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こんなハズではなかった!とならないための

失敗しないRPA導入のコツ

業務効率化の切り札として話題のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ですが、導入さえすれば大幅な効果が期待できるかというと、そうは問屋がおろしません。失敗しないRPA導入には押さえるべきポイントがあります。目標の明確化、業務の棚卸しに加えて、野良ロボットを作らないための管理も欠かせないのです。

急速に普及するRPA

 パソコンを使う定型的な事務作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の普及が進んでいます。MM総研が2019年1月に年商50億円以上の企業1112社に実施したアンケート調査「2019 RPA国内利用動向調査」によると、「RPA導入率は32%となった。2018年6月の前回調査時は22%であり、約半年間で10ポイント増」の急速な伸びを見せていますから、2019年の下半期はさらに導入率が上がっているでしょう。

 このように今注目のRPAですが、導入や運用のポイントを押さえておかないと、効果が得られずに失敗することもあるのです。

 RPA導入で失敗しがちなポイントを、「導入時」「運用時」に分けて整理してみましょう。

「人がしていることをRPAに置き換える」は
正しい? 間違い?

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「人がしていることをRPAに置き換える」は正しい? 間違い?

 まず「導入時」は、「目標を明確にする」「業務を可視化するための棚卸しをする」ことが必要です。

 導入検討時に、どのような業務をRPAで自動化して、どのような効果を期待するのかを明確にする必要があります。これまで人間が行っていた業務をソフトウエア型のロボットに任せるわけですが、「人がしていることを片っ端からRPAに置き換える」といったスタンスは危険です。導入によって従業員の労働時間の短縮をしたいのか、負荷を軽減したいのか、費用対効果をどう考えるのかなどをあらかじめきちんと考えるべきです。「何となく」の導入では、コストをかけたのに見合う効果を発揮しなかったということになりかねません。

 そのためにも、業務の可視化と棚卸しが重要な作業になります。現場の仕事は、担当者の長年の勘や経験で動いている部分が少なからずあります。どのような業務が行われているかを棚卸しして、その上で業務の内容を誰にでも分かるように可視化しましょう。RPAを使わなくても合理化できる作業や、既に不要になっている作業が見つかることもあります。

 ロボットは、勘や経験では動いてくれません。分かりやすく仕分けるとすれば、標準化できる作業はRPAで効率化する方が成功しやすく、属人的な判断が残るような作業はRPAには向かないといえます。RPAに向かない作業を一生懸命やらせようとしても、コストや人手がかかる一方で効果が得られません。

RPAに向いている業務
  • ① 判断基準が明確な作業
  • ② ルーティンワーク
  • ③ ①②の作業でかつ、本数が多い場合
RPAに不向きな業務 人の判断が必要な業務 など

 また、RPAを活用するために、業務フローを変えることも必要です。例えば、夜中にロボットに働いてもらい、担当者は朝出社したらその結果を確認するということができれば、不眠不休のロボットのメリットを最大限に生かせます。一方、ロボットは、システムやアプリケーションの想定外の動作に柔軟に対応できないときがあります。そのため、このような異常に対する事前の考慮も必要です。

 RPAは「スモールスタート」が定石です。業務は各部署、各組織で様々な工夫がなされています。それぞれの業務を知り、業務に即して目的を定めて自動化する必要があるからです。RPAを導入できる環境や使い方は部署ごとに異なりますから、当初からの全社一括導入は避けたいところ。小さな成功体験を積み重ねて、大きく育てることをお勧めします。

しっかりサポートをしてくれる、ベンダー選びが大事

 「運用時」の注意点は、次のようなポイントです。「RPAのメンテナンスができる人材を職場に確保し、管理できる仕組みを整える」。

 メンテナンスとは、RPAを動かすための指示書となる「シナリオ」を作成・管理することです。業務の流れや入出力の対象となるシステム、Webサービスなどの画面は、しばしば変更されるからです。そこでは、IT部門のスペシャリストではなく、業務の内容に精通しており、かつシナリオをメンテナンス可能な担当者を育成することがポイントになります。RPAは導入したら終わりではなく、どう運用するかが大事だともいえます。RPAを提供するITベンダーが、シナリオ作成をはじめ担当者をどれだけサポートしてくれるかということも、製品選択のポイントとなるでしょう。

 もしも、運用段階で担当者を確保、育成できなかったら、どうなるでしょうか? どの部署でどのようなロボットが稼働しているのか、しまいには全体像が把握できなくなり、何が目的だか分からないロボットが社内に多く存在することになります。いわゆる「野良ロボット」というものです。こうした野良ロボットが放置されると、情報漏洩やシステムの停止など、業務へ支障が出ることも考えられます。ソフトウエアロボット全体を管理できる仕組みを整えることも必要です。

導入のポイント

  • 目標を明確にする
  • 業務を可視化するための棚卸しをする
  • 全社一括導入は避け、スモールスタートする

運用のポイント

  • RPAのメンテナンスができる人材を職場に確保する
  • ソフトウエアロボットを管理できる仕組みを整える

自社に合った製品選定もポイント

 製品の選択も、重要なポイントになります。RPAツールには大きな分類として、クライアント型とサーバー型の2種類があります。

 クライアント型はパソコン上で動くRPAツールで、実装したパソコンで行っている作業を自動化できます。特定の業務を自動的に処理することに向いており、また、比較的低コストです。とはいえ、部門の業務改善などには適している半面、大規模なシステムとの連携やロボットの集中管理などには、あまり向きません。

 一方でサーバー型は、データセンターなどに置かれたサーバーの上で動くRPAツールです。企業全体の方針としてRPAによる業務効率化を推進するようなケースでは、大規模なシステム連携や集中管理が可能なサーバー型が向いているでしょう。しかし、サーバー型は導入、運用のコストがクライアント型よりも格段に大きくなります。

 また、RPAが効果を発揮する業務の1つに、どのような企業や団体にも存在する「紙の書類をデータ化し、入力する」という作業があります。書類の記載事項を目で追って、人間がパソコンに延々と記入していく従来の業務を、一気に自動化してくれるのです。その際にセットで使うツールがAI-OCRです。AI-OCRとは、AI(人工知能)の技術を使って手書き文字でも高い精度で読み取れるOCR(光学的文字認識)装置のこと。紙の書類をスキャンしてAI-OCRで文字データに置き換え、そのデータをRPAでシステムに入力します。AI-OCRを組み合わせた自動化は、RPA活用の定番ソリューションといえます。

 これまで人手で行ってきた、パソコン上で申請書類のデータを業務システムに入力するような作業をRPAで自動化すれば、作業時間が圧倒的に短縮できます。ロボットですから、人間のように同じ作業の繰り返しに疲れたり、ミスをしたりすることもありません。RPAに業務を任せることで、人間は単純作業から解放され、価値のある業務に集中できるようになりますから、業務効率の向上だけでなく、モチベーション向上などによる働き方改革にもつながります。RPAは働き方改革の切り札なのです。

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