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2023.05.29 (Mon)

都市OSとは?スマートシティの基礎知識や特徴、活用メリットをわかりやすく解説

posted by NTT東日本

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「都市OSという言葉は聞いたことがあるけど、どのような価値があるのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。

都市OSは日本の新しい街の姿、「スマートシティ」実現のために必要不可欠とされている、都市の基盤を整えるソフトウェアです。データを連携・活用しつつ、地域住民に適したサービスを提供でき、スマートシティ実現の課題解決に役立つといわれています。

今回の記事では都市OSの特徴や活用するメリット、スマートシティとの関連性についてもまとめています。都市OSについて基本的な知識を知りたいという方や、より詳しく知りたいという方にも都市OSについて理解を深められる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。

1. 都市OSとは?スマートシティについても解説

都市OSとスマートシティの関連性について知るには、それぞれどのような意味と役割があるのかを知っておく必要があります。この章では都市OSとスマートシティについて、概要を解説します。

1-1. 都市OSとは

都市OSは、都市のインフラを支えるソフトウェアです。行政や物流、交通など人々が生活するうえで欠かせない生活インフラを動かす基盤を都市OSと呼びます。

OSはそもそもパソコンやスマートフォンの中にある「基本システム」「オペレーションシステム」です。パソコンならWindowsやmacOS、スマートフォンならAndroidやiOSといった名称は、馴染みがあるという方も多いでしょう。

パソコンやスマートフォンのユーザーは、OSという基盤を介してパソコンやスマートフォンを操作したり、アプリを動かしたりできます。もしOSがなければ、アプリが使えないだけでなくインターネットに接続もできず、電話やメールもできません。

都市OSも同様に、住民がさまざまなサービスを受けられるように連携する役割を持っています。人々の生活を支える都市の機能の基盤である都市OSを活用することで、さまざまな事業者や行政が提供するサービスや機能を自在に連携し、より適切なサービスを住民に届けられるようになります。

内閣府は、2020年3月に「スマートシティリファレンスアーキテクチャ(都市OSの要件)」を発表しました。スマートシティ実現のために必要とされる要素などをまとめており、要件を満たした都市OSを設計していくことで、政府が推奨する基準に沿った都市OSを構築し、スマートシティを実現できるとしています。

参照元:「SIPサイバー/アーキテクチャ構築及び実証研究の成果公表」内閣府

1-2. スマートシティとは

スマートシティは、デジタル技術を活用した人々にとって住みよい都市を意味します。

スマートシティについて内閣府は、下記のように定義しています。

“スマートシティは、ICT 等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場と定義されています。”

参照元:「スマートシティ」内閣府

「Society 5.0」はサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)とを高度に融合させることで、経済発展と社会問題の解決を両立する人間中心の社会です。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く5番目の日本社会の姿として提唱されました。新技術を活用し、これまでの社会では不足していた知識や情報の共有を可能にします。

スマートシティはSociety 5.0を実現した街です。知識や情報を正しく共有し、さまざまな社会問題を解決して人々にとって住みよい街をつくります。サービス間や事業分野、官民の垣根を超えてシステムを連携していく必要があり、その基盤として注目されているのが都市OSです。

2. 都市が抱えてきたシステムにおける課題

都市OSが注目されるようになった背景には、ICT技術が発展して各自治体のサービスが便利になった点があります。

各自治体によってシステムが開発されましたが、それぞれのサービスが単体での利用を想定していたため、データ連携や他地域への展開が難しくなっていました。

たとえば、ワクチンの接種券は市区町村で無料で配布されます。通常は1回目が終われば2回目が配布されますが、1回目と2回目の間に引越してしまうと1回目の接種データが市区町村に連携されず、申請しないと2回目の接種券が配布されないといった事態に陥ってしまいます。

システムの規格を統一する都市OSでは、そのような引越したときの市区町村間の連携をスムーズにするほか、情報連携で渋滞問題などの解決も期待されています。

3. 都市OSの3つの特徴

内閣府が発表した「スマートシティリファレンスアーキテクチャ(都市OSの要件)」において、都市OSの特徴として下記の3点を挙げています。

  • ・相互運用
  • ・データ流通
  • ・拡張容易

この章では、それぞれの要素について1つずつ見ていきましょう。

3-1. 相互運用

従来のシステムでは、各地域に特化した規格で開発されていたため、他の地域やサービスへの横展開が厳しくなっていました。

都市OSはそこをカバーすべく、各地域間で共通の機能や外部に公開可能なシステム・サービスを構築します。各地域の成功事例や有用なサービスを相互に共有できるようになれば、各地域の発展につながり地域格差も軽減されるでしょう。

3-2. データ流通

これまでは産業や地域など分野・組織ごとに独立したデータを持っていたため、他サービスへの提供が困難でした。

都市OSの活用により、それぞれ蓄積していたデータを連携できるようになれば、前述したようなワクチン接種券などの問題を解決できます。

単純にデータを仲介・連携するといっても、さまざまな事業分野・組織ごとのデータは多岐にわたります。地域内の地理空間データやパーソナルデータ、統計データや他地域のデータなど幅広い種類のデータを適切に連携する仕組みが必要になります。

3-3. 拡張容易

システムを継続的に維持・発展させ続けるには、各自治体のめざす地域像や各地域で解決すべき課題に合わせ、機能を拡張・更新していく必要があります。

しかし、これまでのシステムは独自性が強く、またシステムそのものが拡張性に劣っていたため、他サービスに連携するのが厳しく継続的にシステムを進化できませんでした。また、拡張しにくい仕組みであるにもかかわらず拡張に多大なコストや労力を費やしているという現状もあります。

都市OSに規格が統一されれば、利用する機能やアーキテクチャに併せてシステムの拡張・更新が可能になります。

4. 都市OSを活用する3つのメリット

都市OSを活用するメリットは下記の3つです。

  • ・複数のサービスで連携できる
  • ・他の都市と連携できる
  • ・事業分野・官民で連携できる

都市OSを活用することで、サービスや都市の間で横のつながりが強化されます。この章では、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。

4-1. 複数のサービスで連携できる

都市OSを整えると、複数の個別サービス間の連携が可能となります。

ワンストップで複数のサービスを利用できるので、わざわざシステムを変えたりデータを送ったりする必要もありません。

またサービスを利用するユーザーの属性や嗜好に合わせ、適切な情報を提供できるため、利便性や利用率の向上につながります。

4-2. 他の都市と連携できる

他の都市と連携できると、引越しや単身赴任などで都市間を異動するときに役立ちます。

前述したように、従来のシステムでは規格にばらつきがあり、引越しや単身赴任の際には移動先の市区町村にデータを転送するなどして連携する必要があります。

都市OSの活用ですでに他の都市と連携できていれば、引越しや単身赴任で移動した後の手続きがスムーズになるでしょう。

また、他の都市と連携することでより広域な情報収集が可能になり、より効果的な情報を集約できます。

4-3. 事業分野・官民で連携できる

事業分野間・行政と民間との間で連携できるようになると、より有益なサービスの構築が可能です。

住民に必要な行政のサービスを提供しやすくなるのはもちろん、渋滞対策や防災対策が可能になります。たとえば民間の道路通行データと行政のハザードマップを連携させれば、より高度で住民にも活用しやすい防災対策が可能になるでしょう。

一方で、都市OSはさまざまなデータを利活用するうえで、情報セキュリティの担保やプライバシー保護の課題なども残っています。

5. NTT東日本「都市OS(FIWARE) on REIWA」でスマートシティを実現

スマートシティ実現に向けて、都市OSの整備が必要になります。しかしいざ取り組みたいと思っても、どこから手をつければ良いのかわからないという自治体の方もいるでしょう。

NTT東日本が提供する「都市OS(FIWARE) on REIWA」は、政府が提示する要件を満たしつつ、地域の環境整備を可能にするソリューションです。

「都市OS(FIWARE) on REIWA」は、オープンデータとパーソナルデータ、双方を活用できるという特徴があります。各種サービス提供に向けて、自治体の公開情報やIoTデバイスなどが生成するオープンデータ、また、住民・通勤者・訪問者などに起因するパーソナルデータ、これら双方のデータ活用が可能です。

また、地域に有効的なデータの活用と、気密性の高い運用の両立という特徴もあります。IoT機器などからのオープンデータは「地産地消」に役立てられます。パーソナルデータは「保管場所」の確保と「高信頼のおける保持・運用体制」を構築可能です。政府の要件を満たしつつ地域の情報インフラを整えたいと考えている方は、以下のリンクを参考にしてください。

都市OS on REIWA

6. まとめ

都市OSは、人々がより快適に暮らせる社会であるSociety 5.0、スマートシティを実現する都市の基盤です。都市OSを整え利便性の高いサービスを提供できるようになれば、さまざまな社会問題を解決してより充実した生活を送れるでしょう。

都市OSの活用に取り組みたいという自治体の方は、ぜひ「都市OS(FIWARE) on REIWA」の導入を検討してみてください。

都市OS on REIWA

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