LGWAN-ASPとは？サービス構成やメリットをわかりやすく解説

1.LGWAN-ASPとは？

LGWAN-ASPとは、LGWANを介して、公益法人や民間企業などの地方公共団体に各種行政事務サービスを提供する事業者やサービスのことです。

LGWAN（エルジーワン：Local Government Wide Area Network）とは地方公共団体の庁内LANを相互に接続した行政専用のネットワークで、インターネット等のパブリックネットワークと切り離された「閉域ネットワーク」として構築されています。

LGWAN-ASPの主な目的は、地方公共団体のIT化の促進と、地方公共団体の間で存在するIT格差の是正です。IT格差においては、品質やサービスレベルの高いアプリケーションを共同で利用していくことにより、格差の解消が期待されます。

また、地方公共団体が標準的で経済的なシステムを導入し、運用していくことも、目的のひとつです。LGWANは汎用的なネットワークであるため、地方公共団体それぞれで個別回線を引く必要がなく、情報システムの重複投資を抑制できるため、システムの維持や運用費削減にも繋がります。

LGWANについて、詳しくは以下の記事で解説しています。LGWANの仕組みや接続、利用するメリットやデメリットなども記載していますので、ぜひ一度読んでみてください。

関連記事：LGWAN（総合行政ネットワーク）とは？概要をわかりやすく解説

2.LGWAN-ASPを構成する5種類のサービス

LGWAN-ASPは以下の5つのサービスで構成されています。

• 1. アプリケーション及びコンテンツサービス
• 2. ホスティングサービス
• 3. ファシリティサービス
• 4. 通信サービス
• 5. ネットワーク層および基盤アプリケーションサービス

地方公共団体が直接ユーザーとして利用するサービスは、はじめに解説する「アプリケーションおよびコンテンツサービス」です。アプリケーションおよびコンテンツサービスを含む5つのサービスを、順番に見ていきましょう。

2-1.アプリケーションおよびコンテンツサービス

地方公共団体が直接利用するサービスがアプリケーションおよびコンテンツサービスです。各種アプリケーションおよび情報コンテンツなどが提供されており、具体的には電子申請や届出、行政情報共有、電子入札、調達などがあります。

2-2.ホスティングサービス

LGWAN-ASPを構成する2つ目のサービスは、ホスティングサービスです。ホスティングサービスはアプリケーションを稼働させるために必要なサーバー機器の提供や、運用管理を行ってくれます。

2-3.ファシリティサービス

ファシリティサービスは、上記で紹介したホスティングサービスを構成するための機器を設置するためのスペースや電源、空調などの設備を提供するためのサービスです。

2-4.通信サービス

通信サービスは、ホスティングサービスの構成機器をLGWANに接続する際に必要な、専用回線を提供するサービスです。

2-5.ネットワーク層および基盤アプリケーションサービス

ネットワーク層および基盤アプリケーションサービスは、IPアドレスやドメイン名管理、基本プロトコル郡および認証基盤、LGWAN電子文書交換システムなどのアプリケーション基盤なども提供しています。

紹介した5つの構成によって成り立っているLGWAN-ASPのサービスのうち、地方公共団体の利用するサービスはアプリケーションおよびコンテンツサービスと前述しましたが、ホスティングサービスやファシリティサービスはアプリケーションサービス提供者が、通信サービスはホスティングサービス提供者が利用しています。ネットワーク層および基盤アプリケーションサービスはLGWANの利用団体や、LGWAN-ASPの提供者が、運用や管理を行う際に利用するものです。

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3.LGWAN-ASPにおけるメリット

LGWAN-ASPを構成するサービスを見てきましたが、ここからは庁内情報基盤管理者とサービス提供者それぞれのメリットについて解説します。

3-1.庁内情報基盤管理者のメリット

庁内のシステムを管理する庁内情報基盤管理者にとって、LGWAN-ASPにおけるメリットは、以下の3つです。

• LGLAN環境があれば、新たな回線敷設や端末設置、個別端末の設定の必要がない
• システム開発の必要がないため、多くの人員を抱える必要がない
• 短期間でのサービス導入が可能である

庁内情報基盤管理者にとってシステム開発の必要性がなく、回線の敷設や端末設置、個別端末の設定をせずに運用できるLGWAN-ASPは、管理作業の効率化に繋がります。

庁内情報基盤管理者としての多くの人員を割く必要もなく、開発費や運用保守費が低コストとなる点も、大きなメリットといえるでしょう。

またLGWANというすでに提供されているサービスを利用するため、短期間でのサービス導入が可能です。サービスの機能および品質が充実しているため、安定的なサービス提供も期待できます。

3-2.サービス提供者のメリット

庁内情報基盤管理者についてメリットを解説しましたが、サービス提供者にとっても、LGWAN-ASPを利用すれば、以下のメリットがあります。

• 高度なセキュリティを確保できる
• 接続環境の共用が可能となる
• サービスの拡充や追加が容易である

インターネット回線とは異なる閉域回線であるLGWANは、非常に高度な情報セキュリティ対策が施されています。

人々の重要な情報を扱っている行政サービスを提供するために、情報漏えいの危険が少ないLGWANを利用して高度なセキュリティの確保ができることは、サービス提供者にとって大きなメリットといえるでしょう。また接続環境の共用が可能で、一度環境を構築すれば、容易にサービスの拡充や追加ができる点も、大きなメリットです。

上記の他にもアプリケーション基盤として利用できたり、販売促進にも利用できるなど、多くのメリットがある点は、サービス提供者にとって見逃せないポイントといえます。

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4.LGWAN-ASPサービスリストについて

LGWAN-ASPのサービス提供者となるためには、総合行政ネットワーク運営主体へLGWAN-ASP参加資格審査を申請し、受理されなければいけません。さらにLGWAN-ASP参加資格を取得した後、提供したいサービスを申請し、受理されることで、LGWAN-ASPの提供者としてサービスの提供が行えます。

一方でLGWAN-ASPサービスの利用を希望する地方公共団体は、サービス提供者が定める利用約款等に基づき、許諾を得てサービスの利用ができますが、利用に当たっては、アプリケーションサービス提供者に直接申し込まなければなりません。登録済み、接続済みのLGWAN-ASPサービス提供者のリスト「LGWAN-ASPサービスリスト」は、以下のURLで公開されています。

地方公共団体情報システム機構「LGWAN-ASPポータルサイト」

LGWAN-ASPサービスリストでは、ASPサービス種別や提供地域、サービス分類、キーワードなどから探せます。検索するとサービス名や概要、問い合わせ先などが表示されるため、利用を希望するサービスの条件を入力して探してみてください。

5.LGWANに対応したクラウドサービスの活用ならNTT東日本にご相談ください

LGWAN-ASPを利用すれば、地方公共団体間のIT格差の是正やIT化の促進、標準的で経済的なシステム運用が行えるだけではなく、庁内情報基盤管理者にとっても回線敷設や端末設置が必要ないため、運用保守の面で作業軽減に繋がるなど、大きなメリットが期待できます。

しかし、いざLGWAN-ASPを利用して地方公共団体で新たなサービスを構築しようとしても、担当者の経験や知識が豊富ではない場合、自信をもって行うことができない方もいるのではないのではないでしょうか。

そこでNTT東日本では、自治体向けのアプリケーションサービスを、独自のクラウド基盤を活用してLGWAN経由でご利用いただくサービスを提供しております。パートナー企業は、NTT東日本が保守や運用を行っているクラウド基盤上で、地方公共団体向けにさまざまなアプリケーションサービスを提供し、地方公共団体はパートナー企業と契約いただくことで、アプリケーションサービスを手軽に利用できます。

現在パートナー契約をさせていただいている企業の提供するアプリケーションは、会計システムやネットワークセキュリティ監視、行政情報の管理や共有からふるさと納税管理システム、保育業務支援システム、公園管理情報マネジメントシステムなど、さまざまなものがあります。クラウドサービスの提供イメージや提供範囲、パートナー企業提供の地方公共団体向けアプリケーション一覧は、以下のページにて掲載しています。

NTT東日本の自治体向けアプリケーションサービス

LGWAN経由で地方公共団体向けにアプリケーションサービスの提供を検討されている企業さまのご相談、お問い合わせフォームもございますので、まずはお気軽にご相談ください。

LGWAN-ASPについてまとめ

LGWAN-ASPは、地方公共団体間のIT格差の是正や、IT化の促進を目的としています。LGWAN-ASPを利用すれば管理者にとってもサービス提供者にとっても多くのメリットがありますが、NTT東日本のクラウドサービスを活用したパートナー企業さまのアプリケーションサービスを、LGWANを経由して利用する選択肢もご検討ください。