、以下のいずれかの対応が求められています。
- ・データに規則的なファイル名を付ける
- ・索引簿を作成する
- ・要件を満たしたシステムで管理する
索引簿または要件を満たすシステムを利用しない場合は、ファイル名で検索できるように対応する必要があります。適切なデータ管理ができていないと、罰則の対象になる可能性があるので注意が必要です。
2.電子帳簿保存法の要件を満たしたファイル名に必要な項目
電子帳簿保存法の保存要件を満たすため、ファイル名に以下の項目を含める必要があります。
- ・取引年月日
- ・取引先
- ・金額
例えば、以下の場合は「230701_NTT東日本_300000_見積書.pdf」とファイル名を付けます。
- ・取引年月日:2023年7月1日
- ・取引先名:NTT東日本
- ・金額:300,000円
- ・書類:見積書
規則的なファイル名を付けることで、書類・帳簿を受領する側も一目でどのような書類か把握しやすくなります。国税庁のホームページでは、以下の通り検索要件について記載しています。
検索要件
①取引年月日、勘定科目、取引金額その他のその帳簿の種類に応じた主要な記録項目により検索できること
>>>改正後、記録項目は取引年月日、取引金額、取引先に限定
②日付又は金額の範囲指定により検索できること
③二つ以上の任意の記録項目の組み合わせた条件により検索できること
(引用:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました」)
上記の要件の対応が難しい場合は、索引簿の作成もしくはシステムの導入が必要です。自社ではどの方法を選択するのか、検討しておきましょう。
3.電子帳簿保存法に対応したシステムを導入すればファイル名の対応が不要になる
電子帳簿保存法対応のシステムを導入すれば、ファイル名の対応が不要になるケースがあります。その場合は、索引簿の作成も必要ありません。電子帳簿保存法対応のシステムを導入することで、書類・帳簿などのデータ保存だけではなく文書管理の効率化が可能です。電子帳簿保存法に対応するため、システムには以下のようなさまざまな機能が搭載されています。
- ・取引先や日付などを使った検索機能
- ・タイムスタンプの付与
- ・スキャナ保存の要件を満たしたスキャン機能
- ・画像の文字を認識してデータ化するOCR機能 など
電子帳簿保存法対応のシステムは、主に以下の3種類に分けられます。
- ・さまざまな書類に対応した電子保存専用タイプ
- ・請求書に特化した請求書受領タイプ
- ・経費業務に特化した経費精算タイプ
システムによって対応している書類の種類や機能が異なるので、導入前に自社にどのようなシステムが必要なのか確認しましょう。目的に合わないシステムを導入すると、業務効率化につながらなかったりコストが無駄にかかってしまう原因になります。
4.電子帳簿保存法に対応したシステムを選ぶポイント5選
電子帳簿保存法に対応するには、自社の業務に合ったシステムを導入することが大切です。この章では、対応する書類の範囲や機能など電子帳簿保存法対応のシステムを選ぶポイントについて解説します。電子帳簿保存法への対応を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
4-1.対応する書類の範囲
電子帳簿保存法対応のシステムは、種類によって対応している書類の範囲が異なります。そこで、システムを導入する際には、どの書類をシステムでカバーするのか検討する必要があります。対応する範囲の書類を明確にするときには「どの業務の効率化をめざすのか」を考えると分かりやすいでしょう。
電子帳簿保存法対応のシステムには、請求書や経理業務に特化したものから幅広い書類・帳簿をカバーできるものまで、さまざまな種類があります。基本的にはどの業務を効率化するのかによって選ぶのが基本ですが、将来的にシステムでカバーする範囲を広げたい場合は、今後の運用も視野に入れて決定することをおすすめします。
4-2.機能
電子帳簿保存法対応のシステムによって、機能が異なります。同じシステムでもプランによって機能が異なったり、オプションとして追加できたりするケースがあります。オプションとして追加できる主な機能は、以下のとおりです。
- ・帳票の自動振り分け・分類(設定したルールに合わせて振り分け、分類を行う)
- ・帳票のリネーム(設定したルールに合わせて自動的にリネームする)
- ・付加情報の付与(ふせんやメモ、アンダーラインなど帳票に記入する)
- ・保存期間を過ぎた書類の自動削除
- ・承認フロー(承認が必要な場合、承認者の設定を行う)
- ・URL発行(メールでダウンロードするURLを記載して送信する)
機能が多いシステムを選ぶと、その分費用がかかります。システムを選ぶときには、自社に必要な機能をしぼって検討することをおすすめします。
4-3.価格
電子帳簿保存法対応のシステムの価格は、主に月額(もしくは年額)固定費用制と月額従量課金制に分けられます。利用料とは別に、導入時には初期費用が必要です。システムは長期的に利用するものなので、毎月の利用料が負担にならないか必ず確認しましょう。月額固定費用制の場合は、初期費用が100,000円程度、月額利用料は16,000円程度が相場です。
実際にかかる費用は企業規模や必要な機能によって異なるので、気になるシステムがあれば見積もりを出してもらうことをおすすめします。なるべくコストを抑えるためにも、複数のサービス・プランを比較・検討しましょう。
4-4.保存要件を満たしているか
システムを選ぶときに「保存要件を満たす機能がどのくらい備わっているか」という点は非常に重要です。タイムスタンプの付与や、バージョン管理(訂正・削除の履歴)などの機能が搭載されているか確認しましょう。
また、システムを選ぶときには、JIIMA認証を取得しているか確認してください。JIIMA認証は、市販のソフトウェアやサービスが電子帳簿保存法に対応していることを示しています。JIIMA認証のホームページでは、認証されたシステムの一覧が確認できるので、ぜひ参考にしてください。
4-5.既存システムとの連携
すでに使用しているシステム・ツールがある場合、スムーズに連携できるかを確認しましょう。システム同士が連携ができないと、業務効率化の効果が十分に発揮されない可能性があります。もし無料トライアルが可能な場合は、導入前に既存システムと連携できるか確認することをおすすめします。
システムの連携方法は、Web APIで直接行う方法とCSVにデータを書き込んで行う方法の2種類があります。連携ができるか確認する際には、自社ではどちらの方法で行うのかも併せてチェックしておきましょう。
5.電子帳簿保存法に対応するなら「おまかせ はたラクサポート」がおすすめ
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6.まとめ
電子帳簿保存法が改正され、2024年1月からは電子取引でやり取りをした書類・帳簿などのデータ保存が義務化されます。電子帳簿保存法では、データを保存する際にファイル名に取引年月日と取引先、金額を含めることが求められています。さらに、検索要件に対応したシステムの導入や索引簿の作成が必要です。
電子帳簿保存法対応のシステムを導入すると、ファイル名の対応が不要になるケースがあります。システムは種類によって対応する書類の範囲や機能が異なるので、自社に合ったものを選びましょう。
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