ネットショップを始めたい方へ、EC事業の紹介コラム。製造業が抱える課題、サプライチェーンの分断化を乗り切ることができるか?

プレミアモード株式会社

口腔菌のパイオニア企業が直販ECサイトを立ち上げる。
製造業が抱える課題、サプライチェーンの分断化を乗り切ることができるか?

事業を継続していくためには、顧客(社会)にとって役立つ存在であり続けなければなりません。そのためには、市場における自社が持つ絶対的な価値、あるいは他社と比較した相対的な優位性、希少性を担保し続けなければなりません。
アメリカの実業家デール・カーネギーが言った格言のひとつに「ビジネスで成功する秘訣は、いくら儲けるかを考えるのではなく、人にどれだけのことをしてあげられるかを考えることである。」という言葉があります。コロナ禍による経済損失が進む中、顧客第一主義をむやみに唱えることは賛否の分かれるところではありますが、他社にはないオリジナルの価値を創造し、その価値を必要とする顧客の視点を第一義とすることはビジネスの基本なのではないでしょうか。

今回は、日本で初めて動物医学界における口腔菌の臨床を行ったパイオニア企業「プレミアモード株式会社」の佐藤さん(代表)と大村さんに、ECサイトを活用した事業戦略についてお伺いいたしました。(取材日:2020年9月11日)


―まず始めに御社の事業について教えてください。

弊社は副作用のない薬を作りたいというコンセプトのもとスタートした会社です。
まずは薬事法が比較的緩い、動物の医療から始めました。

―副作用のない薬というコンセプトはどのようにして生まれたのですか?

私(佐藤)は幼少期に体が弱かったため、健康になりたいという想いが強くありました。両親が共働きだったのですが、母は仕事のせいで子供の健康管理ができていないと自責する傾向があり、そんな母を見て悲しい想いをさせてしまったことをいつも申し訳なく思っていました。そんなことから健康になりたいという気持ちをいつも感じていました。
また、私の父はもともと高血圧のため毎日血圧降下剤を服用する体でしたが、若くして心筋梗塞で亡くなりました。後でわかったことなのですが、父が服用していた血圧降下剤は心筋梗塞の発生確率を高める副作用があるとのことでした。このような過去もあり、「副作用のない創薬をしたい」という想いを強く抱くようになりました。

―開発した医薬品はどのように販売されていますか?

病院、動物病院、ペット関係の店舗などへ卸し販売を行っています。これまでは売り上げの98%が卸しによるものでした。ただ今後はECサイトによる直販を強化していこうと考えています。

プレミアモード株式会社 代表
佐藤稔氏

―ECサイトはすでに立ち上げられているのですか?

2009年の会社設立時に一旦簡単にWEBサイトを作りました。その後ECサイトを本格的に運用し始めたのが2019年の8月頃です。実はコーポレートサイトを2020年9月にリニューアルし、2020年10月にはECサイトもリニューアルされます。

―WEBサイトのリニューアルでは、どんなところを改修される予定ですか?

情報サイトとしての機能を持たせる予定です。もともとお取引先の病院や施設に対して口腔善玉菌などの医療情報をニュースとして配信していました。この情報配信に喜んでいただく方が多かったため、それと同じように今後はWEBを通じて医療情報を配信することで、サイトへの自然流入を増やしていきたいと考えています。

―お取引業者へ無料で医療情報を提供されていたのですね。

弊社は製品を購入していただく病院や施設を増やしていくために、さまざまな工夫を行ってきました。そのひとつが医療情報の配信です。口腔菌の情報はあまり目にすることが無いためか、喜ばれることが多いですね。それから今は新型コロナウイルス感染症の影響で店舗や施設は集客に苦しんでいます。そういったお取引先さまへ販促企画を提案したり、販売のコンサルティングを行ったり、有効な販売事例を他のお取引さまへ展開したりと、できるだけお取引先さまの目線に立って営業活動を行っています。

―販促企画とは例えばどのような企画ですか?

例えば「お口のケアを無料診断」という企画では、獣医さんやトリミングショップさんでペットの口の中を検診し、歯の磨き方をレクチャーさせていただくというものでした。また口の中に菌がいることは普通のことなのですが、その菌の質を良いものへ変えていくことが大切です。こういった企画やニュースを通じて、口内の体質を変えるために必要な知識をできるだけ多くの方へ伝えていくことを目指してきました。コロナ禍においても、病院や店舗の集客をするために何ができるかを考え、一緒に寄り添って支援をしていきたいというのが私たちの考えです。

―ECサイトのリニューアルを間近に控えていますが、どのような準備をされましたか?

ECサイトを作るためには全体設計が大切です。まず始めにサイト全体の世界観があり、タッチポイントや言葉の設定を決めていく。費用対効果を試算しながら広告と自然流入の割合を検討し、認知度を高めるためSNSの運用を併せて検討する。こういった全体設計の最適化を行ってきました。
外部コンサルタントの意見も取り入れながら設計しているのですが、自社への理解が深くないと満足のいく設計にならないんですね。そこが苦労したことろでもあります。
また、弊社は海外からの引き合いも多く、今回、韓国と台湾、マレーシアでの販売も開始する予定です。
海外の言語に対応するにあたり、AI翻訳サービスなども検討しておりますが、情報サイトとしての文章量を翻訳するとなると、正確さとコスト面が悩ましいところではあります。これらの課題を解決しながら海外市場も見据えて販売網の拡大を図っていくところです。


ここまでのインタビューを終え、私が強く感じたのが佐藤さんの絆を重んじる人柄でした。コロナ禍では小売業やサービス業の売り上げ減少によるサプライチェーンの分断がおきており、これが製造業や卸売業をも苦しめています。製造業・卸売業という立場から病院や店舗の集客を考え、取引先に寄り添いながら収益を上げていこうという姿勢は、本文冒頭に記述したカーネギーの言葉とも重なります。
プレミアモード株式会社は中小企業でありながら、口腔菌に関する知見を持つ数少ない企業です。企業が所持する独自性の高い価値をもとに、取引先やその先にある消費者の視点でビジネスを展開する。これがプレミアモード株式会社の強みであると思われます。

また取引先との共存をめざすその一方で、このコロナ禍において製造事業者がECサイトを活用し直販の道を模索することは正しい選択と思われます。すこし雑な言い方をすると、切れてしまったサプライチェーンを、ECを活用することで直接消費者とつないでしまおうという考え方です。

今回のインタビューでは、ECサイトを立ち上げる際、全体設計に苦労したというコメントがありましたが、ここで言う全体設計の中には、いわゆるユーザビリティやユーザーロイヤリティといった「サイトを訪れるお客さまに、どれだけ満足してもらえるか?喜んでもらえるか?」という視点も含まれます。

インターネット上での販売は、不満や満足といった買い手の感情が見えにくく、ついつい売り手目線で物事を考えがちになってしまいます。「ビジネスで成功する秘訣は、いくら儲けるかを考えるのではなく、人にどれだけのことをしてあげられるかを考えることである。」この言葉は、ECサイトの全体設計を検討するうえでも、正しい道を示唆するものかもしれません。

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