パブリッククラウドに膨大な中古車情報を集約
――「買い物の楽しさ」を届けるビッグモーターの挑戦

国産車、外国車の中古車・新車販売および車両買取業務や車検・一般整備などを手掛ける株式会社ビッグモーター。1978年に設立された同社は、全国に300以上の店舗を展開し、現在も成長を続けています。しかし、中古車の入出荷情報や売買記録など、同社の基幹となる重要データは日々更新され、サーバーメンテナンスや運用管理の手間が課題となっていました。こうした背景から、クラウド上への移行が検討され、2019年1月、「クラウドゲートウェイ クロスコネクト」(以下、クロスコネクト)を導入。アマゾン ウェブ サ ービス(以下、AWS)などのクラウドサービスとフレッツ・VPNサービスを接続して、セキュアなシステム構築が可能になりました。今回は、クロスコネクト導入の経緯や選定理由、今後期待することなどについて、株式会社ビッグモーターの担当者に詳しくお聞きしました。

株式会社ビッグモーター

  • 株式会社ビッグモーター株式会社ビッグモーター

(左から順に)NTT東日本 東京西支店 ビジネスイノベーション部 マーケティング担当 主査 樋口 設博氏、株式会社ビッグモーター システム課 課長 川口 洋之氏、NTT東日本 東京西支店 ビジネスイノベーション部 テクニカルソリューション担当 主査 秦 真純氏、NTT東日本 東京西支店 ビジネスイノベーション部 第一バリュークリエイトグループ バリュークリエイト担当 渡辺 浩太氏

導入いただいたソリューション(2019年1月)

クラウドゲートウェイ クロスコネクト、フレッツ・VPN プライオ、NTT東日本データセンター、ネットワーク整備、情報セキュリティ対策

ソリューション導入効果

  • 300を超える各店舗でのシステム遅滞・障害もなく、安心して中古車関連情報が閲覧可能になった
  • AWSを活用するセキュアなクラウド環境が利用可能となったことで、監視・障害対応の負担感が大きく軽減された

NTT東日本を選定したポイント

  • 複雑化した社内システムを理解し、抱えている課題に対して日ごろから親身になって相談に乗り、多様な提案と解決策を迅速に示してくれること
  • AWSの活用に際して関連企業と連携を取り、ネットワーク構築や情報セキュリティ対策の実施はもちろん、保守・運用面へのきめ細やかな対応などトータルに課題解決を支援してくれること

車という買い物を楽しんでもらうために
きちんとした情報を提供したい

――ビッグモーターの事業の特長はどんなところにあるのでしょうか。

川口氏:私たちのメイン事業は中古車の販売です。「いつもお客さまの近くにあって安心してもらえる」、そんな企業をめざして全国に約300もの店舗を展開しています。お客さまに車の購入という大きな買い物を十分に楽しんでいただくには、「情報」が重要な要素です。そのためには、販売員の接客スキルとともに、お客さまのニーズにフィットする車の型や色、年式、大きさ、走行距離、価格帯などの詳細な中古車情報が随時、最前線に提供されていなければなりません。最新の情報提供を実現し続け、お客さま目線の努力を現在進行形で続けている点にビッグモーターの特長があります。

――貴社は以前からシステムを有効に活用されていますね。

川口氏:当社の中古車情報システムの原型ができたのは30年くらい前のことです。拡張・改修を続けながらお客さまのニーズにフィットする形で使用してきました。基本的な機能はそれほど変わっていなくても、増え続ける中古車情報に対応するキャパシティーや規模の面ではずっと変化し続けてきました。

株式会社ビッグモーター
システム課 課長 川口 洋之氏

大きな負担になっていた
300台のサーバーの監視と障害対応

――システムとしてはどんな課題があったのでしょうか。

川口氏:リニューアル前には、各店舗にサーバーを設置していたので、全国に約300のサーバーがあり、データセンターから地域を統括するサーバーを経由しながら中古車情報を配信していました。メインのサーバーに新しい中古車情報が登録されると、順番に配信していましたから、一日中更新しっぱなしの状態です。

ただ、更新にはどうしても時間差が生じます。解消のため、各店舗ではお客さまから問い合わせがあった車について在庫を保有する店舗に電話確認をして商談を進めていました。このため、商談中の車が別店舗でタッチの差で売却となるケースもありました。もちろん、商談時には「お申し込み・意思決定の早い方がいた場合には、その方を優先する」というお話はさせていただいています。

また、約300台ものサーバーを利用していたために、運用面での難しさもありました。例えば、約300台のうち1台が1年の中で1回の割合で障害発生すると、全体で見ればほぼ毎日障害が発生していることになるのです。

クラウド化のパートナーとして
きめ細かな対応ができるNTT東日本を選択

――サーバー自体の故障もありますし、ネットワーク障害や停電のトラブルもあります。システム担当としては、どのように障害の発生を知り、対応していたのでしょうか。

川口氏:以前は、サーバーの情報が更新されているかどうか、ツールを使って常時監視していました。特定のサーバーのデータが更新されていないときは、何らかのトラブルが発生しているわけです。しかし、現場では気づかないこともありますから、システム担当者がモニタリングするしかない。しかも、障害の原因の切り分けがとても大変でした。

また、これまではキャパシティーや規模の面からVPNネットワークを次々と拡張し、ネットワークも全国で5つのグループに分かれていてデータ送信のルート特定も大変でした。ハードウェアのトラブルが絡むとさらに原因特定が難しくなります。

――クラウドへの移行はどのように進められたのでしょうか。

川口氏:2019年1月をめどに当社の基幹システムをリプレースすることになっていました。このタイミングで中古車情報システムについても、クラウド環境に移行しようと考えました。サーバーをクラウドへ移行することでクラウドの伸縮性により、今後データ量が増えても対応可能です。さらに、パブリッククラウドを活用すれば、これまでのシステム構成もシンプルになり、運用負荷が削減できると考えたのです。

基幹システムをクラウド環境に移行することには確かにリスクもあります。しかし、繰り返しになりますが、システムの運用負荷が大幅に削減でき、変化にも柔軟に対応できる点が魅力でした。長期的に見ればコストメリットも期待できます。選択するパブリッククラウドとしては、AWSを第一に考えていました。最も有名で、実績もあって料金もリーズナブルです。こうした観点から2018年8月に「今年の12月までにクラウド環境に移行したい」とNTT東日本に伝え、相談に乗っていただきました。

移行に際しては各店舗のサーバーをすべてAWSに移行する場合でも、当社は全国規模で店舗を有しています。そのスループット確保のため、これまでと同等の1ギガのネットワーク帯域は欲しい状況でした。そこで今の「VPNワイド」を生かしてAWSに接続できるよう、クラウド直結の「クラウドゲートウェイ クロスコネクト」を新規に導入しました。このサービスは信頼性の高い閉域ネットワーク経由し、クラウドを利⽤することができる点が魅力です。

さらに、NTT東日本には大規模で広域なネットワークを構築可能な「フレッツ・VPN プライオ」(※1)を併用する形で提案していただきました。この方法であれば、セキュアな通信が可能となり帯域優先(※2)で安定した品質もあるため、リスクを抑えてAWSを活用できます。
※1 本サービスはベストエフォート型サービスのため、通信速度や通信品質、常時接続性を保証するものではありません
※2 通信元と通信先の回線がどちらもフレッツ光ネクストプライオ10/プライオ1の場合にご利用いただける機能です

――かなり短期間のプロジェクトですね。どう実現したのでしょうか。

川口氏:「期限までに絶対にやり遂げる」という前提に立って、一緒に議論し尽くしました。本当に大変だったと思います。しかし、とても粘り強く対応してもらえました。基幹システムだけにレスポンスが遅くなることはもちろん、万が一止まったりしては大変です。気になる点は1つも残すことなく全部詰めて、NTT東日本と二人三脚で改善案を模索していきました。

――NTT東日本に決めていた理由は何だったのでしょうか。

川口氏:これまでもずっと一緒に仕事をしてきましたし、常に誠実な仕事をしてくれます。そして何と言っても投げ出さない。難しい内容の相談をしたときでも、必ず何らかの方法でこちらの要望を実現してくれました。今回のことも内容・スケジュール的に相当厳しいお願いでした。わずか4カ月で全国のネットワークを見直して、全国300店舗で活用できるクラウド環境を構築するわけですから。これまでの経験からも、「NTT東日本以外では対応できない」と強く感じていました。各店舗における工事調整なども、NTT東日本の担当者が実際に現場を訪れ、状況を把握しながら丁寧に進めてくれたことで大きな安心感を得ました。

サーバー・ネットワーク保守の不安から解放
世界企業としての情報提供を期待

――クラウド環境に移行した感想をお聞かせください。

川口氏:これまで24時間365日気になっていたサーバーやネットワークの障害から解放された実感があります。保守が本当に楽になりました。「どこかの店舗で何か障害が発生しているのではないか」、そんな不安が常に頭の片隅にある状態でしたから。今回のリプレースでのトラブルに、ネットワークのものは皆無です。万が一のことを考えてVPNを通さない通信回線も用意しましたが、無用の心配に終わりました。各店舗からサーバーが消えたのに、現場は変化に気づいていません。現場はそれくらいの反応がよいと思いますね。また、クラウド化の背景には、今後の企業拡大・発展はもちろん、いままで以上にお客さまに買い物を楽しんでいただけるよう、システムをより使いやすいものに変えていきたいとの思いもあります。システム担当者としてはサーバーがお店にある安心感というのはありましたが、ないことに慣れてしまえば、これほど楽なことはありません。こうした環境の実現に貢献するシステム構築ができ、本当に良かったと感じています。

――今後の具体的な計画はありますか。

川口氏:2019年内には西日本の支店も「フレッツ・VPN プライオ」を導入して、東西をプライオ同士で接続するようにします。そうなれば、共有フォルダーのやりとりに多少時間がかかっている課題も解消され、ランニングコストも下がるはずです。通信速度も速くなってシンプルになります。今回もNTT東日本に助けられましたので、今後もいろいろな課題を相談していきます。NTT東日本は私にとってはとても身近な存在です。世界的に有名な企業として多くの情報が集まっているはずですから、その知見を聞かせてほしいですね。今後の展開のひらめきにつながると期待しています。

※アマゾン ウェブ サービス、AWS、AW ロゴは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
※⽂中に記載の組織名・所属・肩書・取材内容などは、すべて2019年8⽉時点(インタビュー時点)のものです。
※上記事例はあくまでも⼀例であり、すべてのお客さまについて同様の効果があることを保証するものではありません。

企業名 株式会社ビッグモーター
設立 1978年5月
企業概要 創業から約40年。兼重宏行CEO(最高経営責任者)の個人創業から始まったビッグモーター。常にお客さまのニーズに合ったクオリティーの高い商品・サービス・情報を提供するという理念のもと成長を続けてきた。「自動車に関するすべてのことをサポートする“ワンストップサービス”」という独自のビジネスモデルを強みに現在全国300店舗以上を全国に展開。業界のリーディングカンパニーとなった今も、飽くなき挑戦を続けている。
事業概要 国産車、外国車の中古車・新車販売および車両買取業務、車検・一般整備および鈑金塗装業務、損害保険代理店および自動車関連業務
本社 東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー20階
資本金 4億5000万円(2018年9月時点グループ計)
売上高 3400億円(2018年9月期 グループ計)
従業員 5000人(2019年2月末時点グループ計)
URL https://www.bigmotor.co.jp/

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