シフト作成や給与計算を効率化し、どこからでも勤怠管理が可能に!「地域福祉✕デジタル」の取り組みとは
PROFILE
株式会社アモリア
代表取締役 久保さま
業種:福祉サービス業
効率化した業務:勤怠管理
導入ソリューション
地域に暮らす人生の先輩方への恩返しと、地域福祉への貢献を企業理念に掲げる株式会社アモリア。群馬県高崎市吉井町(よしいまち)を拠点に置く同社では、住宅型有料老人ホームやデイサービス、学童クラブを運営しています。
福祉・介護サービスを地域密着で拡大する一環として、デイサービスや学童クラブ向けに施設を増やしたことをきっかけに、今回「KING OF TIME for おまかせ はたラクサポート」(以下、「KING OF TIME」)を導入いただき、勤怠管理のデジタル化についてお取り組みさせていただきました。
今回は、紙媒体で職員さんの勤怠情報を管理されていた頃の課題や「KING OF TIME」を採用いただいた背景、そして導入後の成果について、同社代表取締役である久保さまにお話を伺いました。
-
ソリューション導入成果
・給与計算の作業時間が1/2に、シフト作成は1/3に短縮された
・施設や場所に縛られず、事務作業ができる環境を構築
・職員さんの出退勤が、手書きよりも厳密に記録できるように
-
NTT東日本選定のポイント
・ビジネスメディア「BizDrive(ビズドライブ)」からお問い合わせ
・施設間のネットワーク構築とセキュリティ対策の取組み後にツールを導入
・ツール操作や補助金の申請など、サポートの手厚さを高く評価
「地域福祉への貢献」。群馬県高崎市で福祉・介護に取り組むアモリア社
―― 事業内容について教えてください。
久保さま:株式会社アモリアは、群馬県高崎市吉井町で住宅型有料老人ホーム「咲の樹(えみのき)」やコンセプト型デイサービスといった福祉・介護、そして学童クラブなどの福祉・介護事業を展開しています。
私たちのデイサービス「料理とものづくり」では、身体機能の維持・向上、脳の活性化、コミュニケーションの促進を図るために皆さんで料理やものづくりを行なったり、学童クラブ「アモリアキッズ」では、地元の小学生と高齢者の方が作った料理を一緒に食べたり、一緒にものづくりをしたりと、「地域福祉への貢献」のためにさまざまな取組みをしていることが特徴です。
―― 福祉サービス事業に対して、どのような思い入れがあるのでしょうか。
久保さま:吉井町は私が生まれ育った場所であり、これまで吉井町を盛り上げてくださった先輩方に対して恩返しをしたい、そして吉井町で育っていく子どもたちに「いい場所だよね」と感じてもらいたいと思っています。そして吉井町を通じて社会に貢献していくため、福祉サービスに日々向き合っています。
福祉・介護の仕事にはルールや手順がありますが、利用者さまへ「よりよいサービスを提供すること」を突き詰めていくと、人と人の一対一のお付き合いこそが大事です。だからこそルールや手順といったテクニカルなことよりも、利用者さまに対して誠実であること、愛情をもって接することを重視するよう、職員さんといつも話し合っています。
施設を行き来しながらの勤怠管理に課題。BCP対策にクラウドを活用
―― バックオフィス業務についてお聞かせください。
久保さま:現在弊社で勤務している職員さんはおよそ25名で、40歳代以下の比較的若手の職員さんが多くなっています。デスクワークよりも人と接する仕事が好きな方が多く、普段の業務でもパソコンを操作することはあまりありません。社内のコミュニケーションにビジネスチャットツールを使用したり、利用者さまの情報管理にタブレット端末を使用したりといったケースはあるものの、デジタル活用はあまり進んでいる方だとは言えないですね。
介護の現場はまだまだデジタル化は進んでおらず、特に「咲の樹」のような地域密着の小中型の施設にとってデジタル化の推進は大きな課題です。
―― これまで職員さんの勤怠はどのように管理されていたのでしょうか。
久保さま:職員さんの日々の出退勤はタイムカードで記録し、そこで集計した勤務時間をもとにExcelに手作業で入力、給料を計算していました。シフトは前月に提出してもらい、一人ひとりの希望の休日を反映して施設全体のシフトを私が作成していました。
―― どのようなきっかけで「KING OF TIME」を導入したのでしょうか。
久保さま:これまでのアナログな方法でも、施設が1箇所であれば問題なく運用できたと思います。しかし、デイサービスや学童クラブのための施設を新たに増やしたことで、拠点を往復することが増えたのです。車で5分ほどの距離しか離れていませんが、施設間のネットワークを構築し、どちらからでも勤怠管理の事務作業ができる体制が必要になりました。
施設や場所に縛られずに事務作業ができるようになれば、私の作業が効率化されるというメリットだけでなく、BCP対策の観点で大きなメリットがあります。データをクラウド上に保管しておけば、万が一どちらかの施設が洪水や地震で被災しても、職員さんのデータが消失することはありません。また、定期的にバックアップする必要もなく、気が楽になります。
補助金申請をスムーズにクリアし、導入・運用コストをおよそ50%に
―― NTT東日本との取り組みは、どのようなきっかけから始まったのでしょうか。
久保さま:私たちにとってメリットになる情報を探す中で、NTT東日本が運営するビジネスメディア「BizDrive」の記事を見つけました。さまざまな情報を閲覧するなかで問い合わせ、2023年に初回のご提案を受けています。
施設間のネットワーク構築とセキュリティ対策をお願いし、無事落ち着いた頃に改めてご相談させていただいたのが、勤怠管理の課題でした。
―― 「KING OF TIME」導入の決め手をお聞かせください。
久保さま:NTT東日本からのご提案を受け、「勤怠管理の業務を効率化できそうだ」「勤怠管理の業務を効率化することで他の業務時間を増やすことができそうだ」と判断したことで導入を決定しました。
また、NTT東日本さまからのサポートの手厚さもポイントです。無料のトライアル期間から初期設定をお手伝いいただき、たとえば職員さんの勤務設定などにもアドバイスをいただいています。ツールの費用対効果についても、NTT東日本にIT導入補助金の申請をサポートいただけたため、想定したよりも抑えられた印象です。導入と運用、両方のコストを合計しておおよそ50%までには負担が軽くなっています。
分からない操作の問い合わせや導入進捗を、電話と訪問でサポート
―― 「KING OF TIME」の導入はどのように進行しましたか。
久保さま:2023年9月から導入を開始し、およそ2ヶ月後には勤怠管理業務に活用し始めました。バックオフィス業務にITツールを導入したのは初めてのことでしたので、少々時間がかかってしまった印象です。特に時間がかかったのは25名の職員さんの個別設定を入力していく作業でした。
また、ツールの導入と同時並行でIT導入補助金の申請も進めました。こちらは申請が無事に通過するまでおよそ3ヶ月かかりましたが、NTT東日本さまからのサポートもあり、特に混乱やトラブルもなく、申請が完了しています。申請が差し戻されることもなかったですね。
職員さんにとっての変化は、タイムカードを差し込む作業からICカードを端末にタッチすることくらいです。特に難しい説明もなく、一度の情報共有で切り替えることができました。もちろんそれぞれの施設で共通して使えるICカードですので、施設を行き来する職員さんにとっては便利な変化かと思います。
―― ツールの導入にあたって、どのようなサポートがありましたか。
久保さま:ちょっとした操作方法や、職員さんの設定作業で分からないことが発生した際に、複数の質問内容をまとめて電話でご相談させていただきました。さまざまな質問やご相談があったので長い時間の通話になりましたが、ご対応いただけてとても助かっています。
電話サポートだけでなく、訪問でもサポートいただきました。訪問時には操作方法などのご相談ではなく、ツール導入の進捗や勤怠管理業務がどのように変わったかといった定例会のような内容でした。電話での回答も訪問時の会話もテンポよく打ち返していただけるイメージで、とても頼りになりました。
―― 「KING OF TIME」の機能でお気に入りがあればお聞かせください。
久保さま:基本的な機能ですが、給与計算ソフトとの連携は便利だと感じています。弊社では、税理士さんからの指定で「TKC戦略給与情報システムPX2」を使用しており、「KING OF TIME」とシステム連携ができます。勤怠情報をCSVデータで出力し、そのまま給与システムに連携できるため、職員さんの給与計算がシンプルかつスムーズになりました。システム連携にはマニュアルも整備され、設定等に迷うこともありませんでした。
給与計算の時間が1/2に、シフト作成は1/3に短縮!どちらの施設でも勤怠管理が可能に
―― 「KING OF TIME」の導入でどのような効果が得られましたか。
久保さま:施設や場所に縛られずに事務作業ができる環境を構築するという当初の目的は達成できています。それぞれの施設で勤怠管理の事務作業ができるようになり、途中で作業を中断して施設を移動しても、別の施設で作業の続きに取り組めるので効率的です。
また、すべて手入力とExcel上で管理していたシフト作成や給与計算をインターネット上のツールで自動化できました。その結果、月末に対応していた給与計算が、1時間から30分ほど、つまり半分の時間に短縮することができています。さらにシフト調整の作業時間も、1/3ほどまでに短くできました。
―― 今回の取り組みに対するご感想をお聞かせください。
久保さま:会社としても、私自身にとっても、バックオフィス業務にITツールを本格的に導入するのは初めてのことでしたので不安に感じることもありました。しかし実際に始めてみると本当に大変なのはツールの操作を覚えるまでの初期段階であり、ある程度使いこなせるようになると改めて便利さを感じるようになりました。今ではやって良かったと思えています。
職員さんの勤怠管理にも少しだけ変化がありました。ICカードをかざすだけの出退勤になっただけでなく、手書きで出退勤時間を記入できるタイムカードと比べて記録がより厳密になったのです。そのため、たとえば退勤時間がついつい遅くなってしまうことがなくなり、業務時間と出退勤時間をしっかり分けることができました。
より多くの地域の福祉・介護の課題に取り組み、貢献していきたい
―― 今回の取り組みを受け、今後の展望をお聞かせください。
久保さま:「地域福祉への貢献」というミッションを変えず、熱意をもって福祉・介護事業に取り組んでいきます。全国的にみて高齢者介護の施設やサービスは足りていないと言われている中でも、地域によっては事業者同士が競争しているケースも耳にしました。
そこで私たちは既存の事業規模を拡大するのではなく、もっと地域の福祉・介護の課題に根ざして多角的な事業を展開していこうと考えています。2024年からスタートしたデイ施設内の学童クラブもその一環です。
また、事業の多角化と同時並行で、私が抱えている事務の仕事は職員さんに少しずつお任せしていきたいと思います。
―― デジタル化に課題を感じている企業に向けて、メッセージをお願いします。
久保さま:福祉・介護の業界全体の課題として、デジタル化が進まずに紙で業務を回している現場がまだまだ残っていることが挙げられます。職員さんもプライベートではスマートフォンやアプリケーションなどのデジタルを活用できている一方で、仕事になると途端にアナログになってしまうのです。もちろんアナログな方法にもメリットはありますが、利用者さまに対してより良いサービスをご提供することに繋がるのであれば、積極的にデジタル活用を模索するべきです。
上記ソリューション導入期間は2023年9月~です。
*文中に記載の組織名・所属・肩書・取材内容などは、すべて2024年9月時点(インタビュー時点)のものです。
*上記事例はあくまでも一例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。
株式会社アモリア
地域に暮らす人生の先輩方への恩返しと、地域福祉への貢献を企業理念に掲げる株式会社アモリア。群馬県高崎市吉井町(よしいまち)を拠点に置く同社では、住宅型有料老人ホーム「咲の樹(えみのき)」やコンセプト型デイサービス「料理とものづくり」といった福祉・介護、そして学童クラブ「アモリアキッズ」を運営しています。
高崎市吉井町で生まれ育った久保さまは、同社の代表取締役としてさまざまな事務作業をこなしながら、福祉・介護の現場で利用者さまへのサービス提供や交流も大事にされています。2024年9月には事業を拡大し、学童クラブ「アモリアキッズ」のサービス提供を開始。子どもや高齢者が、幸せを感じられる暮らしを住み慣れた地域で実現できるよう、福祉拠点の創出に取り組んでいます。
代表取締役 久保さま