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個人事業主の経費精算と確定申告をツールでデジタル化。補助金申請から導入、運用までを二人三脚で伴走支援

PROFILE

Learns Happily
天沼さま

業種:教育サービス
効率化した業務:日々の経費精算、確定申告

導入ソリューション

Learns Happily

埼玉県さいたま市でクラシックバレエ教室やダンス教室を開き、地元の生徒さんからそのアットホームな雰囲気で長年愛されるLearns Happily(ラーンズ ハピリー)。個人事業主である代表の天沼さまが運営している同教室では、創業当時から経費精算と確定申告を経理ソフトで処理していました。しかし、16年前の創業当時に選定したツールのためにインターネット上には情報が少なく、確定申告の作業にも支障が出始めていたそうです。

そこで、さいたま市における地域デジタル化推進に向けた「身の丈 IT 支援事業」をきっかけに「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」を採用いただき、経理業務のデジタル化についてお取り組みさせていただきました。

今回は、以前の経理システムで経費精算や確定申告を処理されていた頃の課題や「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」を採用いただいた背景、そして導入後の成果について、Learns Happily代表の天沼さまにお話を伺いました。

さいたま市に拠点を置く、クラシックバレエやダンスの教室を開くLearns Happily

―― 事業内容について教えてください。

天沼さま:屋号である「Learns Happily(ラーンズ ハピリー)」は「楽しく学ぶ」とそのままの意味で名付けていまして、現在はクラシックバレエ教室やダンス教室などを個人事業主として運営しています。当初は体育館や公民館のスペースを借りてレッスンをしていたのですが、今から16年ほど前の2008年からは、埼玉県の北与野駅近くの現在の場所に教室を置いています。

「Learns Happily」のホームページで掲げている「趣味を極める!ガチシュミ!」がこの教室のキャッチコピーです。ただの遊びとしてではなく、かといって本格的なプロをめざすのでもなく、クラシックバレエやダンスに対して真剣に向き合い、趣味として長く続けていくことができるレッスンが「Learns Happily」の特徴ですね。

―― 教室ではどのようにデジタルを活用されているのでしょうか。

天沼さま:教室運営で一番重要なのは「人」です。講師の皆さんが、クラシックバレエやダンスを生徒さんに教える環境を整えるために必要であれば、デジタルの活用を進めてきました。「DX」というスケールの大きな話ではなく、あくまで「便利なものはしっかり使っていこう」という姿勢でいます。

デジタルを活用している例をいくつか挙げると、講師の方が遅い時間までレッスンする際に、私が遠隔でリモート施錠できるようにスマートロックを導入しました。これで鍵の心配をすることなく講師の方が教室を使うことができますし、ちゃんと施錠したかどうか不安になることがなくなりました。

また、お迎えに来られる保護者のために、教室の様子をテレビ会議ツールを介して配信しています。まだレッスンをしているのか、片付けをしているのか、リアルタイムで確認ができますし、セキュリティもしっかりしているのもメリットです。

年間250枚の領収書を、確定申告の時期にまとめて処理。領収書の紛失に課題を感じていた

―― 今回の取り組み以前の経理業務についてお聞かせください。

天沼さま:「Learns Happily」は個人事業主として活動していまして、私以外は全員講師の方々です。そのため、レッスン以外のバックオフィス業務はすべて私が直接対応しています。

バックオフィス業務全体のうち、15%ほどが経理業務に割いているリソースです。主に経費精算がほとんどで、毎年3月締め切りの確定申告に向けて領収書やレシートを日々整理し、確定申告の時期になったら集中して処理をしていました。その時期は、食事会のお誘いを受けてもお断りするくらい忙しいですね。

あとは、講師の方々にお支払いをする給与計算や生徒さんから頂く月謝の計算も、経理業務に含んでいます。ただ、人数もそこまで多くなく、レッスン単位の計算になるため、そんなに複雑ではありません。ツールを使うまでもないので、Excelで処理しています。

―― 経費精算では、どのような取引内容のものが多いのでしょうか?また、領収書は年間で何枚くらいになるのでしょうか。

天沼さま:金額として大きいのは、発表会本番用・練習用のホールのレンタル料金、照明さんと音響さんへの人件費、舞台セットの小道具の制作費、あとはメイクと衣装の費用などです。普段の教室運営では、教室の家賃が最も金額が大きく、それ以外はトイレットペーパーやインク代、紙代といった日用品の費用がほとんどになります。

領収書は、一度の発表会の開催だけで150枚ほどが発生します。年間だと、250枚くらいになるでしょうか。

―― 確定申告では、どのような作業で気が重くなるのでしょうか。

天沼さま:日頃から領収書はひとつにまとめているはずなのですが、確定申告の時期に確認すると何故か特定の月だけ抜け落ちていることがあり、紛失してしまった領収書を探す作業が一番の手間です。

また、家賃など口座から引き落としている経費については通帳からすぐ数字を確認できるのですが、レシートの場合は文字が薄くなってしまっていたり、一部が破れていたりと、支払い内容と金額を読み解くだけでも大変です。

16年間同じ経理ソフトを使用していたものの、ネットで調べても情報が見つからず、確定申告の作業に支障がでていた

―― ―― 今回の取り組み以前の経費精算は、どのようなツールを使用していたのでしょうか。

天沼さま:16年前の2008年に家電量販店のパソコン売り場で購入した、オンプレミス型のパソコンソフトを長年使用していました。当時は“ひとりでも安心して使用できる”との触れ込みだったのですが、今ではインターネットで検索しても、操作方法やトラブルシューティングといった情報が見つからない、マイナーなパソコンソフトになってしまいました。

―― 16年もの間ずっと使用してきた経理ソフトに対して、どのような課題を感じていましたか。

天沼さま:勘定科目や金額の入力は確かに単純作業で問題はなかったのですが、経理ソフトを運営していた会社が別の会社に買収されてしまったり、インターネット上に他のユーザーの声や情報がほとんど掲載されていなかったりと、少しずつ不安を覚えるようになったのです。

加えて、当時は家電量販店で買い切りの経理ソフトを購入したとばかり思っていたのですが、金額こそ大きくはないものの、有料の最新版のシステムを毎年更新しなければならないことにも不満を感じていました。

確定申告時期の作業についても、e-Taxによる申告書の送付がスムーズに進められないことが悩みでした。その経理ソフトが提供しているフォーマットが、最新のe-Taxのフォーマットに対応していない書式だったことが原因です。正直、e-Taxによる送付作業だけでこれまで何十時間費やしたか記憶がなく、2,3日は徹夜でした……。

最終的に、クラシックバレエのノウハウを用いた大人向けパーソナルトレーニングを今後新たに展開するにあたって、個人事業主から法人へと組織区分を変更する可能性も将来的にはあるだろうと考え、経理ソフトの乗り換えを検討するようになりました。

新しいツールの導入の障壁は、ひとりだけで旧ツールから移行できるか。対面の導入支援を受けられることに魅力を感じた

―― 「freee会計」をお知りになったきっかけを教えてください。

天沼さま:将来的な法人化に備え、起業向けのウェビナーをいくつか探すなかで確定申告と「freee会計」に関する講義を受けたことがきっかけです。「freee会計」自体はCMでサービス名程度は知っていましたが、その講義で改めて「便利そうだ」「確定申告に使えそうだ」と感じました。

しかし、自分自身ではなかなか導入することができませんでした。一番の懸念点は、以前使用していた経理ソフトから「freee会計」への移行です。16年間ずっと使ってきた経理ソフトですので、各種設定や仕訳データはなるべくそのまま「freee会計」へ移行したいと考えていました。

しかし、やはりインターネット上を検索しても以前に使用していた経理ソフトからの移行手続きの情報は見つけられず、「素人は手を付けないほうがいい」と考えて1年ほどそのまま棚上げしてしまったのです。

―― 「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」をお知りになったきっかけと、採用の決め手を教えてください。

天沼さま:「Learns Happily」が入会している、さいたま商工会議所の会報誌に掲載されていた「身の丈IT支援事業」という地域のDX化を推進する取り組みを目にしたことがきっかけでした。さいたま市とさいたま商工会議所、NTT東日本さまの三者間による協定に基づく取り組みで、NTT東日本のコーディネーターの方に訪問いただき、個人事業主や中小企業が抱える課題解決に対して最適なIT ツールをご提案、導入支援いただくというものです。

NTT東日本さまにお電話いただいた際に確定申告の話をしたところ、以前から興味はあったものの棚上げにしていた「freee会計」も導入支援が可能との返答をいただきました。

以前の経理ソフトと比べて操作方法が直感的で分かりやすそうなこと、検索すればインターネット上にさまざまな情報やノウハウを見つけられること、そして、それでも分からないことがあればNTT東日本さまにいつでもご相談できることが決め手になり、お取り組みを決定しました。

「freee会計」の導入と並行し、IT導入補助金の申請も支援。旧ツールから無事に移行し、2年分の導入費用が1/4に

―― 「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」では、ツール導入時にどのようなサポートがありましたか。

天沼さま:初回に訪問いただいたのが2023年の年末で、年内のIT導入補助金の申請に間に合うタイミングでした。そこで「freee会計」の導入と並行してIT導入補助金の申請もサポートいただくことになり、直接アドバイスをいただきながら補助金申請用の書類を作成しました。

書類の不備や「freee会計」の契約プランにミスがあったことで何度かやり直しが発生しましたが、補助金活用を支援する専門の担当者に電話でサポートいただき、無事にIT導入補助金を受けることができました。その結果、2年分の導入費用を1/4にまで抑えられています。

―― ツール導入時に、弊社の担当者からはどのようなサポートがありましたか。

天沼さま:「freee会計」の導入を支援いただいた担当者からのサポートで一番印象に残っているのは、以前の経理ソフトから「freee会計」への移行ですね。調べていただいたところ、やはりCSVファイルなどで仕訳データを引き継ぐ方法はありませんでした。

そこで、以前の経理ソフトの仕訳データを紙に印刷し、対応するデータを一つひとつ調べ、確認しながら手入力していきました。対応する仕訳データを調べることと、過去のデータを入力する作業を同時に進める必要があったので、私ひとりでは絶対に設定できなかったと思いますね……。

導入支援を担当いただいた方は、とても素直な方で一緒に手を動かしていただけるような方でした。契約締結を含め、計5回ほど教室まで足を運んでいただきました。媚びへつらったり、他の商材を売りつけようとしたりといった嫌なことは一切なく、気持ちよいお取り組みでとても嬉しかったですね。

「まるで魔法のよう」。アプリで領収書を簡単にデータ化し、確定申告の作業は50%の削減へ

―― 「freee会計」を実際に使用してみて、どのような感想をいだきましたか。

天沼さま:PCの管理画面は、次にどこを押せばいいのかが分かりやすく、まるでスマートフォンのようだと感じました。また、銀行口座と自動連携しているので、わざわざ通帳を確認せずとも管理画面から残金や引き落とし履歴が確認できます。

特に私が評価しているのは、「freee会計」のアプリですね。領収書やレシートの写真を撮影するだけで金額や日付を自動で読み込んでくれることに驚きました。数字の読み取り精度が高く、まるで魔法のようですね。レッスンの合間といったスキマ時間にささっとアプリで読み取れるようになり、1年間同じ場所に領収書やレシートを溜めておく必要がなくなっています。

―― 「freee会計」によって、来年の確定申告の作業はどのように変化しそうでしょうか。

天沼さま:だいぶ楽になるはずです!銀行口座の紐づけは完了していますし、領収書はこまめに読み取っていますので、すでに確定申告の作業がスタートしている感覚です。これまでは年明けスタートでしたので、気持ちも軽くなっています。

あくまで感覚値ですが、以前の作業量と比較しても領収書をわざわざ探す手間がなくなるので、50%は間違いなく確定申告の作業が楽になっているはずです。

生徒の大事な場所である教室を、今後も変わらず続けていくために必要なこと

―― 今後、「freee会計」をどのように活用していく予定でしょうか。

天沼さま:レポート機能を活用し、無駄な経費の削減や事業の弱点の分析などに活用していきたいですね。今は確定申告の作業で手一杯ですが、業務が落ち着いた頃に蓄積された経理データを振り返り、今後の教室経営に役立てていきたいと思います。

―― 今後、事業をどのように展開していく予定でしょうか。

天沼さま:この場所で、この教室をずっと続けていきたい、変わらずに残していきたいですね。16年間教室を運営していて一番嬉しいのは、大人になった昔の生徒さんが「ただいま!」と教室に顔を出してくれたり、発表会のたびにお手伝いしにきてくれたりと、この教室が生徒さんにとって大事な場所になっていたことです。

昨今、ますます社会の変化が激しくなっていますが、今後もこの大事な場所を守っていくためにも、大人向けのパーソナルトレーニングによる経営の安定化と法人化にしっかり取り組んでいきたいですね。

ひとりでがんばる個人事業主こそ、デジタル活用のプロに相談を

―― 今回のお取り組みを振り返って、デジタル化にお困りの個人事業主の方へ、アドバイスをお願いします。

天沼さま:私のようにひとりで経営している方は、誰にも相談できないことが一番の悩みだと思います。今回の「freee会計 for おまかせ はたラクサポート」の取り組みでは、単に経費精算をデジタル化できたという成果だけでなく、経理業務やデジタル活用について気軽に相談できるパートナーが得られたことに、本当の価値を感じています。実際、NTT東日本の担当者がいたからこそ、以前の経理ソフトから「freee会計」へ乗り換えることができました。

個人事業主の方には、自分の力だけで孤独に仕事をする必要はないこと、デジタル活用のプロに相談することの大切さをぜひ伝えたいと思います。

*上記ソリューション導入期間は2024年1月です。
*文中に記載の組織名・所属・肩書・取材内容などは、すべて2024年6月時点(インタビュー時点)のものです。
*上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。

Learns Happily

アットホームな雰囲気で気軽に始められるバレエ教室として、さいたま市で運営しています。レッスンは週1回からで、未経験者、以前習っていたことがありブランクがある方、ほかのバレエスクールにも通っていてもっと上達したいという方などさまざまなレベルの方を受け入れ、指導しています。

1クラスあたり最大12人ほどの少人数制でレッスンを行っておりますので、生徒さま同士がすぐに仲良くなり、カジュアルな雰囲気で楽しめるのも特色です。また、インストラクターの目が生徒さま一人ひとりにしっかりと行き届き、個々の改善点を見抜く等の手厚い指導が行えます。

開講クラスも多岐にわたり、子どもから大人まで年齢や性別問わず通っていただけます。気軽に通える大人ストレッチクラスもございますので、さいたま市周辺で大人向けバレエ教室をお探しの方は、ぜひお問い合わせください。コンクール等に出場希望の方に向けて、バリエーションクラスも開講しています。

代表 天沼さま