| Writer:NTT東日本 北森 雅雄(Masao Kitamori)
クラウドストレージでデータ共有を効率化!メリット・デメリットや選定ポイントを紹介
普段の業務において、社内の従業員や外部の関係者とデータの共有をする機会があるでしょう。データを共有する方法は複数あり、企業によって異なります。
現代社会ではデジタル化が進み、クラウドを利用したデータ共有を導入する企業もあります。クラウドストレージはインターネット環境が整っていれば、場所を問わずどこからでも利用できるサービスです。
今回の記事では、クラウド上でデータ共有をするメリットとデメリットを紹介します。また、ツールの選定ポイントについても取り上げているので、ぜひ最後までお読みください。
目次:
1.クラウドでのデータ共有・管理が普及している
今まで、データを共有する方法としては、「メール」「USB」「自社サーバー」などが多く利用されていました。しかし、さまざまなデメリットがありました。
メールを利用した場合、大容量のデータを送付できません。また、自社のサーバーを利用すると構築の手間がかかります。他にもUSBなどの外部メモリを導入した場合は、紛失しやすくセキュリティ面で安全性を欠く等の問題点があります。
しかし近年では、クラウドストレージと呼ばれる手段が、効率的にデータ共有する方法として注目されています。クラウド上でデータ共有をすることで大容量のデータに対応でき、自社でサーバーを構築しなくても済みます。さらに、アクセス権限を与えられている人であれば場所を選ばずに利用することが可能です。
2.クラウド上でデータ共有する5つのメリット
クラウド上でデータ共有をする場合、今まで一般的であった方法に比べて、いくつかのメリットがあります。クラウド上でデータ共有をするメリットとして以下の5つが挙げられます。
-
・コストが抑えられる
-
・場所を問わず利用できる
-
・複数人で共有できる
-
・データを一元管理できる
-
・サーバー運用・管理の工数がなくなる
この章では、クラウドストレージでデータ共有をするメリットを解説します。
1コストが抑えられる
データ共有でクラウドストレージを利用すると、コストを抑えられます。自社にサーバーを設置する必要がないためです。
自社にサーバーを設置した場合、機器の導入や構築の費用がかかります。また、費用のみならず労力もかかるため、自社への負担が増える可能性があります。
クラウドストレージはサービスによって、サブスクリプション制や無料で利用できます。導入後は初期設定のみですぐに使用可能です。
2場所を問わず利用できる
クラウドストレージはインターネット環境が整っていれば、場所や時間を選ばずに利用できます。利用者は会社以外の場所からアクセスし、遠隔地からデータの共有や確認ができます。そのため、テレワーク等の柔軟な働き方が可能です。
3複数人で共有できる
クラウドストレージを導入した場合、社員同士が円滑にデータを共有できます。インターネットに接続できる環境であれば、複数人がクラウド上でデータの共有を行えます。
複数人がクラウド上で必要なデータを共有する場合に、同じデータの閲覧や編集が可能です。そのため、メールや外部メモリなどを使わず、円滑にやり取りができます。
4データを一元管理できる
クラウドストレージは、異なる部署間や社内外などで扱う大量のデータを一元管理できます。
仕事に必要なデータがある場合、クラウド上で管理していればアクセスし、簡単に共有できます。また、指定の場所でデータを管理しているため、特定の情報を探すのに時間がかかりません。
5サーバー運用・管理の工数がなくなる
クラウド上でデータを管理した場合は、サーバーの運用・管理でかかっていた工数が必要ありません。サービスの提供事業者が管理・運用を担っているためです。
自社でサーバーを設置した場合、構築や運用・管理をする必要があります。人材や費用などの社内リソースを使う必要があるため、負担となってしまいます。しかし、クラウドストレージを使用することで、サービス提供事業者に手放しで運用や管理を任せられます。
3.クラウド上でデータ共有する3つのデメリット
クラウド上でデータ共有をする場合、導入前に注意すべき点があります。クラウド上でデータ共有をするデメリットには、以下のようなものが挙げられます。
-
・自社に合わせたカスタマイズが難しい
-
・情報漏えいのリスクが0ではない
-
・通信障害の対応ができない
この章では、クラウド上でのデータ共有で気をつけた方が良いことについて解説します。
1自社に合わせたカスタマイズが難しい
クラウドストレージは自社に合ったカスタマイズが困難です。あらかじめ、いくつかの機能やプランが用意されているためです。
自社にとって使いやすい機能や操作画面のカスタマイズを希望していても、サービスによっては変更できない可能性がありますクラウドストレージの導入を検討している場合は、事前に複数のサービスを比較し、自社に合ったツールを見つけましょう。
2情報漏えいのリスクが0ではない
クラウドストレージは、クラウド上でデータを管理するため、ハッキングや第三者による閲覧によって情報漏えいするリスクがあります。ツール自体のセキュリティが脆弱な場合は、外部に情報が流出する可能性もあるでしょう。
クラウドストレージはサービスによって、暗号化や閲覧規制などのセキュリティ対策が施されています。導入を検討する際には、事前にさまざまなサービスのセキュリティ面を確かめましょう。
3通信障害の対応ができない
クラウドストレージはインターネット回線に通信障害などのトラブルが起きた場合、データ共有が利用できなくなります。
回線の問題や災害などでインターネットの接続ができない場合、サービスの提供事業者に対応を依頼しなければなりません。インターネットに接続できない状況においても、データを閲覧できるサービスの利用を検討しましょう。
4.クラウドストレージを選ぶ5つのポイント
クラウドストレージはクラウド上でデータ共有をでき、効率的に業務を進められます。今後、クラウドストレージを利用する場合はどのような観点でサービスを選ぶと良いのでしょうか。
-
・データ容量
-
・コスト
-
・セキュリティ対策
-
・操作感
-
・カスタマイズ性
この章では、クラウドストレージを選ぶポイントを項目ごとに解説します。
1データ容量
クラウドストレージを選ぶポイントとして、データ容量が挙げられます。プランごとに利用できる容量が決まっているからです。
普段から動画などの大容量データを扱っていたり、繁忙期に多くのデータを扱っていたりする企業では、容量を超えてしまう可能性があります。そのため、自社で必要な容量を確認した上で、あらかじめ余裕を持ったデータ容量のプランを選ぶ必要があるでしょう。
2コスト
クラウドストレージを利用する場合は、コストに注目しましょう。データの容量や機能などによって料金が変わるためです。
大容量に対応したプランの場合、小容量のプランに比べて利用料金が高くなります。また、機能の充実度やユーザー数によって、利用料金の異なるさまざまなプランが用意されています。
加えて、サービスによっては、年会費がかかったり、容量の拡大が有料だったりします。そのため、自社の予算や使用する容量などを考慮した上で選択しましょう。不明点がある場合は、サービスを提供している業者に問い合わせをしましょう。
3セキュリティ対策
クラウドストレージでは社内における多くのデータをインターネット上に保管するため、情報漏えいなどの対策が万全に施されているかを確認する必要があります。社内の情報が外部に流出すると、多大な損害につながる恐れがあるため、暗号化や閲覧権限の規制ができるものがおすすめです。
また、自社のセキュリティポリシーを確認し、その用件を満たしたサービスを選ぶと良いでしょう。
4操作感
クラウドストレージを導入する際に、サービスの操作感を確かめておきましょう。多機能なサービスを導入しても、従業員によっては使いこなせず、浸透しない可能性があるためです。
無料のトライアル等で実際の使用感を確認し、直感的な操作で誰でも簡単に扱えるかをチェックしておくのがおすすめです。
5カスタマイズ性
クラウドストレージはサービスやプランによって、カスタマイズの充実度が変わります。カスタマイズはプラン等により、閲覧権限の設定できる範囲やオプションの選択肢が決められているためです。
ただし、クラウド型のツールは、サーバーを活用したオンプレミス型と異なり、カスタマイズの自由度が低くなる可能性があるため、注意が必要です。
5.クラウド上でデータ共有するなら「コワークストレージ」
「コワークストレージ」は、NTT東日本が提供するクラウド上でデータ共有ができるストレージサービスです。インターネットを通して、どこからでもセキュリティレベルの高い環境で利用することが可能です。
フォルダの全階層に対して柔軟にアクセス権限を設定でき、ログインには多要素認証も利用できるなど、強固な情報セキュリティ対策が行えます。また、格納データや通信経路も暗号化されるため、どこからアクセスしても安全にデータを取り扱えます。
利用人数や容量に応じたさまざまなプランを用意しているので、クラウドストレージの導入を検討している方は以下のリンクをご参考にしてください。
6.まとめ
複数人が社内外さまざまな場所からデータを共有する場合、クラウドストレージを導入すると円滑に業務を進めやすいでしょう。クラウドストレージには大容量のデータを保管したり、場所を選ばずにアクセスできたりと多くのメリットがあります。
一方、自由にカスタマイズできなかったり、情報漏えいのリスクがあったりします。クラウドストレージを検討している企業はメリット・デメリットを把握した上で、利用するのか決めましょう。
この記事を書いた人
NTT東日本 ビジネス開発本部 北森雅雄
NTT東日本に入社後、自治体向けのシステムエンジニアとして、庁内ネットワークや公共機関向けアプリケーションなどのコンサルティングからキャリアを開始。
2018年から現職にて、プロダクト(SaaS)開発、デジタルマーケティング全般のディレクションに従事。
2022年に業務のデジタル化を分かりやすく発信するオウンドメディア(ワークデジタルラボ)のプロジェクトを立ち上げ。
NTT東日本にかかわる、地域のみなさまに向けてデジタル化に役立つ情報発信を展開。