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もっと知りたい!電話関連コラム
テルハラとは?問題視される背景やリスク、テルハラ防止に向けた4つの対処法を紹介
近年、企業のコンプライアンスに対する意識が高まっています。2019年には労働施策総合推進法が改正され、職場におけるパワーハラスメントの防止措置が義務化されました。
このような状況下で、企業や組織におけるハラスメント対策強化の必要性が高まっている中で、「テルハラ」に注目している方も多いのではないでしょうか。
テルハラとは「電話応対のストレスや非効率性を無視して、特定の人に応対業務が偏っている」状態のことであり、電話ハラスメントの略をさします。業務上の電話応対について、従来の価値観や慣行に一石が投じられ、「ハラスメントと言えるのではないか」と問題提起されているのです。
この記事では、テルハラの概要やテルハラが問題視される背景、適切な対応をしない場合の影響などを解説します。さらに後半では、テルハラを防ぐ4つの対処法についても紹介しているため、企業の管理職やマネージャーの方、ハラスメント対策やコンプライアンスに関与している方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事において、「固定電話」とはNTT東日本の電話サービス「加入電話」「INSネット」「ひかり電話」などをさします。
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公開日:2025年1月29日
テルハラとは?
創業から長い歴史を持っている日本企業の中には、「新入社員や総務部門社員が電話に出るのは当たり前」といった不文律を持つ組織も少なくありません。「テルハラ」とは、そのような固定的な価値観に基づいて、業務が中断されるストレスや非効率性を無視し、特定の社員に電話応対が偏っている状態のことをさします。「電話」を意味する「テル(TEL)」と「ハラスメント」を組み合わせた造語です。
テルハラという言葉は電話代行サービス「fondesk」が、「職場の電話ストレスをなくし、現場の力をもっと有意義に活用してほしい」との想いから、この状態を「TELハラ」と命名したことに由来します。同サービスを運営する株式会社うるるの調査「職場の電話対応の実情」※1によれば、回答者の66.3%が会社への電話を受けることに対してストレスを実感していることがわかったのです。
昨今では、「電話応対が苦手な社員に電話応対を強制すること」をテルハラとして取り上げるニュースサイトも出てきており、従来の「当たり前」を疑うべき風潮になってきていることがうかがえます。
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※1出典 :株式会社うるる|職場の電話対応の実情(https://www.uluru.biz/news/9231)
テルハラが問題視される背景
テルハラが問題視される背景について、以下の3つの観点から解説します。
日本の雇用慣行が見直されている
テルハラが問題視されている背景には、日本における雇用慣行のあり方が見直されていることがあるでしょう。かつては「電話応対は新入社員や若手社員がやるべきもの」という認識が一般的でした。これは新卒一括採用や年功序列といった雇用慣行の影響を受けている価値観だと考えられます。
昨今、そのような日本独自の人事制度が見直され始めています。これまでは、長期雇用を前提に新卒人材を育成する「メンバーシップ型雇用」が一般的でした。しかし近年では、転職市場が拡大し、中途採用も重要な採用手法の一つになってきています。そのような中で、職務内容やスキルを明確化し、そのポストに必要な人材を採用する「ジョブ型雇用」が浸透しつつあるのが現状です。
このように雇用慣行が変わりつつある中で、電話応対に対する考え方にも転換が求められています。「電話応対は新人の仕事」といった従来の考え方から、「必要な場合には全員が応対するもの」という考え方へシフトしていく必要があるでしょう。
古くから続く企業の中には、電話応対を担当業務として明文化していない企業もあるのではないでしょうか。「慣行だから」という理由だけで、特定の社員に電話応対の負荷が偏っている状況が問題視されているのです。
世代によって電話に対する意識に差がある
テルハラが問題視される要因の一つとして、世代によって電話に対する意識に差があることがあげられます。
子どもの頃からインターネットやパソコンなどの情報端末が身近にある環境で育ってきたデジタルネイティブ世代は、日常的にメールやチャットなどを使う機会が多く、電話というコミュニケーション方法に慣れていない傾向にあります。そのため、電話が主な連絡手段だった世代と比較すると、電話に苦手意識や抵抗感を持つ人が多いと考えられるのです。
若手世代を中心として、「どのように対応すればよいのかわからない」という状況に、強い緊張感やストレスを感じてしまう人もいると考えられます。
技術の進歩により、電話の必要性が減っている
日々技術は進歩しており、昨今では電話以外にもさまざまなコミュニケーション手段が登場しています。ビジネスにおける連絡手段にも、メールやビデオ会議、チャットなどの連絡方法が普及しました。そのような中で、電話の必要性が減っていると感じている人も少なくありません。
実際に、株式会社うるるの調査「職場の電話対応の実情」※1によると、62.8%の方が「会社への電話を不要と感じることがある」と回答しています。
技術の進歩とともに電話以外にも便利なコミュニケーション手段が普及しているにもかかわらず、実際の業務では頻繁に電話応対が発生している様子が浮かび上がりました。電話応対によって自分の業務が中断されてしまい、ストレスや不満を抱えてしまう人もいるでしょう。
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※1(再掲)出典 :株式会社うるる|職場の電話対応の実情(https://www.uluru.biz/news/9231)
テルハラに対応しない場合の影響やリスク

電話応対に対する従来の価値観が問題視されている中で、テルハラに対応しないと企業にはどのような影響があるのでしょうか。
この章では、「新入社員や総務部門社員が電話に出るのは当たり前」といった価値観を押し付けたり、研修などの機会を設けずに電話応対を強制したりした場合のリスクについて、詳しく説明します。
電話を苦手とする社員に心理的負担がかかる
家庭に固定電話がない時代に育ったデジタルネイティブ世代の若手社員の中には、電話応対を強いられると心理的負担がかかってしまう人もいるでしょう。研修などの教育機会を設けないまま電話応対を若手社員に偏らせてしまうと、その社員は仕事に対して抵抗を覚える可能性があります。
若手社員がストレスを抱えている状況に対して何も対応しなければ、最悪の場合、早期離職につながるおそれがあるでしょう。
このような事態を防ぐためには、若手社員向けに研修機会を設けることが大切です。電話応対に慣れてもらうことによって心理的負荷の軽減が期待できるでしょう。詳しくは次章の「電話応対の研修を行う」で解説します。
パワーハラスメントに発展するリスクがある
電話応対を部下へ強制したり、電話応対に対して行き過ぎた叱責を行ったりすると、パワーハラスメントに発展するリスクがあります。
2019年に労働施策総合推進法が改正され、職場におけるパワーハラスメントについて事業主に防止措置を講じることが国から義務付けられています。そのため、パワーハラスメント対策は企業にとって非常に重要な取り組みの一つです。
パワーハラスメントの定義は、以下のとおりです。
パワーハラスメントの定義
職場におけるパワーハラスメントは、職場において行われる
- 優越的な関係を背景とした言動であって、
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
- 労働者の就業環境が害されるものであり、
1から3までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
出典:厚生労働省|職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000611025.pdf)
電話応対は「業務上必要かつ相当」であると考えられるため、一般的に、社員に電話応対を依頼すること自体はパワーハラスメントに該当しないと考えてもよいでしょう。
しかし、上司が部下に対して業務上の権威を利用して以下のような言動を取った場合には、パワーハラスメントに該当する可能性があります。
パワーハラスメントに該当する可能性がある行動例
- 電話応対がうまくできないことに対して、人格を否定するような言動を取る
- 必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行う
- 他のメンバーの前で、大声での威圧的な叱責を繰り返し行う
- 相手の能力を否定し、罵倒するような内容のメールなどを、相手を含む複数のメンバー宛てに送信する
- 必要な教育を行わないまま、到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する
事業者側は、上記のようなパワーハラスメントに発展させないために注意が必要です。社員へ電話応対に対する価値観が変わってきていることや、電話を苦手とする人もいることについて理解を促し、パワーハラスメントの防止対策を行う必要があるでしょう。
テレワーク促進や生産性向上が阻害される
コロナ禍を経て、テレワークやハイブリッドワークが一般的になりました。テレワークには、働き方の柔軟性が向上するなどのメリットがあります。従業員満足度の向上や、採用時の自社PRなどの効果を期待し、テレワークを促進したい企業もあるでしょう。
しかし電話回線の都合上、PBX(構内交換機)が社内にあるために代表電話をオフィスでしか取れないというケースもあります。そうなると電話番が必要となり、必ず誰かが出社しなければなりません。「電話業務があるから」という理由だけで社員が出社するのは、効率的ではないでしょう。
また、他者宛ての電話応対のせいで業務が強制的に中断されたり、鳴り止まない電話の応対に追われたりしてしまうと、生産性が向上しない結果になります。
このように、電話の取次業務が発生する状況は、テレワークの促進や生産性の向上を阻害する要因になり得ます。
取次業務の負荷を軽減し、テレワーク促進や生産性向上を図るには、社内・社外との電話環境を見直すことが大切です。詳しくは、次章の「取次がいらない受電体制を整える」で解説します。ぜひ参考にしてください。
テルハラを防ぐ4つの対処法

パワーハラスメントを防ぎ、社員から「テルハラだ」と訴えられることを回避するには、どのような対策を行えばよいのでしょうか。
この章では、テルハラの概要や背景を理解したものの具体的にどうすればよいかがわからない担当者の方向けに、4つの対処法を紹介します。
電話応対の研修を行う
電話応対の研修を行うことで、電話に対する苦手意識や抵抗感を軽減できるでしょう。電話独特の会話の流れや機器の操作に慣れてもらい、電話応対を苦手とする社員をフォローしてください。電話応対におけるマニュアルを作成したり、取引先との電話応対について数回のロールプレイング研修を行ったりすることも有効です。
入社初期に教育研修をしっかりと行うことで、パワーハラスメントの「過大な要求」※2にあたるリスクを低減できます。
管理職やリーダーなど電話応対を若手社員に依頼する立場の方にもメリットがあります。電話応対の標準化や、対応ミスへの具体的なフィードバックが可能になるでしょう。
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※2過大な要求:業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害のことをさす。
業務内容の中に「電話応対」を含める
もし職種ごとに業務内容が明確化されていない場合は、業務内容に「電話応対」を含めるようにしましょう。
業務内容が明確化されていない中で、「新人・若手だから」「総務だから」などという暗黙の了解によって電話応対の負担が特定の社員に集中すると、社員の不満が高まる原因となります。
そのため、労働条件通知書やジョブディスクリプションに、業務内容に電話応対がある旨を明記することが大切です。単なる雑用ではなく、業務の一環として対応するべきものという認識を持ってもらいましょう。
また、同じ職種には同じ業務内容を課し、電話応対はローテーションで行うといった体制を整えることも重要です。平等に電話応対の当番を振ることで、風通しのよい組織の実現につながるでしょう。
取次がいらない受電体制を整える

「そもそも取次業務の必要性はあるのか?」という点に立ち戻り、電話取次が不要な受電体制を整えることも一つの解決策です。
例えば、社員一人ひとりに電話番号を割り振れば取次業務を軽減できます。業務用携帯電話を貸与する、あるいは「クラウド電話」を活用してBYOD(Bring Your Own Device)※3の体制を整えるといった方法が考えられます。
クラウド電話とは、クラウド上にあるPBX(構内交換機)を介して、個人が所有するスマートフォンやパソコンからでも、オフィスの電話番号で発着信ができるようになるシステムです。
実際にNTT東日本では、一部の部署で社員のBYOD端末にクラウド電話が使用できるアプリケーションを導入しました。社員一人ひとりに直接つながる電話番号を付与したところ、他者宛ての電話に出ることが少なくなりました。
このように、社内の電話環境を見直すことによって、電話取次の負担軽減につながります。さらには、テレワーク促進や生産性向上にもつながるメリットがあるため、テルハラの防止以外においても有用です。
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※3BYOD(Bring Your Own Device):個人が私物として所有しているパソコンやスマートフォンなどのデバイスを業務に利用すること。
鳴動方式によって負担の偏りを防ぐ
一斉に社内の電話が鳴った時に、役職者や先輩社員が電話に出ないでいると、新入社員や若手社員に「電話応対は末席がやるもの」という無言のプレッシャーを与えかねません。
電話の鳴動方式(電話機を鳴らすルール)を調整することによって、特定の人に負担が偏ることを防ぐことができます。例えば、NTT東日本が提供する「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」では、鳴動方式を以下の5つから選び、設定できます。
- ローテーション:最後の担当者が電話を取った後、すべての担当者をローテーションして次の対応可能な担当者にコールを送る
- トップダウン:毎回トップから始めて、順に担当者のキュー(保留状態)を通じてコールを送る
- 最長アイドリング:最も長い間アイドル状態※4にあった担当者にコールを送る
- 重みづけ:各メンバーに割り当てる割合に基づいて、アイドル状態の担当者にコールを送る
- 同時:すべての担当者に同時にコールを送る
つまり、特定の人にだけ着信が偏らないよう、あらかじめ設定された鳴動方式に応じて、できる限り社員全員に平等に着信がいくように設定できるということです。
おすすめは、鳴動方式で「ローテーション」を設定することです。特定の社員に電話応対の負担が偏ることを防げます。また、同じ職位のメンバーに負荷を分散できることも魅力です。
上記の機能が搭載された「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」の資料は、以下のリンクからダウンロードできます。少しでも気になった方は、ぜひ確認してみてください。
「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」
資料ダウンロードはこちら
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※4アイドル状態:電話回線に接続しており電話に出られる状態だが、その時点で電話には応対しておらず待機している状態のこと。
電話環境を見直し、ハラスメント防止や生産性向上をめざそう
電話環境を見直すことで、取次業務の負担軽減につながります。また、ローテーションで受電できる体制に変更することで、特定の社員に負担が偏ることを防ぎ、電話応対の負荷を分散できるでしょう。
NTT東日本が提供する「ひかりクラウド電話」では、「Webex Calling」や「Microsoft Teams」などのクラウドツールを通して、会社の固定電話番号にかかってくる外線や社内の内線をパソコンやスマートフォンでどこでも発着信できます。自宅やサテライトオフィスでも電話を取り次げるため、電話番をするために出社する必要がなくなり、テレワーク促進につながるでしょう。
また、電話番号を社員一人ひとりに付与すれば、代表電話を取り次いだり、他者宛ての着信に代理応答したりする必要がなくなります。不要な業務が減ることによって生産性向上が期待できるでしょう。
まとめ
ハラスメントの防止が声高に叫ばれる現代においては、「テルハラ」にも注意する必要があります。テルハラが生まれた背景には日本の従来の雇用慣行や、固定電話の減少などがあげられます。若手社員と上司との間で世代間によるギャップが生まれるのは無理もありません。若手社員が電話応対にストレスや不安感を抱いたりする原因を理解し、管理職側が歩み寄るようにするとよいでしょう。
また「社内でしか電話を受けられないことが理由で、出社をしなければならない」「一斉に電話が鳴る方式のため、特定の社員に負荷が偏りやすい」といった課題が発生している場合には、ぜひ自社の電話環境を見直してみてください。
取次がいらない受電体制を整備したり、鳴動方式を設定したりすることで、結果的に社内におけるハラスメント防止や組織の生産性向上、テレワーク促進につながります。
NTT東日本では、「Webex Calling」や「Microsoft Teams」などのアプリケーションと連携した「ひかりクラウド電話」を提供しています。利用するアプリケーションによって機能や料金が異なるため、自社のニーズや目的に合ったサービスを選んでみてください。詳細は以下のリンクから確認できます。
「ひかりクラウド電話 for Webex Calling」
資料ダウンロードはこちら
「ひかりクラウド電話 for Microsoft Teams」
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※「Webex by Cisco」、および「Webex」は、Cisco Systems,Inc.またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における商標登録または商標です。「Webex Calling」はCisco Systems, Inc.が提供するサービスの名称です。
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※「Microsoft Teams」、「Office365」、「Microsoft365」は、米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標、または商標です。「Microsoft 365」は、Microsoft Corporationが提供するサービスの名称です。
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*「Webex Calling」、「Microsoft Teams」は、名称が変更される場合があります。最新情報は、各サービス事業者のホームページをご確認ください。
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※「fondesk」は、株式会社うるるの商標です。
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