商業施設の安全管理に人の目を超えたAIが効果を発揮!
シーンとリスク別に解説
お盆や夏休み、正月などの年末年始、そしてゴールデンウィークやシルバーウィークなどの行楽シーズンは人流が増えて、至るところで混雑が発生します。そのために事件や事故などのトラブルも起きやすくなりますが、特に注意が必要なのはショッピングモールやテーマパークなどの商業施設です。利用者や訪問者が急増して施設内がにぎわうことから、事前の安全管理が不可欠になるのです。
本記事では、行楽シーズンや長期休暇などの繁忙期に起こりやすいトラブルから、高い精度の異常検知AIがもたらす解決策や、AIが効果を発揮するポイントをシーン別に解説します。商業施設や他の施設におけるセキュリティ対策として、先端AIの導入を考えていきましょう。
人出が増える長期休暇や行楽シーズンにはこんなトラブルが発生
冒頭で紹介したように、人出が増える長期休暇や行楽シーズンには、各地の商業施設に多くの人が訪れます。ショッピングだけではなく、映画などのエンターテインメントやキッズスペースなどで楽しむ家族やグループの来場者も多くなります。そこで注意したいのが、人流の増加や混雑の発生によるトラブルです。
繁忙期の商業施設には、下記のような4つの事故や事件が発生するリスクがあります。
混雑による雑踏事故:人混みが激しくなって将棋倒しや群衆雪崩と呼ばれる雑踏事故が起こりやすくなる
不審者による傷害:刃物などを持った不審者による切りつけなどの通り魔事件が起こる
子どもを狙う犯罪:連れ去りなどで子どもが被害に遭う
高所やエスカレーターでの事故:子どもが高所から転落したり、エスカレーターに巻き込まれたりしてトラブルが発生する
あらゆるシーンで安心と安全が求められる中、商業施設でも高いレベルでのセキュリティ・安全対策が求められています。施設を楽しく利用していただけるためには、ICTやAIなどデジタルを積極的に活用した「施設DX」を考えていかなければなりません。
施設DX――AIがトラブルを未然に防ぐ
前項で繁忙シーズンの商業施設が想定すべきリスクを挙げましたが、近年はAIを活用してトラブルに備える動きが活発です。小売業やディベロッパー、不動産会社など商業施設の関係者は、行動認識AIを採用した異常検知AI「AI Security asilla(アジラ)」(以下「asilla」)に関心を寄せています。「asilla」はカメラによって映像情報を取得し、行動認識AIがリスクの高い行動を推定。その結果をアラートとして出力する仕組みで、商業施設での利用ニーズが高まっています。
「asilla」は高精度の行動認識AIを搭載しており、人間の動きを非常に高い精度で検知します。このため、先に挙げた「雑踏事故」「不審者」「子どもの連れ去り」「エスカレーターの転倒」といったリスクをスピーディーに察知できるのです。
「asilla」の導入によって防犯カメラがカバーする範囲は広がり、警備員との効果的な連携も視野に入ります。既存の防犯体制にデジタルの要素をかけ合わせ、商業施設は全体でセキュリティレベルを向上させることができます。これこそ、現代の商業施設に求められる「施設DX」と言えるでしょう。
4つのリスクに対して、「asilla」はどのように力を発揮するのでしょうか。リスクごとにケーススタディを見ていきましょう。
【活⽤ケーススタディ①】混雑による雑踏事故を防ぐ
2022年10月に韓国・ソウルの梨泰院で発生した雑踏事故は記憶に新しいところです。ハロウィンのイベントにあたり、短時間で多くの人が狭いスポットに集中し、雑踏による事故が起こりました。警備当局は事前に事件クラスの混雑を想定しておらず、警備体制が十分ではなかったと指摘されています。大量の警備員を投入して歩行を規制するのが従来の人流対策ですが、危険度の高い混雑はいつどこで発生するか分かりません。マンパワーによる交通規制のみでは、雑踏事故を完全に防ぐことが困難なのです。
「asilla」は、既設の防犯カメラの映像を解析し、次のポイントのように混雑発生の前に検知、通知が可能です。
- 取得した映像により、特定エリアにいる人数をリアルタイムにカウントする
- 特定エリアの混雑が一定の状況に達したらアラートを発する
混雑が発生して危険な状態になる前に検知することで、該当エリアへの人流を適切に調整することができます。リアルタイムの検知・通知をスムーズに行うためには、防犯カメラの電源やインターネットの接続状況の確認が注意点になります。
【活⽤ケーススタディ②】不審者による傷害や子どもの連れ去りを察知する
商業施設は多くの方に開かれているスペースで、不特定多数の人が訪れるのが特徴です。このため、混雑に紛れて不審者が侵入したり、誘拐目的で子どもを連れ去ったりする事件が発生する恐れがあります。特に子どもをねらった犯罪が問題となっていることもあり、多くの商業施設は警備体制を強化してきました。その一つが、防犯カメラを増設するというアプローチです。しかし、これまでは映像を確認するのは目視が前提となっていました。さらに商業施設は広大で通路や壁などで死角になるスポットも点在します。人のみに頼った警備には限界があったのです。
「asilla」の行動認識AIは、次の流れで事件や事故の発生を未然に防ぎます。
- AIが映像を解析し、「違和感行動」の分析によって連れ去りなどの不審な行動を起こしそうな人物を特定する
- 不審者を特定するとアラートを発して、警備担当者が対応する
人の動きに特化した行動認識AIを活用して不審な動きをしている人物を特定できる「asilla」の活用で事件や事故の発生を予見し、スピード感を持った対応を可能にします。
【活⽤ケーススタディ③】高所やエスカレーターでの事故を未然に防ぐ
ショッピングモールやテーマパークなどは複層の構造が多くなっています。そこで懸念されるのが、上階から手すりを越えて子どもが身を乗り出して起こる転落事故です。また、行き来に便利なエスカレーターにも危険が潜んでいます。ベルトの巻き込み口に手を挟まれるなど、子どもならではの不意な行動がもたらす事故も起きています。
しかし、すべての手すりやエスカレーターに警備員を配置するのは現実的ではありません。マンパワーのみの警備では、これらの事故を完全に防ぐことはできないのです。そこで対策に効果を発揮するのが「asilla」の行動認識AIです。次のステップで危険な状況を把握し、スピード感を持った対応ができます。
- 防犯カメラの映像を「行動認識AI」によって解析し、危険につながる行動をリアルタイムで把握できる
- 「子どもが手すりから身を乗り出す」「エスカレーターで遊んでいる」といった振る舞い、動きを「違和感行動」として検知し、アラートを発する
- アラートによって 警備員が現場に駆けつけて対応する
「asilla」が解決するのは危険行動の察知や警備対応の支援だけではありません。「違和感行動」を分析することで、施設内でリスクのあるスポットを可視化できます。これによって動線の変更を検討したり、警備行動を強化したりすることで、高所からの転落やエスカレーター巻き込み事故が発生するリスクを軽減することも可能です。
AIが警備をネクストステージへ――「asilla」導入のメリットとは
商業施設内で「asilla」が力を発揮し、事故や事件を未然に防ぐケーススタディを見てきました。ここで、「asilla」導入のメリットをまとめて解説していきます。
メリット① 365日24時間、不休でモニタリングできる
防犯カメラが24時間稼働していても、その映像を解析するマンパワーには限界があります。映像は人だけですべてを見ることはできません。そこで、常に目を光らせて映像を監視するのが映像AIです。「asilla」によって、365日24時間、抜け漏れのないフルモニタリングを実現します。AIだけに休憩は必要なく、眼が疲れて不審者や危険行動を見落とすこともありません。カメラの設置台数が100台~1000台単位だったとしても、映像を緻密に監視・解析できるのです。
メリット② 「違和感検知」で事件や事故の予兆を察知する
「違和感検知」とは、通常の行動からかけ離れた不審な行動や、違和感のある動きを検知する機能で、「asilla」が独自で持っている特許技術です。人力のみに頼っていた警備行動は「事故や事件の発生後」に限られており、どうしても後手に回った対応になっていました。「asilla」の「違和感検知」により、先手を打った対応、つまり警備や防犯・保安対応も「予防」からアプローチできるのです。
防犯カメラと「asilla」の組み合わせは事件や事故の予防に限ることなく、「迷惑行動の検知」「見守り」「人数のカウント」と多様な警備ニーズに対応します。これにより、商業施設のセキュリティ体制を強固にできます。
メリット③ 防犯性を高めるための初期コストはゼロ
「asilla」は既設カメラの映像を解析し、不審行動や危険行動を察知するAIです。新たに防犯システムやカメラを導入する必要はありません。このため、導入時のコストを低く抑えられるのが特徴です。カメラを増設するなど、設置環境が変わっても柔軟な対応が可能です。これは長期運用時のコスト低減につながるでしょう。
複数の商業施設を保有している場合、既存カメラとAIを組み合わせることで人的コストも低減できます。このように、「asilla」は効率的で安全性の高いセキュリティ基盤を実現しつつ、導入や運用といったコスト面でも大きなメリットがあるのです。
※「AI Security asilla」の名称・ロゴは、⽇本国およびその他各国において株式会社アジラの登録商標です。