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テレワークをやってみて分かった7つの落とし穴

4月の緊急事態宣言を受けて急にテレワークの大波がきました。しかし、問題なく移行できた企業はどのくらいあったのでしょうか。テレワークの落とし穴にはまって、笑い話で済まない事態に陥ったケースも多いでしょう。テレワークの課題・メリットを網羅した『テレワーク大全』(日経BP)の企画・編集を担当した日経BP総合研究所の大和田尚孝のアドバイスを交えながら、7つの“落とし穴あるある”を紹介します。

大和田 尚孝
日経クロステックIT編集長や日経コンピュータ編集長を経て、2020年4月より日経BP総合研究所上席研究員

落とし穴(1)
パソコン画面の上座ってどこ?

 ある企業のWeb会議。社長から新しい事業のアイデアを出せと言われて急きょオンラインで集まった。ところが誰も話さない。「……」「……」。業を煮やした社長が「みんな1人ずつ必ず発言するように」と厳しく言った。しばらくしてみんなが同時に、「私が思うに」「話せって言われても」「そもそも」「こんなアイデアが」。誰が何を言っているのか分からない。うまくコントロールできない会議に腹が立ってきたのか、社長が最後には「なんで私の顔画像がパソコン画面の一番右下に表示されているんだ。社長なんだから一番上の真ん中に表示できないのか」と怒り出した。こんな調子ではアイデアなんて出るわけがない。

大和田アドバイス

「Web会議の仕切り方はリアルな会議とは異なります。大勢だと声だけのやりとりになりますから、最初に発言者が名乗るとか、仕切り役が指名する、チャットや『いいね』ボタンを活用するなどの工夫が必要です。画面表示での位置も固定できません。Web会議のシステムに慣れることが肝要でしょう」

落とし穴(2)
Web会議の背後に現れたのは……

 Web会議に参加し始めた50代の社員、実はツールの使い方がよくわかっていない。今日もリビングの一角で会議に参加したら、突然、背後に妻が現れた。「あなた、仕事が終わったら牛乳買ってきてくれない」「おい、今仕事中だぞ!」「あらそうなの。さっき、面倒だ何だってブツブツ言っていたから、てっきりさぼっているのかと思ったわ」。Web会議に出席した部員からは失笑がもれた……。

大和田アドバイス

「家族から買い物を頼まれたり、宅配便が呼び鈴を鳴らしてきたり、予期せぬハプニングに見舞われることは多いものです。Web会議に参加する他の人のことを配慮して、マイクを消音に変えたり、画像を切ったりと、落ち着いて対処しましょう。

中には自分の趣味やコレクションを自慢したくて、わざと見えるように背後に置く人もいるようですが、興味がない相手には気が散るだけです。ほどほどにしましょう。シンプルなバーチャル背景を使うのが無難でしょう」

まだまだ続く
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落とし穴(3)
24時間365日は働けません!

 社長がテレワークに積極的なある企業では、トップダウンですぐにWeb会議ツールを導入した。ところが、30代の中堅社員はテレワークにうんざりしている。「またか……」。部長から毎日のように夕方に込み入ったメールが届く。「返事は明日で構わないので」と書かれていても受け取った方はそうはいかない。「すぐに返さなければ」と残業に突入。夕食が遅くなる上に、家族の会話も減ってしまい、中堅社員はよく眠れなくなってしまった……。

大和田アドバイス

「オフィスとは異なり、自宅ではいつまでも仕事をできてしまい、『仕事の終え方』が難しい面があります。従来以上に意識して、オンとオフの切り分けをしなければなりません。上司の皆さんは、今すぐ伝えたい、という思いをグッと堪えることも、時には必要です」

落とし穴(4)
泥棒と間違えられる――

 ある製造業ではテレワークとオフィスワークを組み合わせてコロナ禍を乗り切ることにした。ただ、出社日は決められていて、社員は好きなときに出社できるわけではない。ある設計担当者が在宅勤務中に、明日の作業に必要な資料が会社にしかないことに気付いた。「全社テレワークの日か。でもあの資料がないと仕事にならない……」。設計担当者は夜間にこっそり出社。真っ暗の中、スマートフォンの画面の明かりを頼りに席に向かったら、なんと同僚と鉢合わせた。同僚は言った。「ああびっくりした。泥棒が入ってきたのかと思ったよ。君も資料を探しにきたのかい」。

大和田アドバイス

「紙のマニュアルなどを使っている企業や部署では、あり得る話です。こうした書類もデジタル化しておけば、社員が苦労せずにすみます。テレワークとデジタル化はセットで考えたいところです」

落とし穴(5)
郵送エンドレス

 依然としてハンコ文化を重んじる企業は多い。経理担当者が在宅勤務をしていると、上司から電話が。「決裁書類にすぐにハンコを押したいから、自宅に郵送してくれない?」。郵送して返送されるまでに3日かかった。また電話が。「事業部長のハンコも要るから、そちらにも郵送してくれない?」。郵送リレーはどこまで繰り返されるのだろうか。経理担当者はうんざりしている。

大和田アドバイス

「人手を介した仕事の進め方は、根本から見直す時期にきています。申請承認のワークフローがデジタル化されていないと、多くの面でデメリットをもたらします。経費申請などは最初にデジタル化すべき分野でしょう」

落とし穴(6)
中小企業だからサイバー攻撃に狙われる!

 「ウイルス攻撃が増えているといっても、ウチみたいな小さな会社は狙われないよ。盗むものがないんだから」といつも言っている社長。社員の要望に応えて急きょテレワーク環境を整えた。社長も自宅でテレワークを始めたところ、急にパソコンが動かなくなった。しばらくすると、画面に「金を払え」という表示が出た。払わなければ、取引先にも攻撃を仕掛けると書かれている。「取引を切られたらアウトじゃないか!すぐに払わなきゃ」。

大和田アドバイス

「最近では意図的に中小企業を狙うケースが増えています。大企業がしっかりガードしているのなら、セキュリティの弱そうな取引先の中小企業から侵入して、企業間ネットワークを遡って本丸の大企業システムを攻撃しようというわけです。また、攻撃者にお金を払ってはいけません。セキュリティ会社やITサービス事業者、警察に相談しましょう」

落とし穴(7)
ケチならITに投資すべき!?

 テレワークを導入したい総務担当者は、何とか社長を説得したいと思っている。ところがどんなに説明しても、社長は「無駄遣い」と言って取り合わない。カメラ付きノートパソコンとWeb会議ツール、そしてネットワーク環境を分かりやすく説明する資料も作った。しかし「パソコンはすでに1人1台あるでしょ」「ぜんぶタダならいいよ」と、いつものケチケチぶりを発揮。総務担当者は会社の先行きが心配になってきた。

大和田アドバイス

「業務の生産性や事業継続、セキュリティ対策などを考慮すると、ITへの投資はむしろ得だといえます。今は政府や自治体による助成金や、IT企業による無償の特別施策もあります。費用対効果をきちんと考えることが経営者の責務。この機会にIT投資をすれば、会社の競争力向上にもつながります」

 Web会議ツールはスマホが操作できる人なら誰でも使えるほど簡単です。高度なITスキルは要りません。テレワークといってもツール面ではそれほど身構える必要はありません。

 ただ、ネットワークを含めてどんな仕組みを用意するか、また就業規則など管理面をどうするか、セキュリティ対策をどう施すかなど、テレワークを導入するにはそれなりの準備や情報が必要です。ITについて相談できる窓口があれば安心です。普段からITに関して気軽に相談できる、いわば「ITのかかりつけ医」のような存在を、ぜひ見つけておきましょう。

【日経BP総合研究所・大和田尚孝】

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