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行政DXとは?抱えている課題、推進のための政策、取り組み事例を紹介

行政DXとは行政のシステムをデジタル化して、住民が便利で簡単に行政の手続きをできるようにする取り組みのことです。2025年の崖を目前として、行政DXに注力したいと思っているものの、どのような取り組みが最適なのか分からない方もいるでしょう。

そこで本記事では行政DXの概要や課題、行政DXを推進するための政策を解説します。NTT東日本と締結した行政DXの取り組み事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

行政DXに関するサービスや自治体事例などNTT東日本のクラウドエンジニアにてご紹介いたします。お気軽にお問い合わせください。

1.行政DXとは?

行政DXとは行政のシステムをデジタル化して、住民が便利で簡単に行政の手続きをできるようにする取り組みのことです。

もともとDXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略称で、デジタル技術を有効活用して仕事のスタイルや生活のスタイルを変化させることを指します。

DXはよく企業などの改革として取り上げられることが多いですが、企業に限らず行政や自治体にも当てはまるでしょう。

DXの取り組みの中でも、行政DXと似ている自治体DXがあります。行政DXと自治体DXの大きな違いは、対象とする規模やスケールが異なる点です。

自治体DXは自治体が対象となり、地域社会のニーズに対応するためにデジタル化をめざす取り組みのことです。

一方、行政DXは国全体の政府に焦点を当てています。国全体に関わる行政運営やサービスの効率化をめざすための取り組みのため、行政DXが実現すれば全ての国民が恩恵を受けられることになるでしょう。

自治体DXも行政DXも、最先端のデジタル技術を活用して仕事の効率アップをめざしています。住民に快適な暮らしを提供することに変わりはありませんが、対象者とスケールの大きさに違いがあるのです。

詳しく自治体について知りたい人は別記事「自治体DXとは?推進計画や先進事例、課題、手順をわかりやすく解説」を参照ください。

2.行政が抱えている課題

行政DXが進まないのには、行政が抱えている深刻な課題があるからです。

行政が抱えているおもな課題は、以下3つです。

  • 労働人口の減少
  • 旧態依然の組織体制
  • 専門人材の不足

順番に解説します。

2-1.労働人口の減少

行政機関が抱えている課題として、少子高齢化が進み労働人口が減少していることが挙げられます。特に都市部に比べ地方は人口減少が著しく、消滅の危機にさらされている地方の自治体もあります。

都市部の自治体でも現状の労働人口が減少しているため、今の事業だけで手一杯の状態です。結果、DXに取り組むための人材確保ができず、今いる職員だけでの対応が困難な状態に陥っています。

2-2.旧態依然の組織体制

行政機関などの大きな組織は、特に旧態依然の組織体制が根強く残っています。そのため新しい改革をしようとしても、組織体制が変わらずうまく進んでいかないのです。

紙ベースの手続きや書類がいまだに多く、オンラインのシステムが発展しているのにも関わらず対応できていません。また縦割り行政のため各省庁と自治体などで同じ内容の仕事をしているにも関わらず、システムが統一化されていない点も問題視されています。行政機関や自治体は、個々にシステムや仕組みを導入しているため、行政機関同士や行政機関と自治体が連携しようと思っても連携ができません。

また職員によってはデジタル技術に慣れておらず「デジタル活用に順応できるか」などの懸念を持っている方もいます。そのため情報推進課は提案しているDXの取り組みが問題ないと感じていても、窓口担当課ではうまく対応ができるのか不安があり、なかなか進まないのです。

2-3.専門人材の不足

労働人口が減少しているのにも関わらず、DXの知識がある人材はIT企業に集中してしまい、慢性的な人材不足となっている点も課題です。行政機関では、クラウドなどデジタル化に関する専門的な知識を持つ専門家が少なく新たな専門人材の採用も企業に流れてしまいます。

通常、企業であれば技術競争が起こりDX推進されますが、行政機関は競争する相手がいません。そのため、今の状態で問題ないと感じてしまい、技術の向上も企業のようには進みにくいといえるでしょう。

行政DXに関するサービスや自治体事例などNTT東日本のクラウドエンジニアにてご紹介いたします。お気軽にお問い合わせください。

3.行政DXを推進するための政策例

行政DXを推進するための政策例は、以下4つです。

  • 行政手続オンライン化
  • ガバメントクラウド
  • 公共サービスメッシュ
  • 書かないワンストップ窓口

順番に解説します。

3-1.行政手続のオンライン化

行政の手続きのオンライン化を進めれば、より行政DXの推進が図れます。

オンライン化の3原則を行政では取り決めており、3原則を原則としてオンライン手続きができるよう進めています。

オンライン化の3原則は以下の通りです。

  • オンラインで完結すること
  • 二度の提出は不要
  • 行政・民間サービスどちらもワンストップで複数の手続きを可能とすること

オンライン化の大きな取り組みとしては、マイナポータルが挙げられます。マイナポータルでは、行政や自治体で行われる手続きがオンラインでできます。

たとえば以下のような手続きや検索が可能です。

  • 母子手帳の手続き
  • 保育園入所申し込み
  • 介護保険負担限度額認定申請
  • 要介護認定申請
  • 年金金額の確認
  • パスポート申請など

地域によって手続き可能な内容は変わるものの、オンライン化は進んでいます。一方、課題として都市部と地方部では、やはり地方部の方がオンライン化は遅れています。全国の行政機関や自治体が均等にオンライン化できるとともに、利用する住民に対してもオンライン化を認知し活用してもらう工夫が必要でしょう。

3-2.ガバメントクラウド

ガバメントクラウドとは、政府が構築した情報システムで行政と自治体のみが使用できます。情報システムをガバメントクラウドに移行することで、自治体と行政が同じシステムを利用できるようになります。

共通のシステムを活用することで、自治体同士や行政と自治体の連携が取りやすくなり、よりスピーディな手続きが可能です。

2025年末までに、子どもや戸籍関連、税・保険・年金などの20業務をガバメントクラウドに移行しなければなりません。ガバメントクラウドに移行すれば、セキュリティの強化や行政機関同士の連携が容易になります。そのため、国全体で行う行政の業務が一元管理できるようになるといったメリットが得られます。

ガバメントクラウドについて詳しく知りたい方は、別記事「ガバメントクラウドとは?概要や開始時期、自治体の活用メリットなど」を参考にしてください。

3-3.公共サービスメッシュ

行政DX化を推進するためには、公共サービスメッシュの活用も必要です。公共サービスメッシュとは、行政が所有しているデータを自治体や行政機関同士が連携できる「情報連携基盤」のことです。

今までは行政機関ごとに持っている情報は個々に活用しており、ほかの行政機関と連携することが難しい環境でした。この先公共サービスメッシュを活用すれば、個々の行政機関や自治体の垣根を超えてデータの活用が可能となります。

またデータの連携ができることから住民がオンラインで申し込みをする場合も、よりスピーディな対応が可能です。

3-4.書かないワンストップ窓口

行政の窓口でもある自治体が「書かないワンストップ窓口」をすることで、窓口DXが進みます。書かないワンストップ窓口とは、SaaSを活用し来庁した住民に対して書類を書かずにワンストップで手続きが完了できる仕組みです。

具体的な取り組みは以下の通りです。

  • 住民や職員に対し必要な手続きの流れを説明する機能
  • 手続きに必要なデータをバックヤードのデータを利用し入力・表示する機能
  • マイナンバーを活用して自己情報の入力が不要になる機能
  • ほかのサービスとAPI連携ができる機能

自治体窓口DX(書かないワンストップ窓口)に関する取組状況説明によると、令和4年度約70自治体が窓口DXに取り組んでいます。今後も増えていくことで、住民と職員の負担が軽減するでしょう。

4.行政DXの取り組み事例

NTT東日本では自治体と連携し、行政DXの取り組みを行っています。本章で紹介する2事例以外にも、取り組み事例を確認されたい方は、下記のページよりご確認ください。

NTT東日本の自治体クラウドソリューション

4-1.行政サービスの向上・働き方改革の推進(千葉県南房総市)

千葉県南房総市とNTT東日本は、DX推進の連携締結を行いました。千葉県南房総市は住民の行政サービスを向上させ、働き方改革の推進を行うためにも行政DXに取り組んでいます。

大きな取り組みとしては、行政のオンライン化です。子育てや引越しなどのライフイベントに関する手続きから中心に電子申請システムを推進しています。さらに、庁内の業務を効率的に行えるよう環境を整え、より職員の働き方に合った改革に取り組む予定です。具体的には、テレワークができる内容を選定・検討・実施をして、市職員の働き方改革の推進をしています。

詳しい内容は以下のニュースリリースを参照ください。

NTT東日本:南房総市とNTT東日本 千葉事業部がDX推進に関する連携協定を締結しました

4-2.地域・行政のDX推進(新潟県長岡市)

新潟県長岡市では、イノベーション都市を実現するためのひとつとしてDXにも取り組んでいます。企業DXや自治体DXを推進し、より市民の生活が豊かで産業が発展する都市にするべくNTT東日本と連携して実現に向かっています。

この先より発展できるためにも人材育成は重要なため、DX人材育成にも注力中です。さらにはICTを活用し、eスポーツなどの新しい文化に取り組んだり最先端技術を取り入れたアートやデザインにも力を入れたりしています。

具体的な取り組みについては、以下のページを参考にしてください。

長岡市:「イノベーション都市 長岡」の実現に向けた長岡市と東日本電信電話株式会社との連携協定の締結について

5.行政DXの推進ならぜひNTT東日本にご相談ください

行政DXの推進でお悩みの方は、ぜひNTT東日本にご相談ください。NTT東日本の自治体クラウドソリューションでは、クラウドを活用した行政DX推進のフルサポートが可能です。

AWSやMicrosoft Azureの有資格者であるプロが、クラウドの構築や運用までサポートするので、知見がなく困っている方でも安心して取り組めます。

お悩みに寄り添い課題解決に協力するパートナーとして最適ですので、興味のある方は下記ページをご覧ください。

NTT東日本の自治体クラウドソリューション

行政DXについてまとめ

行政DXとは行政のシステムをデジタル化して、住民が便利で簡単に行政の手続きをできるようにする取り組みのことです。

行政DXの推進がなかなか進まない背景として、労働者や専門人材の減少と、旧態依然の組織体制が根強く残っていることが挙げられます。できる限り推進を早めるには、政府が構築したガバメントクラウドや公共サービスメッシュなどをより有効活用し、住民が住みよい世界にしていくことが大切でしょう。

一方、課題が多く行政DXを進めたいけれどなかなか進まずお困りの方は、NTT東日本の自治体クラウドソリューションのご相談ください。

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