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ガバメントクラウド接続におけるネットワークの構築と運用

政府共通のクラウドサービスの利用環境であるガバメントクラウドは、クラウドサービスのメリットを活かし利用すれば、セキュアで効率の良いシステム構築や、利用者に利便性の高いサービスの提供が可能なものです。デジタル庁は、ガバメントクラウドを令和7年度末までにすべての市町村で接続できるよう掲げています。

本記事では、ガバメントクラウドの接続について、ガバメントクラウド接続における構成や要件について紹介します。

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1.ガバメントクラウドとの接続

政府の情報システムについて、共通的な基盤や機能を提供する複数のクラウドサービスの利用環境であるガバメントクラウドは、活用することで情報システムの迅速な構築と柔軟な拡張が可能になったり、アプリ移行の際のデータ移行が容易になったりするメリットがあります。

情報セキュリティ対策やシステムの運用監視を各団体が行う必要もなくなり、個別団体では講じられないような、最新の情報セキュリティ対策の導入も可能である点も、活用の大きなメリットといえるでしょう。

このガバメントクラウドはデジタル庁が地方公共団体の基幹業務システムの統一、標準化をめざすところから始まり、具体的には、地方公共団体が使う20業種の基幹業務システムを、2025年度末までに接続して利用できるよう環境の整備を進めています。

ここからはガバメントクラウドの接続における構成や要件について見ていきますが、その前に、ガバメントクラウドとはどういったものか知りたい方は、先に以下の記事をご覧ください。ガバメントクラウドの概要や開始時期、自治体の活用メリットなどについて詳しく解説しています。

関連記事:ガバメントクラウドとは?概要や開始時期、自治体の活用メリットなど

2.ガバメントクラウド接続におけるネットワーク構築

令和7年度末までにすべての市町村が接続できるよう環境を整備しているガバメントクラウドについて、ネットワークを構築するための構成や要件について見ていきましょう。

2-1.構成について

ガバメントクラウド接続サービスは、ガバメントクラウドへの標準的な接続サービスとしてデジタル庁が調達するもので、地方公共団体の拠点と、ガバメントクラウドを専用線接続するために必要となるネットワークを構成できるサービスをいいます。

ガバメントクラウド接続サービスを構成しているものは、以下の2つです。

  • 庁内ネットワークとガバメントクラウド接続拠点を接続する「拠点接続サービス」
  • ガバメントクラウド接続拠点とガバメントクラウドとを接続する「クラウド接続サービス」

デジタル庁が調達する接続サービスは、ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)に登録されたクラウドサービスから、最新かつ最高レベルの情報セキュリティが確保できることや、クラウド事業者間でシステム移設を可能とする際の技術仕様書が公開され、客観的に評価可能であることといった要件を満たさなければなりません。デジタル庁は、令和5年度から令和7年度においては、原則としてガバメントクラウド接続サービスを活用した接続とすることを定めています。

ガバメントクラウド接続サービスとはどういったものなのか、主な要件や接続回線の課題については、以下の記事で詳しく解説しています。気になった方はぜひ参考にしてください。

関連記事:ガバメントクラウド接続サービスとは?主な要件・接続回線の課題

2-2.要件について

拠点接続サービスとクラウド接続サービスで構成されるガバメントクラウド接続サービスの主な要件は、以下の3つです。

1. 各拠点への終端装置の設置からガバメントクラウドへの接続までを、ひとつのサービスとして提供していること

2. 拠点接続サービスを提供していること

3. ガバメントクラウドへの接続は、東日本エリアまたは西日本エリアからの独立したクラウド接続サービスを有していること

デジタル庁は、上記の要件を満たす機器及び回線等をサービスとして提供する事業者からサービスの提供を受け、ガバメントクラウド接続サービスとして利用する環境を、地方公共団体に対し提供しています。

参考:デジタル庁「地方公共団体情報システムの ガバメントクラウドの利用に関する基準【第1.0版】

3.ガバメントクラウド接続したネットワークの運用

ガバメントクラウドの構成を理解し、要件を満たしてネットワークを構築した後は、運用管理が必要です。このとき、ガバメントクラウド運用管理補助委託契約を締結し、構築したネットワークの運用管理を任されている事業者を、ガバメントクラウド運用管理補助者といいます。

ガバメントクラウド運用管理補助者の役割は、クラウドシステムの監視や情報セキュリティ管理、運用手順の作成や活動報告、トラブルシューティングやサポートなどです。多くの役割を持つガバメントクラウド運用管理補助者は、安定したネットワークを維持していくために、必要な存在となるでしょう。

なお、ガバメントクラウド運用管理補助者の利用方式は2つあります。地方公共団体自らガバメントクラウドの運用管理を行う場合や、運用管理を単一の運用管理補助者に委託する「ガバメントクラウド単独利用方式」と、複数の地方公共団体が同一のガバメントクラウド運用管理補助者に委託する「ガバメントクラウド共同利用方式」です。

地方自治体によってどちらの利用方式を選ぶかは選択できますが、デジタル庁としては、運用管理社の負担軽減や手続きの簡素化、運用効率化などの面で、ガバメントクラウド共同利用方式を推奨しています。

ガバメントクラウド運用管理補助者について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。ガバメントクラウド運用管理補助者とはなにか、前述した利用方式の詳しい説明や運用管理補助者の役割について、解説しています。

関連記事:ガバメントクラウドの運用管理補助者とは?利用方式と役割について

4.ガバメントクラウドとの接続ならぜひNTT東日本にご相談ください

ガバメントクラウドとの接続には、主な3つの要件を満たすこと以外にも、運用管理時補助者などの選定をはじめとしてやるべきことが多くあります。ガバメントクラウドとの接続期限が迫っているものの、知識のある担当者が不足しているなどの理由で思うように進まないケースもあるでしょう。

NTT東日本のガバメントクラウドサービスであれば、ガバメントクラウドとの接続に必要な要件を満たすための準備から、導入や運用保守業務をワンストップでサポートします。

業界トップクラスのクラウド技術者が在籍し、多くの自治体でのクラウド構築、運用実績を持つNTT東日本であれば、お客さまの疑問や要望に的確に応えられます。以下のページでは、詳しいサービス内容や、ご提供イメージを詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

NTT東日本のガバメントクラウドサービス

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まとめ

政府共通のクラウドサービスの利用環境であるガバメントクラウドは、活用すれば迅速かつ柔軟にセキュアなシステムが構築でき、利用者に利便性の高いサービスを素早く提供できます。デジタル庁は令和7年度末までにすべての市町村がガバメントクラウドに接続していることを目標に掲げていますが、ガバメントクラウド接続の構成や要件についての知識がなければ、スムーズに接続できないでしょう。

ガバメントクラウド接続サービスの要件は主に3つあり、各拠点への終端装置の設置からガバメントクラウドへの接続までをひとつのサービスとしていることや、拠点接続サービスを提供していること、ガバメントクラウドへの接続は、東日本エリアまたは西日本エリアからの独立したクラウド接続サービスを有していることがあります。

上記の要件を満たしてネットワークを構築した後は、ガバメントクラウド運用管理補助者などに委託して運用管理を行うことも必要です。令和7年度末までに接続すればよいと悠長に構えていることはできません。

ガバメントクラウドとの接続に悩む担当者の方は、ぜひ一度NTT東日本にご相談ください。

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