2020年11月04日

リモートワーク

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好業績企業はリモートワークを実施?

好業績企業はリモートワークを実施?
ポイント
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ネットワーク環境の整備
モバイル端末の支給
規制の変更や労務管理の調整
目次
リモートワークを導入すると業績がアップする!?
リモートワークで、時短以外の具体的な成果を生み出した企業も
リモートワーク導入におけるポイントは3つ

売上拡大と業務時間削減――。企業にとってはどちらも重要ですが、両立するのは大変です。ですが、それを解決する手段の一つとして注目されているのがリモートワークです。ある資料では、リモートワーク導入企業の方が売上、経常利益ともに増加傾向にあるという結果もあります。実際にリモートワーク導入で付加価値を創出した中小企業の事例とともに、導入のポイントを紹介致しますので是非ご一読ください。

リモートワークを導入すると業績がアップする!?

時短だけで終わらせない。業務もアップさせるポイント

国をあげて働き方改革が推進されている中、多くの企業が業務時間削減に注力しています。ですが、業績・売上向上などが目的にならないと、企業としての働き方改革は意味をなしません。業務時間を削減しつつ、業績・売上向上などの付加価値を生み出すには、どうすればいいのか――。多くの中小企業経営者の方が、こうした複雑な思いを抱いているのではないでしょうか?

そんな経営者の方に見ていただきたい資料があります。東京都産業労働局発表の『東京発!都内企業に学ぶテレワーク実践事例集Vol.2』です。この資料で掲載されているグラフを見ると、売上、経常利益共にリモートワーク導入企業の方が、増加傾向が強いことがわかります。直近3年間では、売上増加企業はリモートワーク導入企業で3.3ポイント多く、増益企業は14.4ポイント多いという結果でした。

増益企業は14.4ポイント多い

:テレワーク未導入(n=2766)
:テレワーク導入(n=90)
出典:2018年度東京都産業労働局『東京発!都内企業に学ぶテレワーク実践事例集Vol.2』の情報を基にNTT東日本が作成

ただ数字だけを出されても、どうやってリモートワークを導入していいのかは分かりづらいのではないでしょうか?。特にコロナ禍の緊急事態宣言中のイメージから『リモートワーク(テレワーク)=在宅勤務』であり、『社員数の多い大企業の話』と思っている中小企業経営者も多いかと思います。
次項では、実際にリモートワークを導入して効果を上げた企業と、中小企業のリモートワーク導入において外せないポイントを紹介致します。

リモートワークで、時短以外の具体的な成果を生み出した企業も

企業1→売上拡大、顧客満足度アップ
ケイアイ
業種:車椅子のオーダーメイド設計・製造・カスタマイズなど

「材料費の上昇で利幅が減少」「非効率な遠方への定期訪問」という経営課題を抱え、このままでは駄目だと危機感を抱いたケイアイ。何かを変えないといけないと考え、リモートワーク導入を決意。営業にノートパソコンとスマートフォンを支給して、外出先からでもインターネットや社内サーバーにアクセスできるよう変更。その結果、業務改善による効率化はもちろん、訪問件数・回数増加によって売上が3割向上。スピーディーな対応で顧客満足度も上がり、社員のモチベーションもアップしたそうです。

経営課題 利幅の減少、非効率な営業
導入概要 営業にモバイル端末を支給し、外出先から顧客情報にアクセス可能に。形態は、モバイル勤務と在宅勤務を状況に応じて使い分けている
導入効果 訪問件数・回数増加により売上が3割向上、スピーディーな提案・報告で顧客満足度アップ

出典:2018年度東京都産業労働局『東京発!都内企業に学ぶテレワーク実践事例集Vol.2』の情報を基にNTT東日本が作成

※導入により得られる効果はお客さまにより異なります。

企業2→人材活用、企業の魅力がアップ
アイエイ・コーポレーション
業種:システム開発・保守

金融業界向けのシステム開発を客先常駐で行っている、アイエイ・コーポレーション。同社の課題は、客先常駐業務がほとんどのため、勤務体系を常駐先のルールに合わせる必要があることでした。その対応のためにリモートワークを導入。まずは2カ月間、10人による週1~2回の在宅、モバイル、サテライトオフィス勤務を実施し、勤怠管理、会議などはICTで対応。その結果、客先常駐での有効時間活用(資料作りなど)だけでなく、サテライトオフィスでの打ち合わせや交渉も可能に。特にサテライトオフィスの会議室はモニターやコネクターといった充実した設備が利用できるので、社員にも好評。さらに、サテライトオフィスの実施が働き方改革を行っていることのアピールとなり、採用応募者に好印象を与え、会社の魅力向上にもつながったそうです。

経営課題 客先常駐する業務が多く、社員の働きやすい環境づくりが必要
導入概要 トライアルで10人による在宅勤務、モバイル勤務、サテライトオフィス勤務を実施。勤怠管理や会議などはICTで対応
導入効果 客先常駐社員の社員が隙間時間を有効活用(資料作り、面談など)。サテライトオフィスの利用が採用応募者から好印象で、会社の魅力が向上

出典:2018年度東京都産業労働局『東京発!都内企業に学ぶテレワーク実践事例集Vol.2』の情報を基にNTT東日本が作成

※導入により得られる効果はお客さまにより異なります。

企業3→人材育成、売上拡大
沖ワークウェル
業種:ITサービス業など

1998年にOKIの社会貢献推進室の活動の一環として、「IT企業として通勤の困難な障がい者に在宅で働く機会を継続して提供したい」と構想。そのために、まずは重度障がい者の就業支援で在宅勤務を開始。障がい者が働くためにICTを使ったリモートワークを実践し、メールやファイルサーバーの共有を行うなど、オフィスと同様の環境を構築。また、コミュニケーションがしっかりとれるようにグループウエア会議システムなども導入。コーディネーターが業務進行・体調管理もチェックを行っている。その結果、障がい者の雇用拡大が実現。さらに、社員間での勉強会も慣習化し、技術力アップに伴う売上拡大にもつながっているそうです。

経営課題 重度障がい者の勤労支援
導入概要 通勤困難な重度障がい者52人が全国19の都道府県で在宅勤務を実施(2019年7月現在)。社員間での肉声の対話が行える会議システムなども導入。コーディネーターが業務進行や体調管理もチェック
導入効果 障がい者雇用の拡大。技術力アップに伴い、売上拡大

出典:2018年度東京都産業労働局『東京発!都内企業に学ぶテレワーク実践事例集Vol.2』の情報を基にNTT東日本が作成

※導入により得られる効果はお客さまにより異なります。

リモートワーク導入におけるポイントは3つ

「リモートワーク導入をしてみよう!」となった時に考えるべきポイントは、以下の3つだと言えます。

  • ネットワーク環境の整備
  • モバイル端末の支給
  • 規則の変更や労務管理の調整

会社のメールや資料を外から利用できるようにするには、ネットワーク環境の整備が必須です。データやアプリを社外から安全かつ安価に利用する仕組みを構築するために、クラウドやサーバーが活用かもしれません。

そして環境整備ができたら、社外で仕事をするために、ノートパソコンやタブレット端末などのモバイルの支給も必要でしょう。
また、環境と端末が整った後注意しなければならないのがセキュリティです。セキュリティ対策が不十分な社外で端末がウイルス感染してしまい、その端末を社内ネットワークにそのままつないでウイルスを広げてしまうというリスクがあります。そういったリスクへの対策には社内セキュリティの強化、端末セキュリティソフトの最新化などを実施すれば安心です。

社外で仕事をする時間も就労時間に含めるよう、規則の変更や労務管理の調整が必要になります。さらには、「仕事は会社にいなくてもできる」という経営層や管理者の意識変革も求められるのではないでしょうか。

どこでも柔軟に働ける環境を整備すると共に、従業員個人の時間も有効に作り出し、モチベーションや生産性向上にもつながるリモートワークの導入を、この機会に考えてみてはいかがでしょうか?