ネットショップを始めたい方へ、EC事業の紹介コラム。個人経営による老舗ECサイトをご紹介!なぜ20年以上も継続して売り続けることができるのか?

さわんアジア衣料雑貨店

個人経営による老舗ECサイトをご紹介!
なぜ20年以上も継続して売り続けることができるのか?

総務省統計局の発表を見ると、小売業のうち約4割は個人事業主による経営です。コロナ禍という店舗事業にとっては強い向かい風の中、小売業の個人事業主は実店舗からECサイトへと販売の軸足を移す動きを見せています。新型コロナウイルス感染症の影響で実店舗における対面の販売が縮小傾向にある一方、個人向けオンラインショップの市場規模は急速に拡大しており、最近ではBtoCやBtoBのECプラットフォームだけではなく、CtoCの個人売買アプリなど取引ツールもさまざまです。

今回は「さわんアジア衣料雑貨店」を個人経営されている遠藤さんにお話を伺い、個人事業主としてECサイトを運営されてきた、これまでの営みについてお聞きしました。(取材日:2020年9月9日)


―ECサイトを立ち上げたのはいつごろですか?

元々1990年代から衣料品の路面店を持っていました。あるとき店を移転したんだけど、移転先の人通りが少なくて、それで客数を増やすためにECサイトを作りました。たしか1999年ころだったはずです。

―そんな昔からECサイトを運営されていたんですね!立ちあげには苦労されましたか?

当時は独自ドメインもなかったしショッピングカートシステムもなかったですね。フィルムカメラで商品の写真を撮って、それをスキャナで読み込んでホームページにアップロードしていました。
注文はメールかFAXで受け付けていました。

―インターネット人口が少ない当時、売れるようになるまで時間がかかりましたか?

当時は相互リンクといってWEBサイト同士お互いにリンクを貼り合うことで、訪問者数を増やしていました。あとは意図せずとも検索エンジンに上位表示されていたので、サイト立ち上げ後2か月目くらいで初めて服が売れました。インターネットでこんなにも簡単に商品が売れることに驚きましたし、じゃあもっとWEBサイトを大きくしていこうと考えました。
ちなみにネット販売と併せて、タイ語の翻訳を受け付けていたのですが、最初にインターネットから入った注文は衣類の注文ではなく翻訳のほうでした。

―タイ語の翻訳もされていたんですね。

学生時代からタイに限らず中国や東南アジアによく行っていたので、語学は一通りできました。
私の妻はタイ人なのですが、当時はタイと手紙のやり取りをされている人に翻訳のお手伝いなどをしていました。

―アジアの国々へはバックパッカーですか?

そうですね、昔はバジェットツーリストと言われていました。当時旅先で履いていたジーパンが暑くて洗濯も大変だったので着替えの衣類を探していたところ、なかなか良いものが見つからなかったのですが、ある時タイのウィークエンドマーケットですごくいい店を見つけて、それがジョムトンとの出会いでしたね。

さわんアジア衣料雑貨店 店主
遠藤高志氏

―ジョムトンとは?

タイのジョムトン村で織られている手織りのコットンです。もう見た目も肌触りも全て気に入りました。
どこで作っているのか聞いて回って、ジェンマイ郊外のジョムトンという村だと知りました。

―さわんアジア衣料雑貨店で販売されている衣類はジョムトンを使っているのですか?

そうです。私が日本でデザインをして、そのデザインを基にタイで生産しています。タイではジョムトンの生地を作るところから始まります。

―生地はどのように作るのですか?

インディゴ染めの場合、インディゴの葉を煮詰めた溶液を作り糸を染めていきます。糸は空気に触れると青くなるので、溶液に漬けては乾かすといった作業を繰り返すことできれいに染まっていきます。そしてこの糸を基に生地を作ります。生地はジョムトン村でお年寄りの女性たちが木製の機織り機で手織りします。

―商品を購入される方は、主にアジア系の商品が好きな人でしょうか?

アジアが好きな人というよりも、どちらかというと日本の手織りが好きな人、それから着物が好きな人、あとは自然なものが好きな人が多いですね。30代から50代くらいの方にご購入いただくことが多いです。

―サイトへの集客で苦労されたことはありますか?

ある時ECサイトのドメインを変更したことがあって、それまでは意図せずとも上位に検索されていたものが、急激に検索順位を下げてしまいました。上位に戻れるよう色々と手を打ったのですがなかなかうまくいかず、仕方がないのでWEB広告を打ちました。ところが費用対効果が思うように出なくて・・・。このころは集客に苦労していました。

―どうやって打開されましたか?

Etsy(エッツィ)とCreema(クリーマ)というハンドメイドマーケットのプラットフォームで出店してみたところ、売り上げと利益を取り戻すことができました。

―何が良かったのでしょうか?

手数料の安さと販路が広がったということですかね。私はオリジナルECサイトの他にも、大手のECモールで商品を出しています。ただ大手のECモールは集客力がある反面、手数料の高さが悩ましいところでした。それがEtsyとCreemaは手数料が安いということと、Etsyについては世界中のユーザーが集まるプラットフォームなので、お客さんの規模が圧倒的です。今ではEtsyとCreemaが全売り上げの6割くらいを占めています。

―今後ECサイトを立ち上げられる方に対して、海外出店のメリットをお伝えいただけますか?

一つが安い手数料でリーチできるユーザーの数が増えるということ。そして日本人よりもお金を持っている人が多いということ。日本人が高いと思う商品でも、海外のお客さんからは安いと言っていただくことが多々あります。ユーザーの数とユーザーの質、メリットはこの二つでしょうかね。海外への出店は必ずやった方がいいと思いますよ。

―なるほど、特にお金持ちが多いと思われる国はどちらですか?

私の主観ですが、UAEなど中東の方や北欧の方はお金を持っている印象が強いですね。

―その場合、サイトの言語は何語になるのですか?

Etsyは最初に英語でページを作ると、サイトを見る人に合わせて自動的に言語を変換してくれます。フランス人がサイトを見るときはフランス語になるなど、中東の言語には対応していませんが、ヨーロッパ系の言語には自動的に変換される機能が搭載されています。英語でのページ作りは必須ですが、それさえできれば多くの人に自国語で商品を認知してもらうことができます。


ここまでのインタビューを終え、私は遠藤さんのバイタリティを感じずにはいられませんでした。古くはインターネットの黎明期からECサイトを立ち上げ運営してきたこと。そして売り上げが落ちてしまった後も、海外のプラットフォームを活用し販売網を広げていったこと。Etsyの利用を思い立った時、サイトを開設するための日本語マニュアルなどはなく、Etsyのサポート担当と英語のやりとりを行いながら出品まで漕ぎつけたそうです。

個人事業主として長年ECサイトを運営していくためには、知恵を絞りながらより良い道を見つけ出し、そして自らの意思で行動していく。そんな強いバイタリティが必要なんだと感じました。

インタビュー最後の質問では、遠藤さんの商品にかける想い、そして長年に渡りECサイトを継続してきた秘訣について示唆をいただきました。

―最後にこれからECサイトを立ち上げる人へメッセージをお願いします。

うちは商品が命です。素朴でシンプルで本当に良いものを販売している自信があります。
あの時タイのウィークエンドマーケットで出会ったこの生地に、今でも愛情を持ち続けています。今は誰でも見た目の良いECサイトを作れますので、あとは売り手の商品に対する愛情をどれだけECサイトで伝えることができるか。私はそれが一番大切なことだと考えます。

  • 事例は一例であり、すべてのお客さまに同様の効果があることを保証するものではありません。

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