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今、中小企業が取り組むべき課題

【COMPASS presents】柔軟な働き方の実現とICT活用

「オフィスに遅くまで在席し残業もいとわず仕事にまい進。以前は「会社員の鏡」とも言われたスタイルが、変わろうとしています。
政府は「働き方改革」を掲げ、平成29年3月28日に働き方改革実現会議が「働き方改革実行計画」を発表しました。下の図は、その一部を抜粋してまとめたものです。

政府の「働き方改革実行計画」を整理

  • 2017年3月28日 働き方改革実現会議決定「働き方改革実行計画」より抜粋整理

そして2018年6月に「働き方改革関連法」が成立。法制度面では、残業時間の上限規制(中小企業は2020年4月から)や同一労働同一賃金の適用(中小企業は2021年4月から)などが実施されることになりました。

この背景には、つぎのような意味があります。

  1. 働く人が豊かな生活を送れるよう、過重労働を防止しつつ、賃金上昇を目指す
  2. 女性や高齢者など多様な人材が仕事に参加できるよう、柔軟性のある職場を目指す

少ない時間・自由度のある勤務形態で今まで以上に利益を上げ、給与も上げようということです。
総論でこの方向に反対する人は少ないでしょう。

とはいえ、中小企業の経営においては、「取引先からの急な変更への対応」「給与は上げたいが、仕事がないときに大変...」「その場にいなくてはできない業務が多い」など、難しさを感じる声もあります。労働時間を減らして賃金を増やすには、労働生産性を高めることが前提ですから、経営戦略や業務プロセスの見直しが伴うことも多々あります。

残業のない会社を目指した先進企業の取り組みは?

「このままでは、町工場は若者から選ばれない業種になってしまう」
このような危機感を持ち、早くから働き方改革に取り組んだ会社の1つに大阪府の三元ラセン管工業(製造業 フレキシブルチューブ・べローズなど)があります。

プライベートの時間を大切にする若者が増え、毎日残業続きの職場は人気がありません。しかし、発注先の要望もあり厳しい状況に置かれていました。

同社は、徹底的に技術力を磨き、納期や販売価格について自社で決められる会社への変革を進めます。確かな技術力をホームページで発信。また経営者の人となりを伝えるブログを定期更新します。問い合わせを受けた顧客は自社が出展する展示会に案内し、技術力を直接見てもらい成約につなげていきました。
「行かない営業」への変革です。

そして、社員が自主的に技術を磨き、忙しい部署を手伝える「多能工化」を進めます。
全体最適が実現し、残業をしなくても納期を守れるようになりました。

現場へのサポートでは、ICTも活用しています。同社は企業間取引ですから、過去の取引内容や図面が次の取引に生きてきます。顧客との取引情報をデータベース化。設計図を顧客名やキーワードで検索できる文書検索システムも導入しました。

これにより、顧客から電話で問い合わせがあった際、電話を切らずに過去の図面を参照して返答ができ、対応時間や現場での設計時間(似たものを作る際、過去の図面がすぐ出てくれば早く設計できる)を短縮することができました。
また、各人のスケジュールを確認できるグループウェアも活用しています。

こうした取り組みを継続した結果、安定的な売上を示しつつ、残業がない職場を作ることができました。
求人を出すとコンスタントに応募があり、同社の工場では若手や女性が生き生きと仕事をしています。

このように、時代に即して企業が経営を持続するために、働き方改革は重要度を増しています。経営者の決断、生産性を高める工夫、ICTの活用などで推進します。

オフィスにいなくても自宅や出張先で仕事ができる

柔軟な働き方の提供とは

モバイル通信・機器を筆頭に、ICTの普及によりオフィスに囚われず業務を進めることができるようになりました(テレワーク)。柔軟な働き方の提供は、働く側に生活上の変化があっても退職せず力を発揮し続けてもらうことができます。

たとえば、一部業務を自宅で行えれば、子育てや介護などでオフィスにいる時間が制限されても、また直行直帰をしても、成果を上げることができます。もちろんセキュリティ対策は必要ですが、ノートPCやモバイル機器、クラウドサービス、インターネット接続やVPNなどをうまく使えば、安全性を保ちつつ、実現可能です。

業務をよく知る社員が配偶者の海外転勤で米国に転居することになったある製造業では、クラウドサービスによるファイル共有とWeb会議によるミーティングで雇用を継続。受注から生産計画への展開業務を米国で実施してもらい、滞りなく業務を進めたそうです。

Web会議は、海外でなくとも出張先の社長との打ち合わせ、工場と本社を結んだ会議、自宅勤務の社員と社内の打ち合わせなどにも活用でき、場所に囚われずコミュニケーションを密にすることができます。

営業やフィールド業務など、外出が多い業務では、外出先で報告書を出せたり顧客情報を引き出せたりすれば、事務所との往復時間を削減できます。その分の残業時間削減、またはもう一軒訪問することで売上を高めるなど、生産性向上に貢献します。

また、外勤者はタイムカードが押せずに勤怠管理がしにくい面がありましたが、勤怠管理システムのクラウド化により、スマートフォンなどを使ってタイムカードの打刻が可能になりました。勤怠管理の業務を効率化するのはもちろん、社員の勤務状況をいつでもどこでも経営者が把握できれば、残業過多の社員がいた場合、素早い対応策が打てるでしょう。

現場にいることが必須の業種はスタッフ間の情報共有から

パソコンに向かって仕事をする時間が長い業種・業務は柔軟な働き方を実現しやすいと言えます。では、その日・その場にいてサービスを提供する業種はどうすればよいでしょうか。

ある介護サービス事業者は、当初求人に苦労しましたが、地域には、フルタイムでは働けないが意欲のある子育て中の女性がたくさんいると気づき、積極的に採用しています。子どもが熱を出したら休んでもおとがめはありません。産休・育休も堂々と取れます。
様々な事情が発生しても会社としてサービス提供が滞らないように人数を大目に確保し助け合っています。

ただ、単に人を増やすだけでは、売上に対して人件費の割合が高すぎてしまいます。
同社は、そのことを社員全員が自覚し、勤務時間を有効に使い無駄なく一人当たりの業務量を増やせるよう徹底しています。日々のスケジュールを手帳にしるし細かく計画を立て実行しているほか、担当者が変わっても適切なサービスが提供できるよう、タブレットを用いてグループウェアにてサービス記録を残し共有しています。

専業主婦を前提とした社会では、「子育てとの両立」は一部の女性への措置と捉えられていたかもしれません。
時代は変わり、すでに共働き世帯は、専業主婦世帯の2倍近くに伸び約1200万世帯に達しています。男性も家事や育児、介護を担うのは当たり前です。

「すべての人が家事や育児や介護を行い、プライベートも豊かにする」ことをベースに会社の仕組みを作れば、労働参加率は高まり、男性にとっても働きやすい職場になるでしょう。

柔軟な働き方の実現にはICTの活用が欠かせません。モバイルワーク、情報共有、Web会議といった場を超えた情報活用の仕組みを構築し、業務を効率化する業務ソフトなどにも目を向けていきましょう。

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